付録 第一章の登場人物紹介 大海賊
バレデラス・ワイバーン
この世界の海を支配する八つの大海賊のひとつ「天空の大海賊ワイバーン」の長で日焼けした肌と濃い茶色の髪。
百四十二歳。
赤い目を示すとおり魔族であり、そのこともあり、彼が率いる大海賊ワイバーンは魔族と人間の混成集団となっている。
もちろんこれはこの世界では異色。
さらにいえば、彼はその特徴を生かし、魔族の金や銀を人間世界に流す「金銀交易」または「仲介交易」をおこなって莫大な利を得ている。
彼の下には腹心のアデマール・ペルディエンスなど文武両面にわたって有能な人材が多数揃っている。
そして、このバレデラス・ワイバーンも元々別の世界からやってきた人間であり、こちらと元の世界を行き来し、コピー用紙を魔族たちに高価で売りさばいている。
さらに、彼がおこなった実験の巻き添えでグワラニーはこの世界にやってきている。
八大海賊はそれぞれ二つ名を持つのだが、ワイバーンのそれがこの「天空の大海賊ワイバーン」となる。
二匹の翼竜が描かれた黒旗。
港町マンドリツァーラを中心としたファンドリアナ島が本拠地。
前述したとおり、金銀貿易を通して圧倒的な力を有している。
八大海賊、その残りの記しておく。
暴虐の大海賊ウシュマル
長はサカリアス・ウシュマル。
交差する戦斧が描かれた黒旗。
本拠地は港町ペレトウェインを中心としたビサランチ諸島。
意外にも遵法精神旺盛な大海賊の中でも別名「厳格の大海賊」ウシュマルのそれは突出しており、たとえ敵対する海軍相手におこなったものでも約束を違えた者に対しては「生きていることを後悔するくらいの」制裁を加えた事例が多数ある。
この世界で唯一コショウの生産をおこなっている。
麗しき大海賊ユラ
長は八大海賊唯一の女性の長であるジェセリア・ユラ。
フランベーニュの貴族の末裔だけありその外見は華麗。
だが、それに反しユラの性格は非常に残虐。
そして、その部下たちも長に準じ皆好戦的である。
黒い人魚が描かれた金糸で縁取りされた血色の旗。
本拠地は港町ガロ―ウエを中心としたサロマイヨ群島。
海賊船の多くが彼女の造船所製である。
強欲の大海賊トゥルム
長はアレクサンドル・トゥルム。
天秤が描かれた黒旗。
海賊界最大の港アッサルグーベ、「すべてが揃う場所」アディーグラッドを持つアンバリア島を中心としたウタワウマ環礁が本拠地。
ちなみに海賊にとってアッサルグーベは憧れの地であり、入港が許されてはじめて一人前の海賊とされる。
慈悲なき大海賊コパン
長はアレクシス・コパン。
吊るされた罪人と抉り出された心臓の黒旗。
港町ハライブを中心としたワジト島。
ブリターニャ人にとっての存在そのものが禁忌である「ブリターニャ王国の黒歴史、アルフレッド・ブリターニャ」の血を引く。
実は、アルフレッド・ブリターニャは異世界からやってきた者であることから、別の世界の人間の血を引き継いでいるともいえる。
アルフレッド・ブリターニャは、公的資料では後に即位する甥セシルに殺されたことになっているのだが、実際はセシルに強引に皇位を譲って密かに退位し、南の島に移り済んだ。
その後に別の世界から多くのものを持ち込んで生活の足しにしたのだが、そのひとつが砂糖で、その砂糖がこの大海賊の軍資金の元となっている。
服装、ふるまい、そのすべてが貴族趣味。
鉄壁の大海賊ワシャクトゥン
長はレジェス・ワシャクトゥン。
十三本の剣が描かれた黒旗。
南東海域の中継地点ガラプラを中心としたコスラエ島。
神速の大海賊カラクルム
長はセシル・カラクルム。
三本の雷が描かれた黒旗。
北西海域の中継地点シラボタカバを中心としたウルング島。
幻影の大海賊ボランパック
長はマルシアル・ボランパック。
槍に下げられた錨が描かれた黒旗。
北東海域の中継地点ヘアアーリを中心としたイエンザ島。
魔術師であり発明家でもあるいわゆる錬金術師。
ガラスの発明者でこの世界で唯一の技術を持つ者であるため、独占販売をしている。
陶器についても彼の独占販売物である。
この世界に住む者の名は、誕生順にこの世界にも存在するアルファベットのAから名が付けられていく。
むろん例外も多いが、魔族も人間もこの理に従っている。
だが、海賊に関してはその理は通用しない。




