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異世界と混ざった現実世界でデスゲームとスキルライフを満喫する!~原生林に飲み込まれたキャンプ場からお送りします~  作者: 黄玉八重


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EP004[チャーチグリム]

 杉浦(すぎうら)妙子(たえこ)千代(ちしろ)に井手口家の家を知っているか確認をしたが残念ながら心当たりはないとの回答だった。もしかしたら隣町などから迷い込んだところで早川にちょっかいを出されて追いかけて来たのかもしれない……。

 井手口家の庭に埋めてあげたかったが家が判らない以上仕方がない。どこに埋めようかと悩む杉浦に千代が声を掛けた。

「じゃあウチの庭に埋めてあげて。せっかく出会えたんだもの……供養してあげましょう」

「シャベル持ってくるわ!」

 千代の鶴の一声に妙子も物置へ駆け出す。三枝家の心遣いに甘えて庭の一角を借りる事にした。

 テトラはほぼ大型犬と言える大きさだったので穴も深く大きく広げる必要があったので妙子と交代しながらなんとか掘る事が出来、力の入っていないテトラの遺体を何とか男の意地で抱き上げて穴の中へ横たわせた。頭に致命傷の一撃を受けただけだったのが幸いしてグロくなかったので何とかなったが、杉浦はあまり断面とか脳みそとかは得意ではなかったので本当にここは幸いだった……。


「本当ならこの子が好きだった玩具とかを供えてあげたいんだけど……」

 土を入れて埋め立てた後、千代がそう口にしながらキョロキョロと瓦礫を見回している。

「いつか井手口家が見つかったら拝借しましょうか。いまはこれで勘弁してくれな」

 なんだかんだでそろそろ夕方に差し掛かっていた。テトラの埋まっている土をぽんぽんと軽く叩きながら言葉を掛け、両隣りで手を合わせている三枝家と共に両手を合わせて供養した。


【スキル:使い魔契約を取得しました】


 ん!?どういう……!?

 瞳を閉じて黙祷をしていると真っ暗な視界にスキル取得の文字が浮かび上がった。何がどう影響したのかはわからない杉浦は混乱の最中に瞳を開くとテトラが眠る土から何かが這い出して来る様子が見えてしまった。

「うええぇぇ!?」

 杉浦の情けない声に反応して三枝家も瞳を開いて這い出して来る何かを目撃する。

 それは土を押しのけて出てきた訳ではなかった。肉体を持たず半透明の黒い前足の後は頭部が姿を現し、明らかに雑種のテトラとは似ても似つかない狩猟犬がその黒い全容を現した。

「ボルゾイ……?」

「ちょ、ちょっと!鑑定!鑑定して!」

 混乱した頭で似た犬の種類を口にしていた杉浦の肩を強く揺する妙子はあり得ない現象を目の当たりにして、これが噂の魔物だと考えて杉浦を催促した。


 * * * * *

 Neme:Nameless 種族:チャーチグリム 年齢:0歳 状態:健康


【スキル】

 ◆下級鑑定眼では閲覧不可

 ◇内包マスタリー≪下級鑑定眼では閲覧不可≫


【ドロップ】

 ・墓守犬の長毛

 * * * * *


 鑑定情報から魔物であることは確定した。あとはコイツが敵対するかどうか……。ぺろぺろ。

「………」ぺろぺろ。

 先ほどまで半透明だった犬。いや、チャーチグリムという魔物は実体化して杉浦の顔を舐め回している。その光景に妙子も千代もどう反応するべきかわからず黙って見守るしか出来ない。杉浦は魔物と分かったが未だ情報共有出来ていない為、現状が危ういのかもじゃれているだけなので気にせず放置でいいのかも判断が付かずに黙って余計に動かず置物と化していた。

 杉浦は恐る恐る顔を舐め続けるチャーチグリムの首元に手をやり撫でてみると恐ろしいほどに滑らかな手触りに驚愕する。特に心胆を寒からしめる感覚も無いので敵対する魔物ではないと判断してチャーチグリムが満足するまで舐めさせ撫で続けた。

