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ガリ勉の俺がエロゲーの竿役に転生したが童貞すぎてラブコメは無理  作者: 揚羽常時


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第128話:打算の外れ


【人公アルシ視点】




「ああ?」


 問題が起こった後、問題になっていることを知っているボクは、犯行現場に来ていた。ここで九王がボコられればよし。逆に反撃したらその暴行を動画として教師に提出する予定だった。そのまま物陰に隠していた動画撮影中のスマホを回収して。そうして確認のために動画を見ると。


「…………」


 水泳部に証拠動画を撮られている三人のクソどもの画像があった。カーテンからスマホで動画を撮られていて、言い訳の余地なく犯人扱いされている。ここまで証拠動画を撮られていれば三人の罪状は明らかだろう。これじゃ動画修正で九王に冤罪を押し付けるわけにもいかない。


「使えねえな。ったく」


 あのバカどもがどう処理されようとボクには関係ないが、九王に冤罪を着せられないのは残念でならない。ボンクラどもはボクの役にだけ立っていればいいっていうのに。


「ちっ。まあいいか。今回は失敗ってことで」


「何してるの? アルシ?」


「うひぃぃぃッッッ!」


 話しかけられて、変な声が出た。とっさにスマホの起動を止めて、そのままかき抱いて背後に振り替える。いたのは声の質の通りにカホルだ。


「あ、よ、カホル……」


「屋内プールの裏手に何の用?」


 ニコリと微笑んでカホルが問う。もちろん本当のことを言うわけにはいかない。九王が暴行される動画を撮っていたスマホの回収など。


「いやさ。なんかここで告白されるイベントがあるかもって話を聞いて。ちょっとデバガメっていうか……」


「趣味悪いんだね」


「興味本位だからさ。ほら。ボクたちの高校生だし恋愛ごとはね?」


「誰が告白されたの?」


「さあ? もうここにはいないってことは終わったんじゃないかな? 出遅れたなー」


「そっかー。残念だったね」


「まったくだよ。カホルも見に来たのか?」


「まぁそんな感じ」


「なんだよ。カホルも趣味わりーじゃん」


「あははー。人のこと言えないよねー」


 ケラケラとカホルが笑う。


「あ、どうせだしさ。一緒に帰らねえ? お茶くらい奢るぜ?」


「ううん。いいかな。今日はまっすぐ帰りたいし。用事は終わったしね」


「用事?」


「あ、そう言えば九王くんが生徒指導室に呼ばれてさ」


「何か問題起こしたのか?」


 ボクの目が輝いた。


「うん。暴行事件がどうのとかって言ってたかな」


 ざまぁ。九王マジざまぁ。プププ。これで停学確定。内申点はボロボロ。九王グループの株価も下がるだろ。


「そっかー。物騒だな。カホルも九王には近づいちゃいけないぞ?」


「そっかな? 喧嘩の強い男の子って憧れない?」


「憧れる要素どこにあるんだよ。もうちょっと中身でさぁ」


「中身……ね」


「カホルだって好きな人くらいいるだろ」


「えーと。まぁ」


 顔を赤らめて、カホルは視線を逸らす。ボクに言われたから。気恥ずかしくなってボクの顔を見れないらしい。そういう純情さも好きなんだけど。


「帰ろうぜ。送っていくよ」


「それは大丈夫。電車で帰るから」


「痴漢に遭ったらどうするんだ?」


「警察呼ぶから大丈夫だよ」


「駅からマンションのあいだの道すがらもあるだろ」


「そっちも問題なし」


 安全面は考慮していると。


「カホル。ちゃんと自分を大切にな」


「気を付けまーす」


「ところでさ。二條家の問題って知ってるか?」


「問題?」


 クネリ、と首をかしげる。済んだ瞳には無理解の色。


「ああ、いや、何でもないわ。なんか親子喧嘩がどうのみたいな」


 云千万の借金を抱えていることをカホルは知らないわけだ。コヲリがいうにはカホルと言うより花崎のおじさんが一人暮らしの費用を出しているみたいだし。


「ボクも一人暮らししようかなー」


「もうしてるでしょ?」


「いや。家屋じゃなくてマンションに」


「一人暮らしできるの?」


「そこはカホルたちと共同でさ」


「…………ボソボソ(うっざ)」


「何か言ったか?」


「何も? 何か聞こえたの?」


 まぁ聞こえなかったわけだが。ボクはエロゲーの難聴主人公じゃないからな。


「とにかく駅まで送るよ。一緒に行こうぜ」


「まぁ駅までなら」


「模試も終わったんだろ? デートしねぇ?」


「アルシは私とデートしたいの?」


「まぁちょっと離れているからさ。寂しいって思うのは間違ってる?」


「別に何も変わらないんじゃない?」


「最近起こしに来てくれないしさ」


「そろそろ独り立ちして貰わないとさ」


「そこを何とか~。花崎様ぁ~」


 俺は茶化すようにお願いしたが、半ばマジだ。最近はもう健全な登校もままならない。期末テストは赤点こそ避けたが、ほぼ最底辺だ。このままでは六組に所属することになってしまう。それというのもカホルたちがボクに勉強を教えてくれないのが悪い。


「カホル頭いいんだから、ボクに勉強教えてよ」


「無理だよ。もう自分が頭いいとか思えないし」


「何でだ?」


「…………ボソボソ(まぁ偏差値八十が隣にいるとね)」


「?」


「じゃ、そんなわけで。帰ろっか?」


「あ、じゃあ、コンビに寄らねえ? アイス奢るよ」


「今はダイエット中なので糖分禁止です」


 全部脂肪はおっぱいに行くだろ。もちろんボクだけが揉んでいいおっぱいだ。他の誰にも触らせねぇ。


「最近ホムラが九王にお熱でさ」


「そだねー」


「まったく趣味悪いよなー。カホルもそう思わない?」


 互いに共感性を得ることが男女の仲のコツだ、とネットソースにあった。


「さて、どうだろう」


「絶対趣味悪いって。まぁ六組だから正常な判断が出来ないのかもな。あそこってクズの掃き溜めだからさ。永遠の敗北者だよなー」


「あははー。酷いこと言うね。アルシ。…………ボソボソ(クズはどっちなんだか)」


 マジでボクにだけ惚れていればいいのに。借金の件があるから結婚は無理だけど、抱かせてくれるならボクから断る理由はないのにね。九王に媚びるのも大変だな。貧乏人は。


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