27『雛の成長先は…』
今日は馬車の中にログインだ。出来れば早目に村に着きたいところだな。
まだログインしていないからアバターが寝てるメンバーも居るけど、準備している間にログインするだろう。
「こんにちはジンさん!」
「こんにちはユキムラ君」
「見てください! ログインしたら雛が成長してました!」
そう言ってユキムラ君は手に乗った元雛を見せてくれた。全体的に赤みがかった色の鳥、種族を【識別】で確認、
「【ストーンスワロー】? つまりポーチに卵を入れた犯人も」
「そうみたいです。アンク君もそうでした、色は違いましたけど」
だとすれば、あの目眩ましからの突撃の時か、だけど、ポーチにパーティーメンバーにしか使えない筈。
どうやって入れたんだ? ……考えても分からないな、後回しにしよう。
「それで、この子の名前は?」
「【ゲンジロウ】にしました」
ゲンジロウ? 確かユキムラ君が名乗ってる戦国武将の真田幸村の名前の1つだった筈。
なるほど、真田縛りか。
「好きだね真田」
「はい! 大好きです」
笑顔でそう宣言するユキムラ君、好きな事があるのは良いことだよな。うん。
さて、ここで従魔のステータスを確認すれば、俺の雛があの燕に進化したのは確認できるだろう。
しかし、あえてここでは確認しない。
どうせなら、その姿を見て名前を決めてから確認しよう。
ってことで、早速厩舎にーー
「あの虫はきちんと捨てましたか?」
頭の上から声が来た。まだ言うかネリネさんは。
「俺の従魔と一緒に厩舎にいる筈ですよ」
「……そうですか、私、今日はここから出ないつもりですので、あの虫を絶対に、ぜーったいに上に上げないで下さいね」
あの子はまだ俺の従魔では無いから、指示を聞いてくれる訳じゃ無いんだが、まあ、一応、
「善処します」
とでも答えておこう。さあ、今度こそ厩舎に行こう。
「皆お待たせ!」
俺は声をかけながら厩舎に入る。真っ先に顔を上げたのはグレイス、とその眷族。
なんか大きくなってる、【アイン】の近くで見かける【ウルフ】の半分位の大きさだ。毛色はグレイスと同じ黒、これは【ブラックウルフ】であるグレイスの影響かな。
次はシロツキとその眷族、こちらの眷族は普通の大きさの【ラビット】になったみたいだ。シロツキの眷族なら【ニードルラビット】になると思ったが、何か基準があるのだろうか?
ゴウカ、ケンランはゆっくり空を泳ぎ、ガガ、ココはしっかり4本の足で立ち問題はなさそう。
そして、雛達の姿を確認、これが問題だった。
片方は灰色の小さめの鳥、ユキムラ君達と同じ【ストーンスワロー】の筈。ただその隣の茶色のデカイ鳥、お前は何だ? 識別!
【カイト】対応rank:F
『鳶、トンビとも呼ばれる動物
肉を好んで食べ、樹木や崖の上に巣を作る』
トンビ? 何故トンビが混じっている? 他の卵は燕になったのに。
崖の上に巣を作る、もしかして間違えて持っていったのかな? 彼等の巣も崖の上にあったしな。
とりあえず、成長した2羽のステータスをーー
「シュル」
「おっと、こんにちは幼虫君、君にはこれあげよう」
「シュルル~」
数枚の葉を地面に置いて幼虫にあげる。他の皆にも食事を用意し、改めてステータスを確認、おっと、名前も付けないとな。
【ストレイン】
種族【ストーンスワロー】状態【良好】
Lv1
LP:80
MP:100
SP:100
攻撃:10 魔攻:10
防御:3 魔防:5
持久:10 精神:5
器用:10 素早さ:12
運:7
土:2 水:1 火:1
風:3 光:1 闇:2
スキル
【飛行Lv1】【魔力循環Lv1】【夜目Lv1】【托卵Lv1】
【スクエール】
種族【カイト】状態【良好】
Lv1
LP:120
MP:60
SP:120
攻撃:12 魔攻:5
防御:5 魔防:2
持久:12 精神:8
器用:7 素早さ:15
運:4
土:1 水:2 火:-1
風:3 光:2 闇:3
スキル
【飛行Lv1】【鷹の目Lv1】【夜目Lv1】【気配察知Lv1】
ストレインの方は『ストーン』と『レイン』、俺の中のイメージは燕=雨からこの名前。
スクエールの方はその四角い尾羽から、尾羽の他の呼び方が分からないから『スクエア』と『テール』を組み合わせて命名した。
さて、気になるスキルの方だが、
【飛行】
翼、或いはそれに類するものを動かし
空を飛ぶことが出来る
【魔力循環】
魔力を体内で循環させる事で
体の一部を一定時間強化出来る
【夜目】
暗いところでの視界を明るくする
【托卵】
任意の相手に卵を渡す事が出来る
ある程度の安全性が確保出来る環境が必要
(受取り拒否不可)
【鷹の目】
より遠くを見ることが出来る
いくつか言いたいことはあるがとりあえず、
エッグイーターに襲われたのはお前のせいか【托卵】~~~!!