 1分も舐め続ければチャーチグリムは満足したのか「わん!」とひと鳴きすると身体を半透明にして瓦礫を通り透けて走り去ってしまった。


「えっと……大地君? あれは何だったの?」

 すかさず妙子が質問した。

「魔物だったよ。チャーチグリムっていうイギリスの伝承にある墓守をする犬……」

「ほら、杉浦君。ん~~~~ってして、ん~~~~って」

 なんとなく覚えていた情報を妙子に伝える杉浦の涎塗れの顔を千代がタオルで拭いてくれる。

 先ほどのチャーチグリムはテトラの生まれ変わりだったのか?いや名前は付いていなかった……。それに新しいスキルも何故あのタイミングで取得したのか? チャーチグリムのステータスにも使い魔という表示は無かった。ただ、全くの無関係とも思えず……もうわけがわからないよ。

 されるがままだった杉浦も正気に戻ったところで予定の行動を開始することにした。


 * * * * *

 Neme:杉浦大地 種族:人間 年齢:19歳 状態:健康


【スキル】

 ◆視覚拡張Lev.1 ……熟練度414/1000 SP:0

 ◇内包マスタリー≪視力強化Lev.3/暗視Lev.1/下級鑑定眼≫

 ◆使い魔契約Lev.1 ……熟練度0/1000 SP:0

 ◇内包マスタリー≪ファミリアLev.2/使い魔強化Lev.2/使い魔召喚≫

 * * * * *


 妙子の自在倉は重量ではなく容量だけで計算されるタイプだったので、小さく折りたたむことが出来るキャンプ用品を収納してもそれなりに三枝家の衣服を入れる事が出来た。その為、杉浦の衣服も含めて結構な物資を鞄に詰める事に成功した。

「そういえば千代さんの【豊穣作業】ってどんなスキルなんですか?」

 三枝家を出発して杉浦の家近辺を歩いているタイミングで思い出した杉浦は千代に質問した。

「紐づけスキルは豊穣/収穫術がレアスキルで種子変換がエクストラスキルみたいよ。管理人さんに許可が貰えるなら畑を作りたいわね」

「レアスキル…、マジっすか……。俺とお妙さんはコモンだったけどやっぱりレアスキルもあるんですね」

「スキル名的にはかなり有用っぽいし野菜に事欠かないと良いわね」


 千代の報告に羨ましくて声を震わせる杉浦を他所にオタクではない妙子はこれからの食卓事情に想いを馳せて安堵していた。ついでに言えばラージラビットを狩れば肉も手に入るし、湖の生息事情次第だが魚も獲る事も出来るならば全てが揃う事になるだろう。問題点と言えば調味料くらいだろうか……。千代の報告は続く。


「種子変換は名前の通り、どんな種でも希望する種に変換出来るみたい。豊穣は私が耕す土を少し回復してくれて、私が水をあげると生長率が上がるみたい。最後に収穫術なんだけど……、魔物から取得出来る野菜の数が増えるって書かれているの。杉浦君、どういう事かわかるかしら?」

 とりあえず分かった事は女性に任せて申し訳ないが畑作業は全て千代にお任せすべきという事くらいか。

「テトラみたいに元々の世界の生き物は倒しても遺体が残りますけど、魔物は倒せばドロップ品を残して(おそらく)遺体は消えるんです。魔物によってドロップ品は違うんですけど食べられている動物に似た魔物なら肉とかドロップするみたいです。なので、植物系の魔物を倒せば野菜をドロップのではないかと。千代さんが植物系の魔物を倒せばその数が増えるというスキルだと思います」

 実際はまだラージラビットを討伐していないので肉を手に入れたことは無いので知ったかぶりになってしまっている事に若干の気恥ずかしさを感じつつ杉浦は想定されるスキル無いようを説明して千代は納得した様に目から鱗みたいな顔を頷いていた。


