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8

私は今本邸を歩いている。


「奥様、ここが奥様のお部屋でございます。、また二階の東棟はアリアナ様と、旦那様が過ごしております。基本的にここ西棟で過ごしていただければアリアナ様と鉢合わせることは無いかと」


わかってるじゃないセバスチャン、そういう情報大事よね。

私は入って疲れたとばかりにソファに腰をかけた。


「助かります」


もう2度と関わりたくないもの。そう思っていると2人のメイドが私の前に出た。


「初めてまして奥様、ニコでございます」


「コニーでございます。私達は今日から奥様付きとなります。よろしくお願い致します」


…。似てるわね。


「あの…?」


私が何も言わなかったので耐え兼ねたのか、ニコが口を開ける。


「あら、失礼だったわよね。お2人があまりにも似ていたので綺麗だなぁと見惚れてしまいました」


私がえへっと笑うとニコもコニーもふるふると震えてコニーが「奥様、かわいいっ」と私にも聞こえる声で呟く。その瞬間、ニコがハッとなり真顔になる。


「ちょっと、コニーー!奥様、妹が大変失礼致しました。またお気づきのようですが私達は双子でございます。」


あらま。かわいいですって。褒められて嫌な気はしませんのよ。


「あまり硬くならないでください。私は皆さんと仲良くできたら嬉しいのでこれからも気軽に声をかけてくださると嬉しいです。これからよろしくお願いしますね、ニコ、コニー」


2人は顔を見合わせた後にいい笑顔でで返事をしてくれた。



皆が出てった後、今日は疲れたのでこのまま寝るので下がって欲しいと告げる。


「お嬢っ、いえ失礼しました。奥様と、これからはお呼びすべきですね」


「サーラー、マドレアでいいのよ別に。なかなかタイミングなくて言い出せなかったけれどマドレアと呼んでほしいな」


私はソファでゴロゴロしながらクッションを抱えながら甘える。

サラは全くといった顔をした後にふわりとブランケットを掛けてくれた。


「マドレア様、いくら自分の部屋だからといってはしたないですよ」


サラはお姉さんみたいで甘やかしてくれるし公爵家に行くといった時も2つ返事でついて来てくれた。


「ねぇ、家の中で気を使って生活するのって疲れるじゃない?」


「…まぁ、そうですね」


私はふふふっと笑みを浮かべる。


「ダメです」


「ふぇっ⁉︎まだ何もいってないじゃないっ」


「マドレア様、黒い笑みを浮かべてる時はたいていろくでもないことだと私は思っております」


そんな胸を張って言い切らなくたっていいじゃない。失礼しちゃうわ。でも私は言います!


「ごほんっ。私マドレアは、公爵邸の使用人の皆さんと仲良くなるため偽りなくありのままの姿をお見せすることをここに宣言しますっ!」


それを聞いたサラはため息をついた後静かに言う。


「…そんなこと宣言しないでください。まぁ。あくまでも来客時や社交の場でしっかりしていただければ私は何も言いません」


来客に社交ねぇ…。

それってたぶん私の専門外だと思うの。あのお花畑さんがやってくれると思うのよね。だから私は気楽に使用人のみんなとうふふ・あははでいいのよ。

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