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86 暗黒騎士 (改訂-5)

暗黒騎士団と九郎率いる特別遊撃大隊との一戦です。


では頑張ってまいります!

 その女性は美しく、儚げで、


 ナイルの宝石の様な輝きがあり、


 どこか悲しげであった。


「千年前に何が? 」

 まだ目の前にいる女性が千年の時を超えて存在するなどと飲み込めないでいた。ましてやクレオパトラだ。話しを聴くと、マルクス・アントニウスと出会う前に、この世界に召喚されている。あの恋を知らずに……



「あの時、我ら十剣神と言われた召喚者は、ロード・グランデ大迷宮の常世の祭壇で、災厄の渦の中心部の封印を行なった」

 クレオパトラは遥か遠く時空の彼方を眺めながら言葉を紡ぎ出す。



「壮絶な魔神との戦いで、仲間を失った。その満身創痍の力で最後の封印を行なったが、完全に災厄の渦を止める事は出来なかった。呪いが残ってしまったのだ……」

 幾人かは現世に戻る事が出来たが、私とあの男は呪いの影響で、この世界に囚われてしまった。



「私は呪いのせいで歳をとらないのだよ。意識が千年も続けばそれは拷問と同じだ。我ながらよく耐えた」

クレオパトラはワイングラスを手にして、一息に飲み下す。



「災厄の渦とは何なのですか? 」

 ヒロトは最大の疑問を口にした。それはエレクトラも聞きたかった事だ。



「巨大な呪いじゃ……千年前の災厄の渦は完全ではなかった。魔神を支配する宝珠も五つしかなかった。本来は八つ必要なのだ。全ての条件が揃うと冥府魔道への入り口が開き、何かが這い出て来る」


「何かが?? 」



「妾にもわからぬ」



「先ほど。あの男と仰いましたね? 」



「ああ、初代ゴドラタン帝国皇帝も呪いを受けた。その血脈は代々記憶を継承し続ける。初代ゴドラタン帝国皇帝の名は、ナポレオン・ボナパルト」



「ナポレオン?! ナポレオンの記憶を継承しているのですか? 」 



「ああ、やつもある意味千年生きているのと大差ないな。それに戦争の天才でもある」

 それはヒロトも知っている。



「今回の災厄の渦は我ら十剣神と呼ばれた者達の落ち度だ。妾達が終わらせていれば、今回の災厄の渦は無かったであろう……」


 だがその場合、妹は救えない……災厄の渦のお陰で救えるとも言える……ヒロトは苦悶の表情を浮かべた。




◆◇◆




 怒涛の進撃を始めた暗黒騎士団。

重装甲の兵馬の足音は、もはや凶器その物だった。

 それを九郎の特別遊撃大隊が左斜め後方から突然現れ追撃した。会敵予想ルートに忍んでいたのだ。



「ドンピシャだ! 行くぞ!! 」

 敵の後方に襲いかかる。



 敵はその九郎の攻撃に直ぐに対応を始めた。左右二手に分かれて、各々が後方へ回り込んで、更に九郎の後を取ろうとする。



「ちぃい!! 」

 


 九郎とウィリアムは速度を更に上げて、敵中央をぶち抜く!



「こいつら! 並みではない!! 気を抜くな! 」

 九郎は敵の指揮官を探した。

 一際豪華な悪目立ちする鎧を纏った騎士が右後方に回り込んだ敵の先頭にいる。



「奴か?! 」



 九郎は素早く右側に寄ってその騎士の前に出た。



「その首貰い受ける!! 」 

 肩から神霊力を練り込んだ愛刀【蜘蛛切】を抜き放ち、一気に振り下ろす。

 真空の刃が飛ぶ! だが騎士はその真空波を弾き飛ばした!



「召喚者か! 礼儀も知らん猿め! 」

 騎士は馬首を返して、九郎と対峙した。

 騎士団同士での乱戦に突入する。



 敵騎士は破壊的な、一撃を九郎に浴びせかける。だが九郎もそれを軽々かわして横殴りの一閃を騎士にみまう。

それを盾で受け止めたが、騎士は馬ごと弾き飛ばされた!



「貴様! 何奴だ! 我が名はジル・ド・レ! フランス王国軍の元帥である」 



「俺の名は、源のホンジャマカと申す! 」

 九郎は火に油を注ぐ。



「貴様! 意味はよくわからんが、ふざけているだろ?! 」

 ニ度三度撃ち合うが、威力はほぼ同等だった。だがここで敵の攻撃が変わる。

 盾を持った左手から大量の毒蛇が九郎めがけて飛ぶ。



「うっわわ! 気持ち悪りい! 妖術か? 」

 九郎は素早く切り抜ける。

 そこへ、スイッチするかの如く、ウィリアムが前から突入してくる。

 ウィリアムの上段からの一撃がジル・ド・レの脳天に直撃する! だか頭から血が噴き出すが、直ぐに傷が塞がる。



「これだから転生者とか言う奴らは! 不死身かよ? 」



 ジル・ド・レが剣を翳すと、白刃が強烈な光を出す。



「ヤバイ! 退避しろ! 」



 強烈な波動がアリストラス騎士どころか、暗黒騎士までも巻き込んで、蒸発させる。凄じい熱線だった。

 その時、右横からいきなり九郎へ斬撃が落ちてくる。それを間一髪でかわした。スパルタクスの攻撃だ。



「あぶねーな! 」



「ローマは滅せよ!! 」

 スパルタクスからの衝撃波が今度はウィリアムを襲う。



「なんだ、こいつは! 」

 ウィリアムは、スパルタクスの攻撃を弾いてみせた。



「ウィリアム! ジレ! 予定通りだ! 回避しろ! 」

 九郎からの号令で大隊が四つに分かれてその場から退避し始める。

 ここは最初からヒロトが仕組んだ場所だ。暗黒騎士団がその場所へ入ると、巨大な魔法陣が地面に浮かび上がった。




皆さんの貴重なお時間をありがとうございます。

読み進めて頂きとても嬉しいです。

【小説家になろう】で連載されている先生方の作品を読む時間と、自分の作品を書く時間。

1日の時間がとても足りません!

(映画 オネアミスの翼を観ながら。)


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