付録 第一章の登場人物紹介 魔族
この章で初めて登場した者を紹介します。
今後のことも若干触れていますのでネタバレ的要素もありますのでご注意を。
アルディーシャ・グワラニー
この物語の中心人物のひとり。
魔族。
ただし、純魔族より格下とされる魔族と人間の混血、いわゆる人間種。
魔族の証であり赤目で黒毛。
王都で小さな果物屋を営む祖父母、両親、弟三人と妹がふたりいる。
初登場時、五十八歳。
ただし、魔族は人間と比べた場合三倍以上長生きする代わりに、成長はその分遅いので、見た目上は十八歳前後。
幼少から神童と呼ばれており、頭脳明晰、語学堪能で魔族語だけではなく人間の国の言葉もほぼ完璧に使いこなせる。
実は別の世界から飛ばされてきた日本人で官僚。
グルメ。
女性の好みは年上の巨乳。
アントゥール・バイア
金髪の人間種。
初出時、八十七歳、人間換算で二十八歳程度。
グワラニーが文官時代に見つけ出した側近というより腹心。
非常に有能。
見識、洞察力、交渉力、そのすべての点で高い能力を有しているが、その中でも情報処理能力は突出している。
グワラニーに言わせれば、「バイアの才は自分と同程度。ただし、この世界の自分はとんでもない下駄を履いているので、本来の才はバイアの方が上」ということになる。
既婚者。
娘がふたりおり、ふたりともグワラニーに懐いているので将来的にどちらと結婚させようと考えている。
アビリオ・ウビラタン。
純魔族。
グワラニーが部隊を率いることになったときに実戦部隊の指揮官として配属された。
登場時七十八歳で、人間換算で二十六歳前後。
配属時の階級は下級指揮官である戦士長。
同時に配属されたバロチナ、コリチーバとは友人。
いわゆる脳筋だが、学習能力が高い。
僅かな期間でフランベーニュ語とアリターナ語が話せるようになる。
エルメジリオ・バロチナ。
純魔族。
グワラニーが部隊を率いることになったときに実戦部隊の指揮官として配属された。
登場時七十七歳で、人間換算で二十六歳前後。
配属時の階級は下級指揮官である戦士長。
アイマール・コリチーバ
純魔族。
登場時八十歳で、人間換算で二十六歳前後。
配属時の階級はウビラタンやバロチナよりも一つ上の騎士。
純魔族であるが、非常に細身。
そのため、武器は大剣や戦斧ではなく、細身の剣。
ただし、剣技はかなり高く、剣速も恐ろしく早いため、木刀を使用した模擬戦ではウビラタンやバロチナはコリチーバに勝利したことはない。
忠誠心は非常に高く、典型的単純な脳筋戦士であるウビラタンやバロチナと違いよく気が利くため、グワラニーは彼を護衛隊長に任じている。
魔族軍の階級の大雑把に分別した場合、兵や下士官が一級から五級まである戦士。
下級士官が戦士長、騎士、騎士長。
上級士官が騎士団長、准将軍、将軍。
現在は戦闘で馬は利用されないため騎士はおらず階級のみにその名を残す。
これは以前の戦いで、魔法によって混乱した馬たちが暴れ出し収拾がつかない事態が度々起こったことが原因であり、当然ながら魔族軍だけではなく人間の軍からも騎士は姿を消している。
ちなみに魔族の国には貴族は存在しない。
また、軍に属し剣を振るうのはすべて純魔族であり、人間種の者は魔術師以外軍に属することはないというのが伝統になっている。
むろん、この背景には純魔族の人間種に対する差別意識があるわけなのだが、両者の筋力は大きな違いがあるため、軍の弱点になりかねないことも事実。
また、別世界ではこのような状況では、人間種は弾除けや囮として使用されることになるのだが、古き時代の王がそれを禁じたため、魔族の国ではそれがおこなわれることはない。
王
元宰相で魔族の国の現王。
七十二代目。
この世界アグリニオンは元々魔族が世界のすべてを支配していた。
そのため、魔族の国は国の名を持たない。
そして、王も王位に就いた時点で名を捨てる。
また、極端なまでの能力主義がはびこる魔族の国では現王の血を引く者は次期王にはなれないという厳しい決まりがある。
現王は次期王について、「最も功のあった者」に王位を譲ると宣言している。
登場時、百十二歳で、人間換算で三十歳半ば。
純魔族。
金髪、細身。
歴代最高の王と呼ばれる切れ者。
アンドレ・ガスリン
魔族軍最高司令官で王の最側近。
「武」を体現化したような体躯と黒毛の純魔族の百四十八歳。
一対一の剣戦であれば無類の強さを見せる。
現王が次期王を正視記に指名せずに死亡した場合に王位を得る権利を持っており、血統による王位継承をおこなわない魔族の国において次期王の有力候補。
アパリシード・コンシリア
魔族軍副司令官。
ガスリンとは次期王位を争うライバル関係にある。
赤毛で髭面の百二十九歳。
純魔族で人間や人間種嫌いで有名。
ガスリンと並ぶ強力な腕力と剣技を誇る。
ダミオン・ドゥドゥル
魔族軍将軍。
純魔族の百二十歳。
魔族の戦士としては細身だが剣士としても一流。
ただし、評価されるのは軍の配置や立案など最前線よりも後方でのおこない。
マタウ
魔族軍将軍。
グワラニーによる敵背後を襲う計略の成功と王からの多大な報酬を見て、多くの将軍が直属部隊を動かしたのだが、その多くが失敗に終わる。
マタウの部隊はフランベーニュ領の町を急襲し、急襲そのものは成功したものの、その直後救援にやってきた大軍に袋叩きに遭う。
ジャジュ
魔族軍将軍。
マタウと同じ日にアリターナ領を急襲したが、彼の部隊も失敗した。
ブタレ
アントン・ブタレ。
魔族軍将軍。
直属部隊で現フランベーニュ領のミュロンバを襲撃させたものの、そこに居合わせた勇者一行と戦い、ほぼ全滅する。
アキリス・マモレー
珍しく情報というものを非常に重要視する魔族軍将軍。
敵の後方攪乱のため、直属部隊をムカンギアに送り込むが、怪しげな集団に叩きのめされる。
逃げ勝った部下たちの言葉から、勇者クラスの実力者集団だが、その外見が勇者とは違うため、「新たな勇者候補」として王へ報告する。
ジルベルト・ヴィエローゾ
魔族軍将軍。
「勇者候補」に部下が叩きのめされたひとり。
彼の部下が奇天烈な恰好をした三人の槍使い。
むろん、彼らが「勇者候補」として認識していたのは「勇者」だったのだが、その擬態を見抜けなかった魔族軍の幹部たちは大混乱に陥ることになった。
ちなみに「剣での戦いが至高」と考えるこの世界の戦士たちの間では伝統的に槍は「卑怯者の武器」として好かれていない。
実戦においても常に乱戦状態にあることが多い魔族と人間の戦いにおいては使い勝手の悪さは否めないため、槍は城塞戦のときに城壁防衛のために使用される程度である。




