表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦闘重機、益荒男(ますらお)っ、改め撫子(なでしこ)っ  作者: トウフキヌゴシ
第二章、ガゼフ内乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/48

みるぜっ

 ”やまとん”の休憩室である。

 うす暗い部屋に自動販売機の光が淡く光る。


「豊かな海ですヮ」

 レイカが四角く区切られた窓の外を見て言った。


 薄くそして少し暗く透き通る青い世界。 

 上には、ところどころに銀色の波が立つ透明の界《海》面が見える。

 満天の星空が広がる中、時々すごい速さで恒星や惑星が通り過ぎていく。

 ここは、ダイブ《ワープ》空間。

 時間をさかのぼりながら距離だけが進む場所。


 宇宙戦艦、”やまとん”は、ダイブワープ中である。


「そうだね」

 隣に立つサカイが答える。


 少し離れたところに、三十センチくらいのイワシの群れが柱を作っている。

 時々、大きなアオザカナが、その群れに飛びこんだ。

 他にも”やまとん”と同じくらいの、”SAKANA”が並走したりすれ違ったりした。

 ”SAKANA”とは、”宇宙空間適応型魚類”のことだ。


 ボエエエエエエ


 時空を超えて艦内の空気を振動させた。


「タイタンホエールですヮ」

 レイカが艦の下の深い方を指差す。

 ”やまとん”の三倍近い大きさのシロナガスクジラが、銀色の波を立てて泳いでいた。

 

「宇宙は生命に満ち溢れているな」

「ええ、そうですヮネ」

 

 美しくも壮絶な景色を前に、窓の前で並んだ二人の距離がほんの少し小さくなった。



「豊かな海だな」

 艦長席に座った、海野九三艦長が言った。

 艦の下方には巨大なクジラ。

 鳴き声が聞こえて来た。

 操舵長のアーノルド、砲術長のサクラギ、通信士のマリアが振り向いてうなずく。

 その時だ。


 ピピピピピ


 マリアの前にあるコスモレーダーが電子音を立てた。

「艦長、レーダーに感あり」

「戦艦級の反応、三」

「艦種識別します」

 マリアがコスモレーダーを操作した。

「…………戦艦テルピッツ、一とドイッチェランド級装甲艦、二、急速接近中!!」


「やはり、追いつかれたか……」

「惑星、no、753へ移動」


「了解」

 アーノルドがハンドルを操作。

 しばらく移動した。

「no、753に到着」

 艦が停止すると同時に、界《海》面上に青くて丸い惑星がパッ、ピタッという感じで現れた。


「浮上」

 艦長が言う。

 アーノルドがレバーを操作。

 艦が界《海》面に向けて上がっていく。


「ダイブアウトッ」


 界《海》面の表面に銀色の波を出しながら艦が完全に浮かび上がった。


「ダイブワープ終了」

「ダイブ《ワープ》空間から通常空間に出現、艦に異常はありません」

 マリアが言った。


 少し離れたところの銀色のさざ波が三つ現れた。


 ビイイ、ビイイ


 艦内に少し甲高い乾いた警告音が響く。


「総員、第一種警戒態勢、パイロットは各機で待機」


「…………いこうか」

「……はい……ですヮ」


 二人が休憩室から走り出した。

 

 背後には青い無人の植民惑星。


 小さいが歴史的には大きな海戦が始まる

 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