後書き
締めくくりとしては実に情けない終わり方ですみません。
男爵一家はテンプレなら鉱山奴隷なのでしょうが、ある日ネットでレアメタル鉱山を見ていて思いました。
「あちゃ~! 狭くて男爵が入れない!!」
無理して隙間に嵌る? 引っ張り出す必要があるかも? 真面目に働く人様に失礼でした(笑)
よく考えたら、重犯罪者を追放し他国に野放しにしたら国際問題ですよね?
農作業では多分ギックリ腰になります。
庭の手入れで堆肥はどうかと調べました。
戦前ですが、肥だめにはられた戸板を渡っていて、そのまま沈んで亡くなった子供の話を聞きました。
戸板が腐っていて折れたそうです。
どれほど苦しかったでしょう。
戦前の堆肥には寄生虫問題がありますね。
80年前にどんな生野菜を食べたかお年寄りにききました。
しばらく考え込んで、たった一つだけあったようです。
「塩もみしたキャベツ!」
……生きた知識は侮れません。
虫食いトマトは今でも危ないらしいです。
現在では一次発酵熱で60〜80℃までの温度上昇があり、その際に死滅するのでしょうね。
何故撹拌が必要か? 空気に触れることが嫌気性菌増殖を抑える。嫌気性菌って破傷風菌かな。
「やだわ〜!!」
と魔法を加えました。
悪臭の中に住むと嗅覚障害を起こすのでは? じゃあ、村外れに住むと。
黒パンは全粒粉パンでもライ麦パンでも栄養価が高いので、それに加えてサツマイモの葉っぱでも食べてと(笑)
幸せの基準は自身が決めるもの。
割れ鍋に閉じ蓋理論で、似合いの元男爵夫妻はこれで良いと思います。
息子たちは1833年あたり出版のアンクル・トムの傍らにいれば、もう道を踏み外すことはありません。
おづきでしょうが第一王子ロバーツは多動症気味です。
カミラもちょっと入ってます。
何故、問題行動を起こすのかを突き詰めた私の解答です。
国王と王妃は理想を求めて、できないロバーツに失望する。
知っていれば、わかっていれば違う道があったのかもしれないのに…。
ロバーツも親に親愛の情を持てず隔絶されていると感じる。
下町で子供たちをたくさん見てきたカミラの母親は両者の潤滑剤ですね。
『欠点は、神さまがくれたスプリングボード。
乗り越えようと努力する者だけが、更なる高みを目指して跳んでいける』
私は、そう思っています。
これからロバーツとカミラは、自分たちが持つ才能を見つけていくでしょう。
叶える為に夢があるのではなく、前に進み続ける為に夢がある。
この作品の根幹を成すものは何だろう?
書き終えてからも私はずっと考えていて、最近やっとわかりました。
ランボーの『感覚』という詞だと思います。
『もの言わず ものも思わず。
愛のみが心に満ちて
さすらい子の如く僕は行く。
天地の果て。
煌めく波濤の その先へ。
最愛の 貴方を連れて満ちたりて』
かなり適当に覚えていて、更に改変しました。
小説を書くことは自らの深淵を探ることに似ています。
自分の中に、まだこんな憧れがあったとは知りませんでした。
そういえば以前に夢がありました。
『ギリシャのクレタ島の広場で、いつか異邦人を歌う』
成田山の広場で近いことをしたので叶ったような気がします。
この作品を書き終えてからずっと、微笑みながら私の前に立つロバーツとカミラを見ていました。
もう一度歩き始めて欲しいと、この後書きを書いています。
生きることもまた人生という旅です。
二人は時には喧嘩をし仲直りして、微笑みながら自由な麦畑を歩んでいくでしょう。
最後にロバーツに『希望』を意味するトルコ桔梗を。
カミラはフランスで言われる『とても幸せ』『強い女性』のピンクの紫陽花を。
最後に私から『幸運を運ぶ』クチナシを。
どうか貴方の旅路が穏やかなものでありますように。
那由多
他サイトに投稿するならば、一つは魔法が最初からある世界で、もう一つは名前を変えたらどうかなと考えてましたが……それは全く違う物語ですね。
他をある程度書き終えてから戻って来れたらと考えてます。
お読み頂きありがとうございました。
那由多