4月23日、鏡を割るブス
4月23日
【朝】
鏡を見る。
ブスが出現した、と思った途端、鏡が割れた。
買いなおさなければ。
天然パーマかつ剛毛のハイブリッドヘアがたった一か月で縮毛矯正に打ち勝ち、激しくうねる。
日本美容界の技術力をもってしても、隙一つ見せないブス力の前には完敗なのだろう。
何だか今日は強い気分のドブスである。
【昼】
特に無し。
髪の事を引きずっているのか、やきそばが食べたくなり、スーパーに出向く。
鏡の購入よりもやきそばを優先する辺りがブスである。
【夜】
知らない番号から電話がかかって来る。
『初めて聞く声』だ。
―――――――――
母でもない、父でもない。妹、
朋の番号とも違う。
薄暗い部屋でスマートフォンに表示される見慣れぬ番号と向き合う事暫し。
意を決して、受話器マークに触れる。
「も、もしもし……」
声が震える。
だがそれも直ぐに安堵と変わった。
―――――――――
同僚のスリランカ人男性、『ハルシャ』からの電話だった。
どこから私の番号を入手したのか。
人生で初めての合コンに誘われた。
間違いなく人数合わせだ。
相手は日本人2人、スリランカ人2人、らしい。
自慢ではないが、このドブス加減は万国共通なのだ。悩む。
仕事に行く。
ハルシャに悩んでいる旨を伝えた。




