2-8
次目を覚ましたらテントの中にいた。
勿論あの魔族も隣にいる。
「…なんであの時殺さなかった?」
「俺は無駄な殺生は嫌いなんだ。」
「ふふっ♪君は差別しないんだね。」
「差別?何を言っているんだ?」
「私魔族だよ?それに気が付いてると思うけど王家の魔族だし。」
「…それまじ?」
「え?知らなかったの?だって最初君が相手してたのは魔族4柱のNo.2だよ?」
「んで、今なら俺を殺せると思うが?」
「それは無理だよ。外であの男の子が私を監視してるし…それに」
「それに?」
「私、君の事が好きになっちゃったみたい。」
「は?」
「いやだから私君の事好きなんだよね。」
「それはどんな狙いなのか?」
「あのさ、私の領地は私に近付く人と言えばほぼ権力か体狙いだし、稀にあった人間なんて金欲しさに襲ってくるからね。」
「お前もずいぶんとひどい生活してたんだな。」
「まぁこうやって人間と話せるのは珍しいし、君こうやって私の話聞いてくれるしね。それに私は強い人が好きなんだ。」
「お前も相当強いけどな。」
「まぁね。結構頑張ったし。」
「リミッター解除しなかったらすぐに首をはね飛ばされてたぞ。」
「リミッター解除してまた天使化したら全く通じなくなったくせに。」
魔族は頬を膨らませた。
こいつ顔目当てで近付かれるのはわかるな。可愛いし。
「んー?何考えてたのかな?もしかして私の事好きになっちゃった?」
「案外そうかもしれないな。」
「ふぁ!?や、やめてよそんな冗談!」
「すまないな。」
「絶対心の中で笑ってるでしょそれ!」
「笑ってるわけなかろう」
「嘘だぁ!声震えてるもん!」
「悪かった悪かった。」
「んもー!あ、そう言えば君名前何て言うの?私はサタナ!」
「俺はラグナだ。そう言えばサタナはこの後どうするんだ?」
「んー、どうしようかな。」
「魔族領には帰らないのか?」
「いやー、私封印されてたんだよね。他の後継者に騙されてさー。」
「じゃあ俺らと来るか?」
「それもいいねぇ!でもまぁやめとくよ。」
「どうして?」
「折角の旅に魔族がいたら気まずくなるしね。」
「それもそうか…」
「あ!じゃあさ!私と婚姻を前提に交際しようよ!そしたら一緒に旅してるのと同じさ!」
「なんだよそれ…」
「だめ?」
おいおい、上目遣いで見るな。
理性が崩壊しそうだよ…
「考えておくよ。」
俺はそう言って苦笑いした。
「ぶー!けち!」
「すまないな。まぁ返事は後でするさ。」
「ふん!いい返事を期待してるよ!」
「まぁとりあえずは俺の領地に行っててくれ。父さんと母さんには話しておくからさ。」
「お、ほんと?わかった!なんて名前の所?」
「ヒウロ領さ。」
「わかった!ありがとっ!」
俺は初めて頬にキスされた。
顔面が真っ赤になるのが手に取るようにわかる。
「…2人とも、少し良いか。」
「な、なんだイクトか。なんだ。」
「まぁ色々は後で聞くとして、この魔族はこの後どこに?」
「とりあえずヒウロ領に行かせて働かせるよ。」
「なるほど、連絡はしておこう。」
「気が利くな。助かる。」
「そんで、俺達はこの後どこ行く?」
「まぁとりあえずは冒険者としての依頼をするか。」
「わかった。」
その後、キングラビッツ親子にダンジョンマスターの権限を移らせたのを確認して、ダンジョンを出た。今度ハンニダンジョン遊びに行こう。うん。
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