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Create・World・Online  作者: 迅風雷
第3章 星の降る島
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16『春夏秋冬の実力』

今日から連日更新です

「ビウムさん! 動きを止めただけですから、あまり前には出ないで下さい!」

「大丈夫よ! 見なさいあの姿! あんな無防備に倒れてるのよ!? 今出ないでいつ出るの!?」

「言いたいことは分かったから、一度落ち着きなさい」

「ユキく~ん、ジンさ~ん、ご無事ですか~?」


 突然現れたビウムさんを筆頭に春夏秋冬全員が入江に姿を見せた。しかし、どうしてここが分かったんだ? ユキムラ君がメールでもしたのか?


 いや、それよりも4人の後ろに居るのは誰だ? なんだか見覚えのある赤い髪、……待て、何故その人がそこに居る!?


「ほほう、あれは堅そうで撃ちがいがありますね、撃って良いですか?」


 そこに居たのは、大砲を持った赤い長髪の女性。

 揉め事を止める為に海に砲撃して海竜を呼び出した張本人が、再度俺の前に現れた。何故彼女が春夏秋冬(彼女達)と一緒に?


「そうね! それじゃ早速大砲(それ)の威力をネリネ達にも見せてあげて! おあえつらえ向きに良い的も転がってることだしね!」

「了解! お任せあれ!」


 そう言って名も知れぬ女性はこちらに砲身を向ける。彼女の狙いは立ち上がろうと俺の近くでもがく大蟹だと思われる、いや、ちょっと待って。俺まだここに居るから!? もう少し待って!! 


 しかし、その思いは届くことはなかった、俺が急いで駆け出した瞬間に、


「ファイヤーーーー!!!」


 ドンッドンッ、と2連続の爆発音と衝撃が響く。1度目は発射音、2度目のは衝突音だと思われる。俺は逃げる事が精一杯で前も後ろも見る暇はない、それでも気になって後ろを見ると。


「おぉぉ」


 俯せだった大蟹は先程より遠くで仰向けに倒れている。あれはひっくり返っただけじゃないな、間違いなく飛んだな、回転つきで。


 そして驚くべきは大蟹のLPゲージが空になっている事だろう。事前のダメージが極僅かだった事を考えると、一撃で倒せる程の威力の弾を持っている事になる。恐ろしい、巻き込まれてたら終わってた。


 おや? よくよく考えると、俺ってこんなのばっかりだな。よくまだ死なずに済んでるものだな。


「すいませーん! ご無事ですかー!」


 手を振りながら俺に呼び掛ける砲撃魔、あれ? まさか気付いてなかった? いやいやそんな事ある分けない、よね?

 いや、そんな事は今はいい、それよりも、


「こっちはいいからあっちの2体を頼む! あの威力なら直ぐに終わるだろう!?」


 大蟹を一撃で倒せるあの砲撃なら、このクエストを直ぐにでも、


「ごめんなさーい! 今のでさっきの弾は弾切れでーす!」

「……なん、だと?」

「だいじょぶだいじょぶ、威力は下がりますけど他の弾はありますから援護はお任せくださーい」


 大砲って援護に使うものだっけ? 普通は攻撃の要ではないだろうか? そんな事を考えた時、


「さあ! 次は私達の番よ! 春夏秋冬! 突撃!!」


 ビウムさんの掛け声で4人がユキムラ君の方へ駆けていった、俺も合流しよう、居ないよりはマシにはなる筈。

 インベントリからST回復ポーションを取りだし口に含む。今回持ち込んだアイテムの1つだ、とりあえず回復ポーションは3種類分揃えてきた。必ず使うだろうからね。


 初めて飲んだが味は結構酸っぱい。と言ってもレモン程ではないから飲めない程じゃないけど、連続で飲みたいと思える物ではない。これ1本で30%回復、せめてもう少し飲みやすければ、おっと後回し後回し。さあ、行こう。


 俺は皆に追いつこうと走り出した時、既に春夏秋冬の皆はユキムラ君とゲンジロウと一緒に立ち上がった大蟹の1体と戦いを開始していた。もう1体は未だジタバタと砂の上で立ち上がれずに暴れている。立ち上がる時間が違うのは個体差だろうか? 出来ればもう少しじっとしていてくれるとこちらは助かるな。


