第137話:プールに行こう
「ふぅ。もうちょっと腕の筋肉のシェイプアップを……」
ムギュッと力こぶを作りながら、俺はそんな自己論評をしていた。着ているのはブーメラン型のパンツで、水着専門店で買った一品。最初はトランクス系にしようかと思ったが、ヒロインたちから強引に勧められて今に至る。今俺が来ているのは高級ホテルのプール。ただし今は俺以外に人はいない。貸し切りだ。しかも夜。いわゆる一つのナイトプール。さすがにヒロインたちの水着姿がエッチすぎて、さてどうしたものかと思っていたらナイトプールを提案された。で、五人でプールを楽しむなら貸し切りがいいだろうということでホテルのプールを独占。
「やっほー。アクヤ様。わお! さすが!」
最初に現れたのはホムラだった。純白のワンピースを着ており、全体的に清廉な印象。純真無垢な身体が目に眩しい。おっぱいがないと本人は嘆くが、おっぱいが無くても女の子とはかくも魅力的なものか。
「ナイトプールって初めてだけど凄いねー」
イルミネーションに凝っていて、幻想的な風景だ。太陽が昇っている昼では味わえない景色でもある。
「むぎゅ」
で、そんな幻想的なプールの模様に目をキラキラさせているホムラを、俺は後ろから抱きしめる。
「アクヤ……ぁ様ぁ?」
「可愛すぎ。ホムラ。俺の推し」
「えへへ。照れちゃうな。でも嬉しい。アクヤ様、本気でそう言ってくれてる」
言うとも言いますとも。それほどまでにホムラは可愛いのだ。炎を思わせる赤い髪と、可憐な御尊貌。胸は残念だけど、そんなことは減点対象にはならない。
「えへへへぇ」
で、俺に抱きしめられて幸せそうにしているホムラに。
「……ズルい」
コヲリがそんな風に嫉妬する。
「……アクヤ様。……私にも」
「はいはい」
そうして俺はコヲリを抱きしめる。青色の花柄の水着。ついでにパレオつき。Dカップの大きいものが水着に支えられて主張している。抱きしめることと並行しておっぱいの感触も楽しむ。うーん。さっきと意見が矛盾するようだが、おっぱいもそれはいいものだ。
「アクヤ様」
今度現れたのはカホル。
「おおう」
もはやここまでくると視覚の暴力だろ。ピンク色の髪をアップにまとめていて、同じ色のビキニを着ている。それも布面積がかなりギリギリ。性的に興奮させられる。また駆け寄ってくるときに揺れるHカップのおっぱいが。まさに人でも殴れそうなほど巨大。
「どうかな? 私の水着」
「超最高」
グッとサムズアップ。零れそうなほどギリギリのおっぱいで。さらにピンク柄のビキニと来れば男の股間に特攻攻撃。俺は本当にこのまま生きて帰れるのか。
「あー。もう全員来てんじゃん」
最後に現れたのはマキノだった。買った時にオススメしたちょっとエッチなビキニ系の水着を……ではなく。
「おい」
「似合うっしょ?」
ネタで買ったV字水着を着ていた。股間を起点に乳首を通るように肩までV字が走っている。ちなみに生地は白。まさにエロの権化とも言うべきファイナルフォーム。
「ソレで泳ぐつもりか?」
「アクヤのも元気になるっしょ?」
まさにならないわけもなく。
「むー」
「……むー」
「むー」
他のヒロインが嫉妬していた。特にホムラ。
「じゃ、泳ぐかぁ」
グッグッと屈伸して、それから俺はプールに入った。貸し切りにしておいてよかった。これで他の人間がいたらまず間違いなくナンパされている。ヒロインは全員可愛いし、水着もバッチリ似合っているから間違いない。今度からも水泳の時は貸し切りにしておこう。
「泳ぎは得意だぞー」
で、運動の後、真っ先に入ったホムラがスイスイ泳ぐ。水中の抵抗が無いからか? とかいう見え見えの地雷を踏む気は無いが。
「…………」
俺はと言えば、プールに入ったはいいが。
「浮かねえな」
ガッツリ鍛えているので、筋肉の密度が高すぎて水に浮かない。深呼吸して肺に空気を取り入れてようやくと言ったところ。それでも泳ぐのには苦労しそうだ。でも競泳選手は筋肉バッキバキだよな。どういう理屈?
「泳ぎ方の問題か。果たして」
まぁ別にカナヅチでもないので、泳ぐ分には問題ないのだが。身体が沈む前に泳いで浮けばいいだけの話。
「アクヤ♡」
で、そんな俺に抱き着いてくるマキノ。瞳がハートマークを付けており、どう見ても発情している。
「ほら、あーしの心臓。ドキドキしてる」
「あー。そうだな」
どうやって鼓動を確かめているのかは黙秘で。
「ねーぇ? 貸し切りなんでしょ?」
「まぁ」
一応独占はしている。
「じゃあさぁ。しよ?」
「こらー! マキノ!」
「……抜け駆けはズルいです」
「アクヤ様。あたしとも……」
結局こうなるのか。
「俺はいいんだが。お前らはいいのかソレで?」
「運動の一つじゃん?」
「アクヤ様の。大変になっていますから」
「……適度な運動は適切な処置かと」
「ちゃんと一人一回だぞ? 平等にね?」
まぁレディとレディファイトすることはこっちも想定していて。なので準備はあったが、それはそれとして。
「「「「アクヤ様ぁ♡」」」」
ヒロインたちの甘えるような声に脳がクラクラ。幻想的にライトアップされたホテルのナイトプールで、俺は彼女たちとレディファイトする。嬌声が上がった。貸し切りプールなので止める者はいない。どころかヒロインたちは進んで俺に群がる。前々々戯で盛り上げてレディファイト。
「やってしまった……」
そして自己嫌悪。
「まぁ。いいじゃん? あ、アクヤ。あーしのスマホで写真撮って? ナイトプールでV字水着とか超エモくない?」
「好きにしてくれ」
俺としてはもうどうにでもなれだ。既に弾も撃ち尽くしたし。ここからは健全に賢者タイム。さすがにもう出ない。なので純粋な気持ちでプールに臨む。ホムラと水泳を競い合ったり、コヲリとジュースを飲んだり。カホルは、まぁ、その、おっぱいが。
「アクヤ様♡ 揉みたいですか?」
超揉みたいです。と言えればいいのだが。中々そう言うわけにもね。でも揉みたいのは事実。というかレディファイトの時に揉んでるし。しかしいくら揉んでも飽きないよなー。




