18『クラブシザーハンマー』
2回目です
春夏秋冬の皆と話し合い、今回も一緒に行動することになった。
構成は春夏秋冬の4人とエンクさんの5人パーティーと、俺とユキムラ君、そして従魔2体の4人パーティーをユニオンを組んだ状態にする事に決まった。
組んだ時にクエストの内容が彼女達にも伝わったらしく怒られた。
別に話す必要はないと思うんだよね、これからどうするかなんてまだ決めてなかったし。
ちなみに、クエストには協力してくれるそうだ。まぁ、ポイント沢山入るしそうなるよな。
さて、パーティーを組むためには本人が居ないといけない、よって、ユキムラ君が帰ってくるまで入江で待機する事になった。ので、手に入れた武器と防具を試してみよう。まずはクラブアームから、
【クラブアームズ】
防御:80 耐久値:300/300
ライトハンマークラブの甲殻で作られた小手
左右ワンセット、右が赤色、左が黄色
アビリティ
【甲殻(蟹)】
すっげぇ~! これワンセットで今の防具の合計値とほぼ同等だぞ! それにアビリティ! あるのは知ってたけど実物は初めて見たな、効果は、
【甲殻(蟹)】
刺突属性に対する防御1.3倍
衝打属性に対する防御0.8倍
この効果は合計値に加算されるのか? それともこれ単体の話? ……着けてみれば分かる事だな。それでは早速装備っと。それではステータスを確認。
……よくよく考えるとダメージを受けた時しか発動しないタイプだよな、これ。まあいいや、強化されたのは間違いないしな。さて、次は──
「あら!? やっぱりジンも貰ってたのね!」
「も? と言うことはビウムさん、も!?」
振り返ると赤と黄色の2色がごちゃ混ぜになった凸凹が目の前に居た。良く見たら大蟹の甲殻に似ている、その上にビウムさんの頭が乗っている。ア、アンバランス、どうしてこんな事に。
「ビックリするわよね、これ、きっとビウムの体格がシステムの規格外なのよ」
「まあ、見た目は完全に子供ですし」
「どう見ても着られてますよね~、甲羅に」
「うるさいわね! ほっといてよ! 運営には後で修正要望メールを送ってやるわ! 大量に!」
「それただのクレーマーですよね、アカBANされたりしませんか?」
ビウムの姿で話が盛り上げっているみたいだけど、皆も結構変な格好になってるよ。
ネリネさんはブーツが大蟹装備だ、ヒールになっていて身長が少し高くなっている。
アヤメさんは俺と同じ小手、だけど俺と違って右の方が肩まで覆われている。
カンナさんは修道服の上に着けている、と言う事はあれは服なんだな。鎧の2ヶ所が凄い膨らんでる、服の上からでも大きいと分かっていたが、あれでも控え目になってた方だったんだね。そりゃアヤメさんが目の敵にするわけだ。
エンクさんは腰と兜。腰はいくつもの甲殻が繋がったスカート状、歩くだけで金属音が響いている。兜はフルフェイス型で顔部分を取り外す事が出来るみたいだ。顔部分は目の部分に横線の穴が空いているだけ。見た目からすると視界が悪そうだけど、仮面を着けた時の事を考えると恐らく問題はないのだろう。それでも、
「違和感半端ねぇ」
「まあ、そうよね、でも諦めるしかないわ、ユニークはこう言うものらしいから」
「ユニーク?」
「モンスターを倒した時やダンジョンで希に手に入る装備の事よ! 親方が言うにはランクD以上のモンスターからドロップするらしいわ!」
「取得者の体格、スキルに合わせて形状が変わるうえ~、特別なアビリティを持ってる事も特徴で~、【鍛冶師】達はユニークを超える物を作る事を目標にする人も多いらしいですよ~」
へぇ、ユニークか。ドロップ専用なんだろうか? 解体する場合でも出るならどんな風に出てくるんだ? 神話みたく体の中から出てくるとかだろうか? ま、いつか分かるか。
「ちなみに親方はこれくらいの装備なら作れるわよ!」
「マジで?」
「私見せてもらったから間違い無いわよ! 制作者が親方の名前だったし」
おぉ、親方そんな凄い人だったんだ。なら、親方が夢中になって調べてるあの鎖はどれだけの価値があるものなんだろうか? 俺に使いこなせる物なのかな? いや、使いこなせる様になればいい話、やってやるさ。
さてさて、そろそろ武器の方も確認しようか。名前から考えるとビウムさんが使ってた物と同じ感じだと思うんだけど、それだと俺は使わないよな。取得者によって変わるなら俺に合わせた武器の筈。どれどれ。
【クラブシザーハンマー】
攻撃:90 耐久値:500/500
ライトハンマークラブの大バサミから造られたハンマー
金属部位を一切使用してない天然武器
アビリティ
【自己修復(微)】
【自己修復(微)】
時間経過で耐久値微量回復
こっちも能力が凄い! 何よりアビリティ! ほっといても回復するとか、最強じゃねぇか!?
