18-4話 タピオカチャレンジ
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マオ達と合流してから約1時間後。
文達は無事にお店の中で目的だったタピオカミルクティーを買うことができ、お店から出てきた。
全員の手には例のタピオカミルクティーが入ったカップ。
それぞれストローに口をつけて流行りの飲み物を味わっている所だった。
「甘いしおいしー! 散々待った甲斐もあったね!」
「だね! 一緒に写メ撮ろうよ、ふーみん!」
「いいよー!」
「はいチーズ!」
「「いえーい!」」
元々タピオカを楽しみにしていた文とクロエルは目的のブツを手に入れたことでかなりの上機嫌。
仲良くタピオカのボトルを片手にツーショットを撮っている。
まさに今時の若い子達といった感じだ。
「こ、これすっごく甘いですね!今まで生きてきてこんなに甘いものを口にしたことはありません!」
「う……こんだけ並ばせて大したことなかったらネットでボロクソに叩いてやろうと思ったのに……美味しいじゃない……」
そして最初はあまり乗り気ではなかったユウキとシスティアもなんだかんだで味には文句がないみたいでストローに口をつけてチュウチュウ。
どうやら味に不満はないみたい。
修道院暮らしだったシスティアは街にあるカフェなどに行く機会がなかったせいか、ここまであまーいモノに馴染みがないようで目を見開いて驚きの表情。
散々文句を言っていたユウキの方も、味は認めざるを得なかったのか、微妙な表情をしながらストローでズズズと味を堪能中。
「マオ様ーこれ美味しいっすね〜また買いにきましょうよ」
「ふっ……これだけ甘いものが好きなんてお子ちゃまね、エナ。魔王である私はブラックコーヒーの方が――」
「えー、じゃあマオ様のそれ、私にくださいっすよ。好きじゃないならいいっすよね?」
「そ、それはダメ!こんな甘いの二本も飲んだら身体を壊すわよ!私はあくまであなたのことを心配して言ってるんだからね!」
エナからボトルを取られそうになるマオだったが必死に手持ちのボトルを渡さないよう、大事に抱えている。
どうやら魔族二人にもタピオカの味は好評な様子。
種族を超えても女の子は甘いものが好きなのだろう。
「ふふっ……皆さん凄く楽しそうですね。これだけ美味しいと行列が出来るのもちょっとだけ分かりますね」
「うん……まぁ、そうかもね」
特に若い年下組がキャッキャと楽しそうにタピオカを味わっている姿を見て和むシスティア。
流行っているというだけあって、その味に感心する。
だが、感心するシスティアから話題を振られたユウキの方はというと、同調はするものの少しそっけない返事。
いつもはテンションが高い彼女だが今日は少し静かだった。
「ユウさん、なんだか今日はあまり機嫌が良くないみたいですがどうしたのですか?」
「あ、ごめんごめん。別に不機嫌ってわけではないけどさー、やっぱり飲み物1つのために1時間も並ぶのは馬鹿らいしいなーって思っちゃってさ」
「うーん……たしかに時間はかかりましたけど美味しいものを口にできたのですからいいじゃないですか。私は結構楽しいですよ?」
「でもさーやっぱり一時間はかかりすぎだって~。流行りだからってこんなに並ぶことある?私からしたらありえないな〜」
どうやら行列に並ぶまでは流行りに乗る連中をバカにしていたのに、普通に味が良かったことが面白くない様子。
せっかくみんなが楽しんでいる中でコスパ厨みたいに文句を垂れるのは空気が読めていない奴だと思ってしまう。
もしもクロエルがこれを聞いていたらムッとしそう。
「でもユウさん。クロさんも言ってましたけど女の子からの人気を得たいならこういう流行りとかきちんと理解しておいたほうがいいんじゃないですかね?若い方は結構こういうの好きみたいですすし」
クロエルほど流行に敏感ではないが、みんなが楽しんでいる中で空気が悪くなりそうな事をつぶやくユウキを注意。
クロエルからだったら無視していただろうが、同性であるシスティアからの言葉にユウキは口元に指を当てて考えていた。
「……やっぱりそうなのかな?正直今まで勇者の修行とか魔物狩りばかりであんまり友達と遊ぶってことしなかったからわかんないんだけど……」
「うーん、私も最近まで修道院でずっと暮らしていたのでそういうのは疎いですが普通の女の子はそういうのが好きなんじゃないですかねぇ」
「そ、そっかぁ……ふーちゃんもなのかなぁ?」
「恐らくそうだと思いますよ?今日はクロさんと一緒に楽しんでいるみたいですし、流行りモノに興味があるって感じに見えますね」
「ま、マジかぁ……じゃあ私もある程度は流行を把握しておかなきゃいけないのかなぁ……」
自身はあまり流行に興味がないものの文を引き合いに出されてしまい、流行に興味ない自分にヤバイと思い始めるユウキ。
流行に流れる自分を想像すると嫌なのだろうが、文から嫌われることはもっと嫌。
そう思い自分に危機感を感じていた。
「だったら今からSNSでリサーチよ!私がナウいイケイケ女子であるところをふーちゃんに見せつけるわ!」
