第四十二話 簡単には死ねない(ベルゼブブ視点)
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――なぜこうなった?
ネイコス様の計画通り、あの家畜小屋を人間どもが警戒してると知り、わざと一万の手下どもを魔界から連れてきた。読みが甘かったのか? もっと増やせば良かったか?
まさか、あのちびが水の精霊を使って精霊獣を呼び寄せるとは夢にも思わなかった。だが、その時はまだ余裕だった。
大岩をこの手で吸い込んだ後、ちびも吸い込んでいたら良かったか。
いや、あのちびは光属性を持っている。あんなのを吸い込んでいたら、どのみちおかしくなる。
じゃあ、何が敗因だったのか?
あの忌々しい雪のせい? あのちびの魔力のせいで俺の能力が消えたから?
――あの方がこれを見たらなんと思うだろう。せっかく邪神様から頂いたオーラがあったのに、我は負けてしまった……。情けない。
――せめて、一矢報いなければ、ただで消えるわけにはいかない。
己を焼き尽くす炎の中で、横をゆっくり向くと、すぐそばに魔喰いの剣が放置されていた。爛れた左の人差し指に全ての魔力をかき集めてみる。酷い痛みだがなんてことない。
(ははは、いいぞ、いける)
我の側で捨てられていた魔喰いの剣が紫色に光ると、そっと、分からないように地面すれすれに浮遊させた。
奴は今油断して、俺に背中を向けている。
三、二、一、今だ!!
人差し指を奴の背中に指した。
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