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「おや?珍しい。私が来客に気が付かないとは・・・。失礼、いらっしゃい。」
私が部屋のドアに体を預ける様にして立っていると、
部屋の主と思われる初老の男は私に気が付いて近寄ってきた。
私も好き好んでこの場にいるわけではない。
何故かこの部屋に入って以降、体が思う様に動かせずにいたのだった。
「ふむ。どうやら君には回復が必要なようだね。どうぞ、こちらへ。」
男は私を抱えると、迎え合わせのソファーとローテーブルがある場所へ移動させた。
私は横に寝かされると回復する為、余計な力を全身から抜くことにした。
「その様子では、回復に時間がかかりそうだね。どうだろう?物語を聞いて行かないかい?」
男はそういうと、手に持っている本を開いた。