 そういえば、彼女達の戦いをきちんと見るのは初めてだな。王都に行くときはイアン達も一緒だったし俺も前に出てたからな。


 その彼女達の戦い方は、ビウムさんをサポートする形のようだ。まずはカンナさんが魔法を唱える、聞こえる内容から攻撃的と速さを上げる物のようだ。


 カンナさんが詠唱している間は、アヤメさんが腰から抜いた2本のナイフでヒットアンドアウェイで牽制、アヤメさんに攻撃が向いたら離れた所に移動したネリネさんが矢を放つ、先程も使った大きな音の出る矢だ。


 それでもアヤメさんに攻撃が向かう場合はユキムラ君が反対の位置から攻撃、ゲンジロウも大蟹の目の周りをグルグル回って妨害をしている。ユキムラ君がいなかったら逃げ回るつもりなのかな。


 そして、ビウムさんが声を上げる。


「準備完了!! みんな! 道を空けなさい!!」


 ビウムさんの大声にアヤメさんとユキムラ君がビウムさんの方へと走り、そのまますれ違い後ろへ抜ける。ネリネさんもビウムさんの後ろに移動、更に矢を放ち続ける。


 そして、大蟹に向かったビウムさんが武器を振りかぶる、その武器は俺が知っている大剣ではない、それはハンマーに見えた、柄がビウムさんの身長より長い巨大なハンマー。どう見てもハンマーに振り回される光景しか思い付かない。


 ビウムさんはハンマーを横歩きで迫ってくる大蟹の正面に叫びながら振り当てた。


「インパクト! スターーーンプ!!」


 ドォン、っと音が響き渡り大蟹がそのまま倒れる、そして俺からは見えた(・・・)。大蟹の腹側の甲羅が割れ、中から何かがこちらを覗いていた。


 あれはなんだ? そう思った直後、大蟹は他の大蟹同様光になって消えた。しかし、中に居た筈の者はそこに居なかった。

 気のせいか? でも、あれは、


「ジン! ぼさっとしてないでこっちに合流しなさい! 最後のが立ち上げる前にさっさとと仕留めるわよ!」

「お、おう、分かった」


 ビウムさんの言うことはもっともだ、考察は後、まずは目の前の大蟹(あれ)を片付ける。

 ビウムさん達と合流し作戦を話し合いながら、未だにジタバタと暴れている大蟹に近づいていく。


「良い!? 私の技を最高の状態で撃つにはチャージ時間とカンナの付加魔法を使用する時間が必要なの! だからジンはアヤメとユキと一緒にアイツが立ち上がらない様にしておいて!」

「具体的には?」

「それは……3人で相談して! こっちはチャージに入るから!」


 指示しておいて内容は丸投げかよ。どうしたものかと思っていると、アヤメさんとユキムラ君は既に相談に入っているのが見えた。流石リア友、慣れっこか。問題は相談の内容だけど、


「立ち上がれないように足を切り落とす?」

「それが出来るなら、こんなに苦労してないです」

「じゃあ、足を縛る」

「縄なんて持ってないですよ」

「じゃあ、地道に攻撃?」

「だから、僕の槍は弾かれるんですって」


 ああ、なんかダメっぽい。ん? 縄?


「一応テイムしたい奴がいたら捕まえようと持ってきた縄があるんだけど、使う?」

「ジンさんナイスです!」

「長さは? 短かったら意味が無いわよ」

「5m位かな?」

「それだと片側だけしか出来ないけど、何も出来ないよりは良い、か、ジン、縛るのは任せても良い?」


 スキルのレベル上げにもなるし、断る理由がないな。


「問題ないです」

「それなら、早速行く……えっ?」


 作戦が決まりアヤメさんが合図しようとした瞬間、背後からドンッ! と言う爆発音。振り返れば煙を上げる砲身を空に向けた女性の姿、そして今度は背後から鈍い金属音。


「ヒットーーー!!」


 入江に響く雄叫び、そして目の前にCongratulationsの文字が金色に輝く。

 と言う事は、


「クエストクリア?」

「みたいですね」

「なんかやりきれないわね」

「まあまあ、楽が出来て良かったじゃないですか~」

「矢も無制限に使える訳じゃ無いですから私は構いませんが」

「私の見せ場がーーーーー!!」


 さっき存分に見せたじゃないか、と思ったが今はビウムさんよりも砲撃魔(あっち)だ。

 さて、どうしたもんかな?

というわけで、春夏秋冬の戦闘とトラブルメーカーの参戦でした

最初に言っておきますが、彼女はヒロインではありません

ここまで無しで来たし、新キャラはあってもヒロインはこれからも無いかな~

とか、思ってるんですけど、今後の気分で変わるかも


それでは!

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