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戦闘重機、益荒男(ますらお)っ、改め撫子(なでしこ)っ  作者: トウフキヌゴシ
第二章、ガゼフ内乱

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あうぜっ

 海賊都市サルベージに着いたサカイたち。

 サカイは一人、暗い階段を降り、木製の扉に向かった。

 その扉には、 ”バーパルチザン”と書かれている。

 店内は、薄暗い照明にテーブルは二つ。

 バーカウンターの奥には褐色の大柄な禿頭の男性。


「久しぶりだな、サカイ」


「久しぶり、マスター、いつもの」

 サカイが、マッチを擦り煙草に火をつけた。

 安い東和産のウイスキーを注文する。


「聞いたぜ、まだ、第一王子が色々諦めてないんだろう」


「うん、まあ諦めてないのは第一王妃だと思うけど」


「ああ、実家の、”ベンツアー重工”か」

「戦争が終わらないと見込んで兵器を先に製造してるんだろ」


「注文なしでね」


「戦争が続いてくれないと、勝手に作った兵器の金がそのまま損になるのか」


「やれやれだよ」


「ふむん、おごりだ」

 ウイスキーグラスを二つ。


 カラン、カラン


 丸く削った氷を入れて、ボトルの栓を抜きウイスキーを注いだ。

 ラベルには、”白州”の文字。

 ピートの聞いた東和製ウイスキーだ。

「マスターッ」

 この戦争で蔵元は活動停止。

 今は製造されていない幻の高級ウイスキーである。


「それと、トキオに向かうんだろ」

「うん」

 元東和の首都、”トキオ”。

 第二王妃の実家であり、大公であるシャルロッテの祖父がいる。

 助けてくれるはずだ。


「昔の仲間に連絡しとくぜ」

「すまない」

 サカイのパルチザン時代の仲間である。


「さらに、近くにある人のいない(入植されていない)地球型惑星のリストだ」

「”穴熊作戦”、するんだろ」


「ありがとう、多分引きこもると思う」

 

「まあ、無事を祈る」 

「英雄のために」


「……ありがとう」


 カチン


 二人はグラスをあわせた。



「早く、シャルロッテを亡き者にするのです」

 空間表示された通信画面で、三十代後半の女性が言った。

 アルフレッドの母、第一王妃だ。


「はい、母上、『イケドリデ、ヒガイヲ、ナルベク、ダサナイ』ようにしています」

 アルフレッド第一王子が答えた。


「? とりあえずシャルロッテのことはニャンドロスのせいにするのですよっ」

 まだ近くにニャンドロスの移動要塞がいる。

 ニャンドロスになすりつけて戦争を再開する口実にするつもりだ。

「……このままでは実家に莫大な損害が……」

 王妃がぶつぶつとつぶやく。

「それから……そのメイドは誰?」

 アルフレッドの横には、黒髪黒い目のどう見ても東和人の女性。


「女王さまです」

 アルフレッドが真顔で言った。


「女王さまっ!?」

 王妃が驚きの声を挙げた。

 黒髪のメイドがちらりとアルフレッドを見る。


「いえ、専属メイドの、”エリザベス”です」


「エリザベスッ!?」

 西方人の名前で、どう見ても東和人だ。


「では、私もシャルロッテの所に向かいます」


 ブツッ


 アルフレッドが一方的に通信を切った。



 その夜、


「余計なことを言いましたね」

 手に乗馬用の鞭を持った黒髪のメイドが言う。


「あああ、女王様~」

「僕は犬です、駄犬です~」


「お尻をお出し」


「はいっ」

 アルフレッドが床に四つん這いになった。


 ピシリッ


 メイドがお尻を叩く。


「あああ~、もっとください~」

 恍惚としたアルフレッドの声。

 四つん這いになった背中にメイドが座る。

「あんっ」

 アルフレッドがみじろいだ。


「風魔流傀儡術、”呼、女王様”」


 メイドが入口に目を向け、ぼそりと言う。


「ひうっ」

 入口の扉の隙間から覗いていた少年侍従が短い悲鳴を上げた。



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