 移動中は携帯をちょくちょく確認をしていたけれど、相変わらず圏外と表示されていて他県に住む家族とは連絡を取ることは出来ていない。家族の無事を祈りつつも杉浦は三枝家と手を取り合ってなんとか2時間程度でキャンプ場に戻って来ることが出来た。

「すみません。先に管理人さんに顔出していいですか?」

 あと少しでキャンプ場というところで駒原の家の近くに来た為、杉浦は二人に声を掛ける。

「管理人って事はこの先のキャンプ場のオーナーよね?」

「なら、これからお世話になるのだから挨拶はしないとね。私達も付いて行くわ」

 三枝家はここまでの道中の疲れを気にすることなく挨拶したいと表明する二人の気持ちを尊重して気を使った言葉は飲み込み駒原の家へと案内する。駒原自身から語られた通りに本宅は見事に潰れていたが奥へ繋がる石畳を進むと頑丈な倉が見えてきた。


「管理人さ~ん!杉浦です!戻ってきましたよぉ~!」

「は~い。手が離せないから倉の中に入って来ていいよぉ」

 言われるがまま二人を伴って杉浦は倉に足を入れる。おそらく倒れていたであろう棚や段ボールは整理整頓され、奥まった所に上下へ繋がる階段があり、近づきながらもどっちかな?と杉浦が考えている内に下階からスカーフを巻いたラージラビットが迎えに姿を現した。

「この子、道中にも何匹か見た魔物のラージラビットだよね?」

 足元に擦り寄って来たラージラビット相手にしゃがんで撫でる杉浦の肩越しから妙子がはしゃいだ声をあげた。

「管理人さんがテイムした個体だよ」

 杉浦から数度撫でられて満足したのか駒原の元へと移動し始めたラージラビットを追って階下へ降りて行くと食料品のリストを作成している駒原が見えた。


「やあ、お帰り杉浦君。後ろの方々は知り合いかい?」

「ただいま戻りました。こちらは大学の友人で三枝妙子さんとお母さんの千代さんです」

 リストから顔を上げた駒原に三枝家を紹介すると二人はそれぞれ駒原に挨拶する。

「杉浦君に誘われてこれからキャンプ場でお世話になります。三枝千代です」

「娘の妙子です。宜しくお願いします!」

 二人は数度の言葉を駒原と交わした。ひとまずの挨拶は完了したと見た駒原は当初の予定通り杉浦に非常食を一袋分けてくれる。その中には多種の非常食と友人のお土産とやらが詰められていた。


「ありがたいですけど本当に貰って良いんですか?」

 駒原は嬉しそうに肯定する。

「僕だけじゃ食べきれないからね。君たちにも分けてあげるから少し待ってもらえるかな」

 駒原のお裾分けに三枝家は驚きつつも感謝して受け取った。今日はこのままキャンプ場に移動して生活環境を整える事を伝え、千代が考えていた畑作りの件も併せて伝えると駒原は了承してくれた。ただ、基本的にはキャンプ場として開放しているので森の近くに作る様にと指示されたのでこれは喜んで了承を伝えた。


 駒原家を後にした杉浦と三枝家は道路から脇道に入りキャンプ場へと下っていく。

 道中でもけばけばしい色をした植物や大樹を目にしていたが、ひらけたキャンプ場は湖も映える点で美しさは格別であった。初めてこのキャンプ場に訪れた三枝家は感動に言葉を失って足を止めてしまう。その様子に杉浦は気を利かせて声も掛けずに自分のテントへと荷物を置きにさっさと進んでしまう事にした。

「ちょっと、先に行かないでよ」

「人の居ないキャンプ場の景色を拝めるなんてそうそう無いんだから、お妙さんもしっかりと焼き付けておいた方が良いよ」

 後を追って来た妙子が肩パンで不満を伝えて来るものの千代は未だに感動して動いていなかった。

「お母さんは農家出身だからか自然大好きなのよ。私はもう満足したわ。さっそくだけどテント組み立てるの手伝ってくれる?」

「おっけー」


 自分の荷物をテントに置くとほどほどの距離を離した位置に三枝家のテント一式を出してもらう事にした。

「なんで離すの? 隣の方が色々と楽じゃない?」

 杉浦のあきれ顔が炸裂する。

「いや、同年代の異性が布2枚先に居るとかストレスですよ? 着替えとか身体を洗ったりとかこれから色々と気を使う必要は出て来るんですから、テント内でくらいはお互いにリラックス出来る様に離しておきましょうって話ですよ」

