プロローグ
主要メンバー
オタ
わずか7歳でキョンシーとなった少年。重度のオカルト好きで、オカルト要素を見つけてしまうと捕まえたくなる衝動が起こる。
トルコじいさん
約1800年生きた反人族のお爺さん。有名なパン屋、「トルコのパン屋さん」の店長であり、イチオシパンはピーナッツの味を邪魔しない程度の甘味が特徴のスピットである。
オリジナル専門用語
幽人の世界
オタ達の住む世界。その名の通り、幽霊と人間がいる世界であり、人間は幽霊を認識することが出来る。それもそのはず、幽霊は完全な透明ではなく、半透明である。
乾軟木
幽人の世界では良く見かける、杉に似た形の木。濡れると柔らなくなるが、乾くとウソみたいに硬くなる。その硬度は例え、直径10キロメートルの隕石が直撃しても、無傷である。そして、100年が経過しない限り、劣化しないしカビも生えない。
帝国トルコ
現実にあるトルコとは全く別物の帝国。しかし言語を除き、文化、文明、伝統、食生活、社会はトルコと同じである。
スピット
トルコじいさんが独自で開発したパン。形状はフランスパンに似ていて、味はピーナッツの味を邪魔しない程度の甘さで、ひたすら美味いらしい。
「今日もスピットを持ってきたよ、オタ。」
「ありがとな、トルコじいさん。ほら、お礼の菓子だ。」
今日もそんな他愛も無い会話を交わして、取引は進んで行く。内容は、スピットと菓子を交換するものだった。なんか不平等に見えるが、オレの作る菓子はトルコじいさん向けだったらしい。
「ふと思ったんじゃが、質問をさせて欲しい。」
そう言うトルコじいさんに、オレは何の迷いも無く承認した。トルコじいさんは続けて言う。
「まず、お前さんの目は髪で隠れて見たことが無いのじゃが、いつになった見れるんだい?」
「まあ、その日は一生来ないと思うな。オレの額にあるお札は、オレですら引き剥がせない程の粘着力と、謎の力で髪で隠れて目が見えない役割を果たしているんだ。今すぐにでも剥がしたいけど、未だに解決策が見つからずに困っている。」
そう言うとトルコじいさんは納得し、荷物をまとめ、家を出て行った。
アナログ時計の方を見ると、もう19時01分になっていた。オレはそっと、スピットを手に持ちそれを口にする。
「美味い!」
やはりトルコのパン屋さんの店長!パンはフワフワで、ピーナッツの風味が砂糖の甘みで引き立てられている!甘い通り越してもはや美味い!
しかし、スピットの正式名称が「スイートピーナッツトルコ」なのは少し気になるが、それはトルコじいさんのセンスなのだろう。
夕食を済ませた後は、乾軟木が幽霊に触られていないか、家を出る。乾軟木はオレの家の主な木材だ。
この乾軟木は超優秀で、濡れたら粘土みたいに柔らかくなるのに、乾くとウソみたいに硬くなるのだ!そして一度乾くと長時間が経たない限り、劣化しない!
一部伝承によると、伝説の帝国トルコで乾軟木が大流行していたとか。しかし、この乾軟木は霊に触れてしまうと液体になってしまう。故に、少しでも幽霊が触ると、オレの家はあっと言う間に崩れ去る。
おっと、話が脱線してしまった。乾軟木が幽霊に触られていないのを確認した後、家に帰り、風呂に入った。そして色々と寝る準備をしてから、夜の狩りに向けて就寝する。
訳が分からないと思うが、キョンシーは基本、48時間のリズムで生活している。つまり、一つの夜は狩りの時間、もう一つの夜は寝る時間なのだ。
こうしてオレは一日を終えることにしたのだ。寝る間際に、隣のガラス瓶に向けてこう言った。
「おやすみ、幽霊達。」