なんだか言い回しが古い気もするが、流行について前向きに考えるようになったユウキ。
さっそく携帯でSNSで今流行っているものをサーチしている。
しばらく画面とにらめっこしていると何かを見つけたようでシスティアを手招きして呼び出した。
「ねぇ、シスこれ見てくれない?」
「……?SNSのツイートですか?」
「うん、これさぁ……最近SNSで流行ってるらしいタピオカを使ったちょっとした遊びなんだけど、これやったらウケるかな?流行りに乗ってるように見える?」
「どれどれ……タピオカチャレンジ? へー、こんな遊びがあるのですか……あ、画像の下にあるハートの数が凄いですね」
「『いいね』ね。数が多ければそれだけ多くの人の関心が得られてるってことよ」
「じゃあ多くの人がこれを面白いって思ってるって事ですか。ならフミさん達にも楽しんでもらえそうですね」
「よっしゃ!ちょっとこれをやってみようか!」
「いいですね。それにユウさんなら結構簡単にできそうですよ」
二人で話し合ってSNSのタピオカチャレンジとやらをやってみることにしたユウキ。
早速自身のタピオカのボトルを使い何やら準備をしていた。
「……よっしゃできた! みんなー見て見てー!!」
タピオカチャレンジとやらが成功したらしく、その勇姿を見てもらおうと他のメンバーを呼びつけるユウキ。
その声に反応し、タピオカを味わっていたシスティア以外の4人も同時にユウキの方を見る。
そこにはお店で買った飲み物の容器を胸の上に乗せながらストローでボトルを吸っているユウキの姿。
どうやら胸の上にボトルを乗せて落とさなようにすることをタピオカチャレンジというらしい。
結構なバストの持ち主でないと、まともにボトルを立たせることができないだろうが、ユウキくらいのスタイルだとわりと簡単にできたみたい。
「どう? SNSで流行ってるタピオカチャレンジっていうやつらしいんだけど見事に成功したぜぇ!」
胸の上に容器を置くことに成功したユウキは『いえぃ☆』とポーズを取って、ドヤ顔。
流行りに疎い彼女ではあるが、彼女なりに今の流行りを調べてウケそうだと思ってチャレンジしたみたいだ。
しかし、彼女の努力もむなしくユウキの格好を見て不機嫌そうな顔をするものが複数人。
とある身体的共通点を持つ者達であつ文、クロエル、エナの3人だった。
「ゆーちゃん、自慢やめたほうがいいよ」
「はしたないわね。そういうので傷つく子もいるのよ?」
「そうっすね。おっぱいない子のことも考えて欲しいっす」
「めちゃめちゃ不評なんだけど!?」
良かれと思ってやったことが貧乳女子達(1人は男だが)からは不満の嵐。
ユウキの予想としては笑いが取れると思っていたが、むしろ彼女たちの怒りを買ってしまったようだ。
だがしかし、3人からは不評だったものの、彼女のおっぱい芸に好評な者が1人……
「た、タピオカになりたい……」
お姉ちゃん大好き魔王ちゃんは、ユウキの胸に乗っているタピオカを見つめながらひそかに願望を垂れ流していたのだった。(ついでに鼻血も)
「ちぇー……ウケると思ってやったんだけどなぁ……くっそー、私1人だけスベったっていうのも嫌だからシスもやってよ」
マオからはともかく、他の面子からのウケが悪かったことが恥ずかしくなったユウキは道連れするかのようにシスティアに同じことをやらせようとし始める。
システィアを選んだ理由は……まぁ、バスト的に他に出来る人がいないことが明らかであるからだ。
「え?私もですか?そんな器用なこと出来るでしょうか……」
「私が出来るんだからシスも出来るでしょ〜。こうやって胸の上にそーっと容器を置いてさ……動かないでね?」
「おっとと………………あ!出来ました!」
「おー!じゃあ写真撮るからそのままの態勢でいてね〜」
「ちょ、ちょっと〜それは恥ずかしいですよ〜」
貧乳組からは受けが悪かったが、タピオカチャレンジに成功したことにキャッキャと楽しそうにする巨乳組二人。
持つ者からしたら面白い遊びではあるが、持たざる者にとっては見ててイライラする光景。
そしてそんな楽しそうにしている二人に対し、ついに一人の持たざる者が怒りの声を上げた。
「むーっ!さっきから2人ともおっぱいで遊んでずるいっすよ!私への当てつけっすか!?」
声をあげたのはビックリするくらいのスレンダー体型の持ち主であるエナ。
我慢の限界が来たのか、はたまたおっぱいの嫉妬なのか、いきなり背後からシスティアの胸を揉みしだく。
「ひゃっ!ちょ、ちょっとエナさん!?」
「こんなでっかいタピオカを二個も持っているのに、さらにタピオカを乗せるとかどんだけ欲張りなんすか!?」
「こ、こっちはタピオカでは……ふわぁ!ら、らめれすうううううう!!」
激しく胸を揉みしだかれて街中であるにも関わらずに嬌声じみた声をあげるシスティア 。
タピオカによって多くの人が集まる中でのその声に多くの人の視線が集まり、とても恥ずかしい状況。
しかし、それが余計に彼女を興奮させることになることになることには周りの人は気づかないのであった。