燕がそんな事を出来た記憶はないがここはゲームだ、ある意味、なんでもありが通じる世界だけど、あのタイミングでそのスキルは無いだろ!?
……いや、もう過ぎたことだ、それのおかげで新たな従魔にも恵まれたのだから、今回は水に流すとしよう。次は、ないけどな。
それと【魔力循環】、これ、俺も覚えられるのかな? 説明から気力に近い感じなんだけど、後で試してみよう。
後は、トンビなのに【鷹の目】これは一体? これも考えても無駄だな。便利だから良いや、位にしとこう。
次はグレイス達の眷属のついて調べたんだけど、結果は、
【眷属召喚】
『召喚可能数1体』
これだけだった、どうやらステータスはおろか名前すら確認出来ないらしい。
グレイス達には確認出来るのだろうか? まぁ、例え出来たとしても言葉を話せないから俺には分からない。よし! 考察終わり!
従魔達の食事を終え、ガガ達の準備を済ませ厩舎を出る。
従魔たちも6体になると大所帯感が出てくるな、そこに眷族2体に馬2頭、虫1匹が加算されるから尚更だ。
そういえば、グレイス達の眷族はパーティー枠としてはどういう扱いになるのだろう? 俺のパーティーには入っていないんだけど、う~ん、分からん。まあいいか、戦力が増えるのは良いことだしね。
「それじゃあ、従魔の皆は御者台の方へ移動して、昨日と同じ場所だよ。ガガ達はこっちで馬車をよろしく頼むよ」
俺の指示通りに従魔達は移動し始めた、何故か幼虫も一緒だ。既に従魔のつもりなのかな? でもテイム確認画面は出ない。何故だ?
馬達は御者台の前、素直に馬車と繋げられるのを待っている、自分達の仕事と分かってる証拠だろう。実に優秀だな。手間だ掛からないから本当に助かるよ。
「ジン、全員ログインした、こっちはいつでも行ける、ってなんか凄い増えてるな」
イアンが馬車から顔を覗かせ、御者台の従魔達を見ながら呟く。やっぱりそう思うよな。
「賑やかですね、僕もテイマー目指そうかな? ゲンジロウの仲間もほしいし」
「そうだね、僕も【スーロ】の仲間を作りたいな、……そうだ! 結局前は聞きそびれたジンさんが従魔を仲間に出来た経緯を聞いてから考えようよ、掲示板の情報より確実だと思うし」
「いいね! というわけなので、改めてお話聞いてもいいですか?」
幸村君とアンク君が訪ねてくる。まあ、別に隠してる訳じゃないから良いけど、それよりも
「話すのは良いけど、先に馬車を動かすから道中でも良い?」
「「はいっ!」」
「じゃあイアン、話がまとまったからそろそろ出発するよ」
「了解、今日もよろしく頼むぜ」
「おう! 任された」
俺は早速御者台に戻り手綱を取る、さぁ、出発だ!
「それじゃあ早速お話お願いします!」
「気が早いな、でも、良いだろう。さて、まずはグレイスをテイムした時の話だな。あれはチュートリアルの戦闘の時で……」
俺はグレイスとシロツキをテイムした時の状況と、ゴウカとケンランの卵を手に入れた時の話をした。
2人はしっかりと俺の話を聞き、自分達がこれからどうすればいいかを相談していた。
ただ、自分で話してて思った。俺、結構運が良かったんだな。
ストックが貯まらない、最近また執筆が止まりだした
もしかしたら更新が止まるかもしれません
自分なりに頑張るつもりですが、そのときはお許しを