「そっか……。そうだよね。色々あるもんね……」

 何やら察したみたいな顔をしてポリポリと頭を掻きながら反省する妙子の脳内に何が投影されたのかは無視して杉浦はテキパキとテントを張っていく。時折妙子にも手伝ってもらったおかげでテントは比較的早くに建てることが出来た。気づけば千代も近くに寄って来ていて今度はテントに感動している様子だ。

 さて、次は夕食の準備を始めないといけない……。昼ご飯はパワーメイトと駒原から分けてもらった友人のお土産を腹に入れた杉浦と三枝家は役割分担する事とした。

 今後、千代は主婦力を生かしてご飯を担当することが多いだろうという事で野草などの知識を入れる為に杉浦と共に森へ、妙子はテントに留まってインテリアの配置など生活環境を整える為にそれぞれで行動を開始した。


「鑑定眼で色々と見て行くのでメモ取ってもらっても良いですか?」

「はぁ~い、杉浦君よろしくね」

 キャンプ場から地続きの森とは言っても既に異世界の植物に置き換わっているのか知っている植物はパっと見ても見当たらない。手近な植物に鑑定眼を使ってみるとさっそくヒットした。

 * * * * *

 Name:クエアズヒルバ 毒性:無

 ◇食可否:可 


【詳細】

 ・下級鑑定眼では閲覧不可

 * * * * *

 下級鑑定眼では詳しくはわからなかったが、とりあえず毒性が無いなら腹を膨らませる事は出来そうだ。問題は植物の名前がマジでわからない事だ……。クエアズヒルバの見た目は赤い雑草にしか見えない。

「これ、毒も無くて食べれるみたいです……」

 赤くて雑草にしか見えない食べられる草にイメージが湧かない杉浦がおずおずと指を差しながら千代に伝えると、何を思ったのか千代はエアズヒルバを根から掘り起こし葉っぱ、茎、根っこの順に千切って咀嚼をし始める。土が多少ついていてもお構いなしに食べる姿に「あぁ、この人根っからの農家なんだ……」と理解させられた。

「わかったわ。次に行きましょう」

 野草確認に積極的な様子の千代を連れて次々と鑑定眼を使用して確認作業を繰り返し、草だけではなく大樹に対しても使用したところ、季節は不明だが果物が出来るのだろうと目安を立てる事が出来たので今後の楽しみが増えた点は良かった。

 とりあえず1時間ほどで初日のうちは切り上げてキャンプ場に戻ると妙子が慌てた様子で駆け込んで来た。


「やっと戻って来たぁ!あのなんだっけ……っ!あれが来たのよ!」

「ちょ、ちょっとお妙さん、落ち着いて。どうしたの」

 妙子の慌て様は抱き着かんばかりの勢いで杉浦に縋る様から十分に理解出来たので、名前を呼び落ち着く様に伝えると妙子は千代の姿も認めるとすぐに用件を伝えてきた。

「名前は忘れちゃったけど、あの黒い犬が急に現れて大地君のテントに入っちゃったんだよぉ!」

 それを聞いた杉浦は妙子と千代をその場に残して自身のテントへと急いで向かった。テントの入り口は捲れており妙子の言う通り何者かが出入りした気配があった。ただ、全く同じ黒い犬かどうかは半信半疑だった。犬なら気配や臭いに敏感だろうからキャンプ場に残った妙子に攻撃しなかった点だけでも先のチャーチグリムである可能性が高まる。その直感を信じて杉浦はテントを覗き込んだ。


