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コンコン。
「マドレア、少しいいかな?」
えぇーーー。入居日当日にこんなにも旦那様と合わなければなら会わなければならないのです?
(本日まだ2回目。されど2回目です)
「…どうぞ」
私が嫌々返事をするとニコとコニーが申し訳なさそうに扉を開けて入ってくる。いいのよ、部屋の前で待機してただけで貴方たちは何も悪くないの。この非常識男よ、悪いのは。
入ってくるや旦那様は私の横に腰をかけた。
ん?
え?
おかしくないですかこの図式。
「旦那様?向かいのソファが空いておりますが…」
「え?あぁ、すまないついっ」
旦那様はヘラッと何でもないように言った。いや、移動しないのですね。私なかなか伝わりやすく横に座らないでってお伝えしたつもりだったのですが。
「はぁ。それでご用件は何でしょう?」
私はもう隠さずにため息をして促す。
「アリアナの件だけど。彼女はまだ幼くとても素直すぎるところがある、…がまぁ仲良くやってくれると助かる。その、社交のことや勉強、マナーとか…ね」
ね。じゃねぇ。私アリアナ様と同じ歳なのですが。私の負担大きすぎですし、どこも自由ではないのですが。
私は姿勢を正しく旦那様に体を向ける。
「お断りします。当初のお話では”私達には関わるな”とのことでしたので私はそれに従わせていただきます。私にいろいろ求められても正直迷惑です。もし望むことがあるなら”次”からはしっかりと”契約内容”を決めておくことをお勧めしますわ」
ばばーんっと私は辛口に伝える。
「いや、でも」
「でも、ではありません。私に与えられた使命は形式上の妻。ですのでさすがに王宮主宰の舞踏会など出ますが、私でなくても問題ない場合はアリアナ様をお連れしては?もしくは違う”契約相手”を探してくることですね」
私は笑顔でたたみかけた。先代公爵様、1人息子だからと少し甘やかして育てすぎたのではなくて?
私とは裏腹に旦那様は「なるほど」と呟いて私に笑顔を見せた。
「マドレア、君はやっぱり頭がいい!ありがとう」
???
「どう、いたしまして?」
旦那様はキラッキラの笑顔を見せたかと思うと私のおでこにキスを落として去っていった。
意味がわからん。
そして、さらっとキスしないでくださいっっっっ。そーゆーことはアリアナ様としてよもうっ。
「…マドレア様、顔が赤いですよ」
「サラ、この部屋の温度高いのではなくて?」
認めない。今のはきゅんじゃなくて。あまりにも意味不明で会話が成り立ってなさすぎてイライラして顔の温度が上がっただけ。
ニコとコニーは目を合わせ頷く。「奥様、可愛すぎっっ」っとね。




