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たまおの不幸な卒業文集  作者: 花南
10/34

08/10

 人間は生きていて楽しいと思う瞬間がない限り生きていないと思うのは僕だけだろうか。

「遊園地行きたいな……」

「は?」

 先に仕事を終わらせて夏休みの宿題をやっていた僕がぼんやりと呟いた言葉に篠宮さんが顔をゆがめた。

「三芳は遊園地が好きなタイプなの? あそこ人が多いよ」

「だから貸切にした遊園地? 誰もいないところでひとりメリーゴーランドとかやりたい」

「なんかおめでたい響きだね、ひとりメリーゴーランドってさ」

「篠宮さん遊園地とか好きじゃあないの?」

「どちらかってと遊園地って聞くだけでテンションががくんと下がるね。何が楽しいのかわからない」

「ゲームセンターとかは?」

「行かない。楽しくないから」

「映画とか見にいったり……」

「しないしない。金曜ロードショーも見ないしむしろテレビつけないし」

 遊園地どころかゲームもテレビもなしな生活ってどれだけ楽しくない生活なんだろう。いや遊園地もゲームもテレビもない生活だって何か楽しいことってあるかもしれないけどさ。

「カラオケは?」

「三芳は声質いいから歌うのうまそうだよね。私はカラオケも嫌いだ」

「嫌いなものだらけだね。何が好きなの?」

「風呂。熱い風呂だ」

「江戸っ子じいさんみたいな生活だね」

「金かからないし。ゆったり浸かってごきげんに歌うと割りと楽しいでしょ?すこし背の高い~あなたの耳に寄せたおでこー」

「歌下手だと思ってたけど割りと上手なんだね」

 歌うキーは普段のだみ声からは想像つかないくらい高いね。

「今度どこか遊びにいかない?」

「仕事多すぎて遊びに行く時間なんてないでしょ、みーよしくん」

「たしかにね」

「大人になっても仕事の合間に飲みに行く仲とかだったら楽しいよね、私たち」

 篠宮さんはきっとすごい酒豪だと思う。なんだかお酒に強いですって顔に書いてあるもの。僕は飲んだことないけれどもアルコールパッチは反応まったくでないし、ふたりで徹夜で飲んだりとか将来はするのかな……なんて考えた。

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