「おぉ!マジでいるじゃん……。お前、どうしたんだ?」

 広くは無いソロ用のテントに置いていた寝袋の上に丸くなったまま顔をこちらに向けたチャーチグリムと杉浦の視線が絡み合った。杉浦の声を顔を認めたチャーチグリムは身を持ち上げて鼻をフンフン言わせながら顔を近づけてきたので、杉浦も歩み寄り臭いが嗅ぎやすい様に手を軽く握って甲を近づけると微かな鳴き声をあげながら臭いを嗅いでくれる。

「お前が墓から出て来た時に使い魔契約ってスキルを取得したんだ。もしかしてだけど、使い魔になってくれたりするか?」

 語り掛けている間はずっと手の臭いを嗅いでいたチャーチグリムは、言葉の内容を理解したのか杉浦の顔をじっと見つめた後にひと鳴きした。


「わん!」

【問い掛けに対しチャーチグリムが了承。ファミリアを獲得しました】


 駒原のテイムミングは弱らせたり食事を与えたいなどの条件を満たした上で魔物が懐けばと成功なるのに対し、杉浦のファミリアは問い掛けに対し魔物が了承を返す事で成功となる。言い換えれば単純な思考をしている魔物はテイミングに向いており戦闘も調教者の命令ありきであるのに対し、知能の高い魔物はファミリアに向いていて戦闘は自立思考型で自分の考えを持って戦うので命令というよりはお願い程度となってしまう。

 条件が満たされた事でチャーチグリムの鳴き声を合図に杉浦の脳裏にメッセージが表示されては消えて行った。


「わん、わん」

 チャーチグリムの鳴き声は耳に届いているのに薄っすらと言いたい事の意思を感じる。はっきりと理解出来ないのは杉浦のスキルレベルが低い事が原因だろう。ただ今回は名前を付けてもらいたがっている様に感じられた杉浦は頭から身体を撫でながら考えを巡らせる。

 チャーチグリムという魔物についてもほとんど知らないし、出会ったのも偶然の産物だし、何より出会ってからすぐにどこかへ走り去って何故か杉浦の元へ戻って来た理由もよくわかっていない……。戻って来た……?

「なんだっけ、宇宙に行って戻って来た犬の名前……。え~と。す、すと……ストレルカ。そうだな、お前の名前はストレルカだ!」

「わん!」

 納得してくれたらしい。魔物とはいえ古くから人間の友人であった犬が仲間に加わってくれた事は素直に心強かった。その後、三枝家に改めて紹介するとすんなりと受け入れられて二人ともストレルカを可愛がってくれた。ストレルカも満更ではない様子だ。

 千代が準備を進める食事の用意を手伝う前に主食が無い事を千代が謝って来た事を良い機会と考えた杉浦はラージラビットの討伐を行う事を決意した。肉だ!1匹倒せば1㎏の肉をドロップするのだからそこまで時間は掛からないだろう、と思考した矢先にストレルカが森へと駆け出してしまう。


「ストレルカ!?」

「あん!」

 おそらく待って居ろと言われた気がした杉浦は二人に事情を説明し待つ事数分……。何かを口に咥えて戻って来たストレルカが杉浦の前で止まり何かを差し出してくるので受け取ると、それは謎の草で包まれた肉塊だった。おそらくドロップ品なのだろう。生でゴロンと地面に落ちるのではなく謎草に包まれているのであれば今後の狩猟も安心だ。

「ありがとうストレルカ。千代さんにお前のご飯も用意してもらおうな」

「くぅん」

 飯はいらないと言われた気がする。自分で調達するのだろうか?それならそれで楽なのでひとまず深く考えるのは後回しにして自分達の夕食に専念しようと思考を切り替えた杉浦は最後にストレルカを撫でると千代にウサギ肉を手渡して火を起こす準備を始めた。


 * * * * *

 Neme:ストレルカ 種族:チャーチグリム 年齢:0歳 状態:健康

 契約者:杉浦大地


【スキル】

 ◆墓守犬Lev.1 ……熟練度214/1000

 ◇内包マスタリー≪存在強化Lev.1/体高操作/幽体化≫


【ドロップ】

 ・墓守犬の長毛

 * * * * *

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