ただ、問題なのは、
「これ、ハンマー?」
見た目は人の胴体を挟める位大きな蟹のハサミの根元に短くて太い棒がくっついている、それだけだ。色は赤と黄色のまだら模様、これを振り回せと言うのだろうか?
「あら? なんですか、そのハサミ」
俺が武器の使い方を考えていると、後ろからネリネさんが声をかけてきた。
そうだ! 分からないなら専門家に聞けば良いんだよ。ここには一応武器、防具職人がいるじゃないか。
「武器の筈なんですが、使い方が分からなくて」
「拝見してもいいですか?」
「どうぞ」
「では、少し失礼します」
ネリネさんはハンマー? を受け取るとウインドウを開いた、残念ながら他者のウインドウの中は見ることが出来ないので、俺には何をしているか分からない。多分【鑑定】をしているんだと思うが、どうなんだろう?
「ビウムさん、これ見て貰えますか?」
「良いわよ! ってなにこれ!?」
どうやらネリネさんだけではダメだったみたいだ。呼ばれたビウムさんは何やら驚いてるし、一体何があった?
2人は暫くウインドウを見ながら話をしたあと、ネリネさんだけがこちらに戻ってきた。そして、
「これの使い方が一部判明したのでご説明致します」
「あ、はい、お願いします」
「ではまず、柄の部分を両手で持ってください」
言われた通りにハサミに繋がっている短い柄を持つ。
「次はハサミの先端を、そうですね、あちらの飛び出た岩壁に向けてください」
そういって壁の尖った部分を指差した。この短い武器で何をしろと言うのか。いや、一応、そう一応ネリネさんとビウムさんは【鍛冶師】、俺よりも武器には詳しいのだ。信じよう。
「これでいいですか?」
「はい、問題ないと思います」
「思いますって、ネリネさ──」
「それではハサミに魔力を流してください」
「……はぁ、これでいいんです、グァッ!?」
魔力を流すとハサミが勢いよく飛び出し、壁に向かって跳んでいく。その衝撃で柄の部分が俺のみぞおちにクリーンヒットし、尻餅をついた。物凄く痛い。あっ、LPも減ってる!? なんなんだこの武器は!?
するとネリネさんが、
「ジンさん! 魔力を切ってはダメです!」
「ゴホッゴホッ、ふぇっ?」
俺が飛んでいったハサミを見ると、今度は勢いよく近付いてきていた。
「うっそ!?」
俺は武器を投げ捨てて、逆方向に転がる。
ハサミは柄に勢いよくくっつき、回転しながら砂の上を移動し止まった。
「はぁ、はぁ、……説明!! どうゆう事だ!?」
「え~、なにぶん読み取れない部分が多くてはっきりとは言えないのですが、その武器は魔力を流すことで何かが射出され、魔力を切ると元の形状に戻る、と言う事が分かりました」
「それ、ほとんど何も分かってないだろ!?」
「そう言う見方もありますね、まぁ、それで、武器ならビウムさんの方が詳しいので意見を求めたら」
「とりあえず試したら? とか言われたのか」
「……はい、一応疑問を提示しましたが、やらないと何も分からないだろう、っと」
「そういうことは先に言え! 知ってたらもう少しなんとかなったろ!」
「……すいません、今後は気をつけます」
あ~もう、まったくこの人はどうしてこう、事前に説明するという事が出来ないのか。初めてビウムさんに会ったときもお香の時もそうだ、何故何かが起こってから説明をするんだ。
俺が感情に任せるまま、説教をしていると、
「あれ? 姉さんが怒られて謝ってる、珍しい」
ネリネさんが俺に頭を下げている姿を見て、改めてログインしたユキムラ君はそう呟いた。
サブタイ通りハンマーの話です と言ってもまだ一端だけですが
気付いていた人もいると思いますが、そう、ハンマーは鉄球の方です
それとユニークについて
今回クエスト報酬の1つとして出た理由はイベントに積極的に参加させる為のエサです
どうしてそんな事をする必要があるのか、それはその内作中で
それでは!




