食す者(イーター)
キスクの街に帰って来たカル達は、早速ギルドに向かった。カルはジョシュに話を聞きたかった。今は何をするべきなのか、そして今後はどうすべきなのかを確認する為だ。
修行をしている間は余り動きたく無かった為、行動を謹んでいたが、新たな力を得、意気は上がっていた。
カルはジョシュに会う為酒場に入って行った。
「ジョシュさん、話があります」
「あの部屋に行けるか?」
「わかりました、僕の仲間も連れて行きます」
「…仕方ない、だが注意しろ。30分後だ」
「分かりました」
ジョシュが手で行けと合図をした。カルは軽く頷いて外に出て行く。
待っていた3人に30分後にある場所に行く事を伝えた。
「その場所に何かあるの?」
「ウバクの民の秘密の場所だよ」
「なるほど、では慎重に行動しなくてはなりませんね」
「ああ、気配に常に気を配っていよう」
4人はしばらくして移動を始めた。路地裏を歩き、秘密の部屋の入り口から地下に降りて行く。
ジョシュは既に来ていた。カルは声をかける。
「ジョシュさん、食す者について教えて頂けますか?」
「カル様、我々は食す者をコードネームのように、イーターと呼んでおります」
「イーター?」
「はい、そしてセシル様、ヨウ様、ブリトニー様にはもうご理解頂けておりますか?」
「存在する事は伝えました」
「そうですか、イーターは実に狡猾で、至る所に存在しています。もちろん冒険者の中にも、キスクの街にも存在しています」
「どこにいるかはわからないのですね?」
「はい、何処から現れ、誰の手先なのかはわかりません、彼らは捕まった場合自ら死を選びます」
「黒幕は大物という事ですね…」
「はいわかっているのは王族、貴族、魔族も関わっているとの情報は得ています」
「魔族までが…」
「とにかく、今は何も無いという振る舞いをお願いします」
「わかりました、何があった場合は?」
「そう、今日はこれをお渡しします。これがあれば遠くにいても会話ができます」
ジョシュは小さな装置をカルに渡す。今まで見たこともないものだった。
「これを常に持っていてください、これは無線機というものです。キスクの周辺でしたら必ず会話ができます」
「これがウバクの科学ですか?」
「そうです、しかし人には見られぬ様にご注意を」
「わかりました」
「近いうちにイーターが必ず現れるでしょう、その時はいつでも動ける様によろしくお願いします」
「僕らは冒険者としての依頼を続けて受けようと思っていますが、どうすべきですか?」
「それで構いません、しかし、常に狙われる可能性があるとご理解下さい」
「わかりました」
「それからロンバルドも我らの仲間です」
「ギルドマスターも仲間だったのですね」
「はい、今後ともお気をつけ下さいます様」
「わかりました」
カル達は秘密の部屋を出てみんなで食事をする事になった。修行が終了した後、東国の料理屋で食事するという約束だったのでやって来た。
いつものように刺身と寿司、そして小麦で作った麺を頼んだ。
「みんな、とりあえずお疲れ様でした、さっきの話もあるので今回の修行は必ず役に立つはずだと思う」
「とにかく今日は食べよう!」
「そうですね、美味しいものを食してこれからも頑張りましょう」
「ああ、そうだな、私はサーモンとマグロは必ず食べるぞ!」
何やらブリトニーは好きなネタがわかっているのか、それを推している。
食事が運ばれて、みな夢中に食べた。みんないい顔になっている。
これからどんな事が起ころうと、カルはこの仲間となら乗り越えて行ける、と心の中で思った。
明日はどんな事が起こるだろう?3人の笑顔を見ながらカルは考えていた…




