表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薔薇の騎士姫  作者: 四季 七草
50/50

優しい微笑み

 クレアは一旦フィンセントと別れ、庭に来ていた。庭の噴水の水に手を付けた。そのまま、水を掬い上げクレアがそっと息を吹きかけると水はたちまち鳩の形になった。これがリーフたちの言っていたクレアの水で作る水鳩だ。水鳩は「チュンチュン」と鳴いていた。水鳩を噴水の縁に離しクレアもそこに腰を下ろした。アンソニーはクレアにペンとレターセットを渡した。クレアはそれを受け取りレターセットにペンを走らせる。


 無事に着きました。コーラルシア帝王夫妻も心良く受け入れてくれました。

 コーラルシアはかなり暑いです、これからフィンセント様とそのご友人のネロ様たちと海に行きます。

 お土産の要望があれば教えてください。

 クレア

 手紙を書き終えると、ペンをアンソニーに渡す。クレアは便箋を半分に折り、封筒に入れて水鳩に咥えさせる。

「今日中にリーフ兄様に届けてね」

「チュン!」

 水鳩は元気に鳴き、クレアの手の甲に乗る。水鳩をそっと撫でると、バタバタ羽を羽ばたかせて飛んでいった。水鳩を送り出し、海に行こうと振り返るとそこには驚いた表情をしたコーラルシア帝王がいた。

「グレイシア嬢、貴女の出身はエルセノアなのか?」

「、、、はい。生まれも育ちもエルセノアです」

 コーラルシア帝王は驚きを隠せない状況だった。婚約者の事は言っていたが、出身地の事は知らなかったらしい。

「噂には聞いていた、これは国が厳重にするわけだ。護衛を貸そう、サーチェ」

 コーラルシア帝王の後ろに控えていたピュアイエローの瞳に長いローズマダー色の髪を綺麗に束ねているサーチェという青年が出ていた。

「サーチェ・ヴァニーリュ。コーラルシアで最も強い騎士の息子だ。きっと守ってくれる。コーラルシアのことも聞けばいい」

「お気遣い、ありがとうございます」

 コーラルシア帝王は優しく微笑みその場を後にした。

「はじめまして、グレイシア嬢。護衛を務めさせていただきますサーチェと申します」

 サーチェは丁寧に挨拶をする。立ち振る舞いにクレアは騎士の息子というのは本当の事だと思った。

「グレイシア・サファイア、クレアでいいわよ。騎士同士仲良くしましょう。よろしくね」

 クレアは騎士らしくサーチェに手を出す。

「はい、クレア様」

 サーチェはクレアと握手を交わし、海に向かって歩き出した。城を抜けると、大きな街に出た。たくさんのお店や人で溢れかえっていた。人の波に飲まれながらも海にたどり着いた。

「うわ〜。綺麗」

 クレアはあまりも綺麗で心の声が漏れる。

「海がお好きなのですね、クレア様は」

「お嬢様は水を操ります。水の性質を調べる時によく海に行きたいと言っていましたからね」

 海に夢中だったクレアはサーチェとアンソニーのまるで子を見る親のような会話は耳に入って来なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