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戦闘重機、益荒男(ますらお)っ、改め撫子(なでしこ)っ  作者: トウフキヌゴシ
第二章、ガゼフ内乱

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あつめるぜっ

 アルフレッド第一王子を乗せた、宇宙戦艦、”テルピッツ”はまっすぐ目的地には向かわなかった。

 途中の宙域で他の艦と合流するためだ。


「ダイブアウト」

 宇宙に銀色の波を立てながら、戦艦、”テルピッツ”がダイブ(ワープ)空間から通常空間に出てきた。


 そこには、”ドイッチェラント”級宇宙装甲艦が二艦停泊している。

 別名、ポケット戦艦と言われるものだ。

 戦艦の横には大きく貴族の家章が描かれている。

 その貴族の家の所有だからだ。


「来てくれたか」

「アウディー侯爵とバイエルン伯爵」

 アルフレッドが、テルピッツの艦橋のニつの画面に移された二人の男性に話しかけた。  

 この二家は、第一王妃派の派閥の主流であり、強引にニャンドロスとの開戦を進める主戦派の中心でもある。

 また、ベンツアー重工との結びつきも強いのだ。


「ははっ、召還に応じ、はせ参じましたぞ」

 アウディー侯爵だ。

「はいっ、今度こそ、”くすんだ金髪”に目にもの見せてやりましょうぞ」

 バイエルン伯爵である。

 ちなみに、”くすんだ金髪”は東和の血の入った、”シャルロッテ”王女のことだ。


「うむ、今度こそ第二王女を『イケドリ』にするのだ」


「ん? ……生け捕りですか?」

 バイエルン伯爵が不思議そうに聞く。


「そうだ」


「ふむ、何か考えがあるのでしょうな」

 アウディー侯爵である。

「で、そちらのメイドは誰ですか?」

 どう見ても東和人にしか見えないメイドがアルフレッドの後ろに控えている。

 アルフレッドは東和人を毛嫌いしていたはずだ。 


「ああ、専属メイドの、”エリザベス”だ」


「えっ」

「エリザベス?」


「私の《《ママ》》でもあるぞ」


「んん?」

「今、マ、ママと……?」


「では行こうか」

 アルフレッドが、どこか吹っ切れたように明るく言った。


「「は、はあ?」」


 戦艦、”テルピッツ”に、”ドイッチェラント”級装甲艦が二隻合流した。

 ”ドイッチェラント”級装甲艦には、それぞれ三機の宇宙戦闘機が搭載されている。

 宇宙戦闘機は、”テルピッツ”のと合わせて、計十二機になった。


 迎えるは、宇宙戦艦?”やまとん”と、益荒男ますらお改め撫子なでしこと、零式艦上宇宙戦闘機一機となった。



 アルフレッドの、”テルピッツ”艦内の執務室。

 いつものように入口で少年侍従が中を覗いていた。


「ママア、あの二人を呼(召還した)んだよ~」

「褒めて~」

 アルフレッドが、東和人メイドの着やせする胸に顔をうずめた。


「よくやったわ、いい子ね」

 無表情のメイドが、抑揚なく言いいながらアルフレッドの頭を撫でた。


「もう戦争で怖いのは嫌だよ~」

「そうね」

「妹に酷いことするのも嫌だよ~」

「そうね」

「東和の人もかわいそうだよ~」

「そうね」

「”芋洗坂”なんて怖いの相手にしたくないよ~」

「そうね」

「もうそろそろ終わりにしたいよ~」

「そうね」

「僕に何かあっても、ママはずっと一緒にいてくれる~」

「そうね」


 メイドが入口をちらりと見た。


 ……風魔流房中術、赤子遊戯ばぶみ……


 声に出さずに口だけで言う。 


 目が合った少年侍従が、東和人メイドに静かに頭を下げた。


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