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戦闘重機、益荒男(ますらお)っ、改め撫子(なでしこ)っ  作者: トウフキヌゴシ
第二章、ガゼフ内乱

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おりるぜっ

「まずいのですヮッ」

 警告をしたのに戦艦が回避行動を取らない。

「くっ、またですノッ」

 大慌てで機体の制御を自動オートから手動マニュアルへ。

 強引に波動砲の放射位置を変えていく。

 ようやく、ターゲットスコープに入っていた戦艦がその巨体をひるがえし緊急回避した。

 レイカにホッとした表情が浮かぶ。

 ――これで当たらないのですヮッ

 直撃すると戦艦と言えども()()しかねないのだ。


 銃状のレバーの引き金を引いた。 


「波動砲発射アアアア」


 操縦席の前下半分が白い光に染まる。 

 機体のお腹の部分から、野太い光の束が真っすぐ宇宙に伸びた。

 戦艦の横を走り去る。

 次の瞬間、


 パチィ


 という音と共に操縦席内にスパークが走り、真っ暗になった。

 が、すぐに明るくなる。


「む、波動砲の余剰エネルギーが逆流した様じゃノウ」

 一瞬、電装系が飛んだようだ。

 さて、波動砲で怯ませている間に後ろの惑星に逃げ込まなければならない。


 ちなみに、小型機には大気圏突入用の装備の取り付けが義務付けられている。

 近くにある地球型惑星に避難できるかで、生存率が跳ね上がるからだ。


「ああっ」

 レイカがレバーを操作しながら叫んだ。

「た、大変ですヮ、操縦が手動マニュアルから自動オートに切り変わらないのですノッ」


 大気圏突入を手動マニュアルでしなければならない。


「なんじゃトウ」

 ――手動で大気圏突入はかなり難しいノジャ

 シャルロッテの驚きの声。


「やったことは」

 無線から冷静なサカイの声。


「シ、シミュレーションなら何回か」

 泣きそうな声でレイカが答える。

「サ、サカイ様は……?」


「数えきれないほどに」

 サカイが短く答える。

 ウルトラエースであるサカイ。

 過去の激戦がうかがわれる回答である。

「分かった、ナビゲートするからついてきてくれ」

 サカイが機体を手動マニュアルに切り替える。

 

「!、ふ、ふつつかものですがお願いするのですヮッ」


「言う通りにしてくれ」

「はいですノッ」


「バーニア収納」

 必要のないバーニアが機体の収納される。

「突入姿勢へ」

 零戦を戦闘機体型へ。

 下側を惑星に向ける。

 サカイの零戦の左右につけられたシールドブースターの盾の面を下に。


「分かりましたヮ」

 撫子なでしこの各部のバーニアを収納。

 手に持ったシールドと足を下に向ける。

 手に持ったライフルは背中の上にマウントされた。


「突入角度と速度はこちらに合わせてくれ」

「はいですノッ」

 撫子なでしこの操縦席のモニターの左下前に、シールドを下に回した零戦の姿が映る。

 小さく矢印が伸び、突入角度を速度と機体温度が表示されている。

 撫子なでしこと零戦の機体の大きさの差はサカイの勘でどうにかするようだ。

 軽く1,5倍くらいの大きさの差がある。


 ゴゴゴゴゴゴゴ


 振動と音と共に、機体の下側が大気との摩擦熱で赤く染まり始める。


「冷却剤噴射」

「噴射しますヮッ」

 零戦のシールドの横のスリットから、撫子なでしこは足の付け根と腰部アーマーから白い冷却剤が吹きだす。

 みるみる機体温度が下がっていった。

 しばらくその状態が続き、音と振動と赤い発熱が止まった。

 青い空に二つの機体が浮かび上がる。

 青い海の上に雲海が所々浮かんでいた。


「大気圏突入成功」

 サカイの冷静な声の後。

「おつかれさま」

 いつもののんきなサカイの声が無線から聞こえた。


「や、やりましたヮアア」

「やったのジャアア」

 レイカとシャルロッテの歓声が操縦席に響く。


 零戦と撫子なでしこが、機体の角から白い雲をひきながら、青い海と白い雲の間に降下していった。



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