↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/92

89 ヴァイア防衛戦 壱、そして……(改訂-5)

【ヴァイア防衛戦】をお送りします。

 魔獣の軍団との死闘が始まります。


 宜しくお願いします!

 獣の巨体が連なって歩く。


 踏みしめる大地が穢れ、


 草すら生えない大地にかわる。


 その細めた瞳孔は人の血肉を捉えているのか。


 「銃士隊の一斉攻撃後に、総司大隊と黒豹騎士団は右手から、ゴドラタン帝国第二軍は左手から敵妖魔軍に突入する! ライアット公国軍そして、赤鷹騎士団はその後詰に! 」

 ヒロトは空間に表示されたコンソールを操作しながら素早く指示を出す。全ての軍の戦力パラメーターが表示されてゆく。



「敵戦力の中にかなり高レベルのモンスターが多数確認される」

 量子電脳アップルシードの解析データが表示され、魔獣の類いだとわかった。


 

「九郎は部隊を整え、そのまま東北へ向かってくれ。予定通り威力偵察を頼む。ヴァイアの街は直掩部隊で持たせる」

 念話で九郎にも指示を送る。




「なんだ? ありゃ〜? 」

 ビリーは双眼鏡で敵を確認したが、あんなのがこの世界にいる事に馬鹿馬鹿しさを覚える。



「魔獣の大群です。ああんなに?! 」

 メイデルも信じられない気持ちだ。魔獣など滅多に人里には降りて来ない。



「マンティコア、キメラ、見たことの無い魔獣も」

 晴明が城壁の上に立ち、懐から呪符を投げる。素早く印を結び術を発動させる。



「……ヒイ タカネヤツドイテ 胸には炎雷神(ホノミカヅチ)、腕には若雷神(ワカミカヅチ)、足には鬼雷神(オニミカヅチ)……来れ!! 」

 すると上空に巨大な鬼の頭が八つ浮かんでいた。



「神の生死をも支配する、黄泉の八雷神です! 」

 鬼の頭からは稲妻が絶えず発生して周囲の空間がイオン化している。




 3日前から各軍の魔導団が徐々に魔力を込めた空間魔法陣の最後の詠唱をマーリンが行う。



「……灰塵とかせ、汝はアバドンの敵、グロス テルロス ガイナス、炸裂せよ! 我は爆炎の代行者!! 吹っ飛べ! 魔連鎖爆炎壁(ブロストガイナス)!!! 」



 妖魔軍の上空から真っ赤に燃えた火球が十数個落ちてくる。インパクトの瞬間、メガトン級の威力の爆裂魔法が連鎖爆発した!!



「対ショック防御!! 」



 遅れて衝撃波が街にまで届く。

 噴火に匹敵する噴煙が成層圏にまで昇っている。

 晴明が右手を振り下ろすと、八雷神が高速で妖魔軍に襲いかかった。



「銃士隊……一斉射! てぃ!! 」



 ビリーの合図で二千挺のライフルが一斉に火を吹いた! そしてさらにブローニングM2重機関銃が火を吹く! 一分間に五百発の徹甲弾を発射し妖魔を蹴散らしにかかる。



「抜刀!! 敵妖魔並びに魔獣の軍を蹴散らすぞ! 我に続け! 」



 総司が勝つを入れて城門から打って出た。

 同時に左手からもゴドラタン帝国軍が打って出る。

 爆炎の中を魔獣共が蠢いている。八雷神が魔獣と壮絶な戦いを繰り広げているが、あまりにも敵の数が多い。



「装甲騎士団前え!! 」



 ゴドラタン帝国軍の巨大な盾を装備した装甲騎士が隊列を組んで進んで行く。

 その隣を武蔵が魔獣の群れに向かって走っていく。





 ヒロトの戦略・戦術コントロールモニターは目まぐるしく状況表示が変化する。

 


「転生者は居ない……か? だが数が多すぎる」



「総司! なんとか支えてくれ! 」

 念話で総司に呼びかける。

 総司と武蔵で大物を刈りとりに先行していた。



「あれをやるぞ! 」

 武蔵は二刀をはじめから持ち、キメラに向かって突進する。



「了解です! 頭をおさえます!! 」



 総司は神速で武蔵を追い抜き、飛び上がったかと思うと、既にキメラの獅子頭を頭頂から断ち割っていた。

 武蔵が足を切り飛ばして行く。

 この二人の連携攻撃に対処できる敵などいるのだろうか?

 その武蔵を横からマンティコアが鋭い爪で攻撃するが、簡単にかわして首を断ち切る。



「凄い!! 皆の者、遅れるな! 」

 副団長のルナールは負けじと総司の後を追いかける。





「ヒロト……」

 なにか思いつめた顔をしている。



「マーリンか? どうした? 」



「ヒロト。できれば魔法は使うな。お主の魔法は強力だが身体に負担がかかりすぎるのじゃろ? 」

 マーリンはワンピースの裾を握りしめ、泣きそうな顔をしていた。かか可愛い……



「ぅほっん! 大丈夫だよマーリン」



「お主の魔法はおかしいのじゃ! 普通ではない。一体何がどうなっている? 」

 ヒロトの袖にすがりついて捲し立てる。


「フォトン・バッテリーという魔導機械がある」



「バッテリー? 」



「ああ。魔力を貯めて増幅する事が出来る機械だ。そしてAIアップルシード……まあどう説明すればいいかな? 要するに神様の計算機みたいな物があって、一人では出来ない多層構造魔法の魔導演算を俺の代わりにやってくれる……だけど行使するのは生身だから、あまり強力な呪文は多少の反動がある」



「多少じゃなかろ? 」

 マーリンは遂に泣き出してしまった。




◆◇◆




 アメリカ合衆国 ケネディ宇宙センター

 特殊重犯罪者刑務所


 月軌道に作られたムーン・ステーションへの定期便が発射されたこの日、マスドライバーの光跡を眺めながら、東洋系の女はため息をついた。


「政府が民間人を脅すのかい? なんで私らが、そんな訳のわからない所に行かねばならんのさ? 」

 この地は気候も良く、爽やかだ。今日は天気もいい。気に入らないのは、目の前のいけすかない男と、嵌められた手錠だけだ。



「そのミッションに参加すれば、君にかけられた十三件の懲役刑は抹消される。たしか合計懲役二百八十年だったかな? 」



「二百九十二年だ……だがごめんだね」



「良い話しだと思うがな? 君の弟も喜ぶだろう」

 眼鏡をかけたスーツ姿の男は、袖口についたチョークの粉を払いながらそんな事を呟く。



「弟に手を出したら、お前の関係者を順番に殺すぞ! 」

 女は、目の前の眼鏡を睨みつける。



「まあ、落ち着け。ミッションをこなせば新しい戸籍も金も手に入る。また弟と一緒に暮らせるぞ。君の能力を活かせる仕事だと思えばいい」



「……どうすりゃいいのさ? 」



「いまから四ヶ月後、日本に行く。そしてファイヤーグランドラインと言うMMORPGにダイブする事によって、その世界に転移される」

 男は眼鏡を右手人差し指で、上に押し上げ、女に笑みを見せた。




【ヴァイア防衛戦】をお送りしました。

 次回はゴドラタン帝国軍に不穏な動きがあります。

 また宜しくお願いします。

 (映画 ドラゴンタトゥーの女を観ながら。)


※宜しければブックマ、評価★★★★★をポッチっと押して下さい。評価欄は下の広告のさらに下にあります。押して頂けたら作者は空に舞い上がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。