21.訪問者
結局弓の才能も無い事に気が付いた。
もう、銃でも創ってやろうか?いや、扱えないか。
反動で腕が吹っ飛んだりしてね。
そろそろ昼食の時間なのでゾーラのところに転移する。
『くははは、ゾーラは呑み込みが速いな!すぐに私を抜かせるかな?ははは』
「いやいや、まだ無理ですね。もっと強くなりたいです」
『そう謙遜するなって!多分人間の中ではかなり強い方なんじゃないか?あんまし人間の事知らんから確定とは言えんがな』
「私よりも強い人は沢山いますよ」
『そっか』
すっげぇ打ち解けているよ。
「ゾーラ、そろそろ昼食だから⋯⋯」
「そうですね。今日は何を作りましょうか?」
「ゾーラが作ってくれる物ならなんでも良いよ。全部美味いし」
「⋯⋯ッ!はい」
『⋯⋯私は何を見せられているのだろうか?』
俺はゾーラと共に101階層の部屋に戻ってゾーラが昼食を作ってくれる。
「どんな特訓をしてたんだ?」
「ひたすら模擬戦ですね。徐々に強さを上げていく訓練方でした。あの方はとても強いです。私はあの方よりも強くなりたいです」
「そっか」
その後、ゾーラと共に昼食を食べ終えた後に何をしようかと考える。
てか、本当にSPが足りなくて詰みそうな気がする。
本当に水源をSPに変えるか?
「む?」
「どうかしましたか?」
「いや、ちょっと1階層の方でスライムがひたすら壁にぶつかっているもんで。俺を呼んでるのかな?行ってくるは」
「私も付いて行きますよ」
「分かった」
俺は1階層に転移する。
スライム達にはダンジョン周りの警戒を頼んでいた。
「どうしたんだ?」
スライムは俺が転移してきた事を確認すると服をグイグイ引っ張ってくる。
俺はそれに合わせるように付いて行く。
「ダンジョンの外か?」
ダンジョンの外に出てくるようだ。
そして、ダンジョンの外に出てたらそこに居たのは、ロケットのような機会に沢山の小柄だけではないが小柄のおっさんが殆どの人達がかなりの人数居た。
「何とか逃げ切れたか?」
「お、俺達は、俺達はやっと自由に暮らせるのか!」
「ああ、ああそうだ!そうだ!俺達はかの魔王から解放されたのだ!計算では中央大陸だから1番平和な大陸だな」
「うぉぉぉ!俺達は自由だあああ」
「その前に住処を確保しないとな!」
「そうだ!女に子供が居るんだ!急いで住処を確保するぞ!」
「一体何処に住めば」
などなど言っている。
中央大陸とは世界地図で中央にある大陸、つまりこの大陸だ。
大陸は大まかに5つ、東西南北に中央の大陸だ。
細かく分ければまた違うのだが、大まかだとこんな感じだ。
「あ、あの〜」
「む?だ、れ、に、人間だあああああ」
「う、嘘だァァァァ!ここまで、ここまで必死に隠して逃亡計画を考えたのに!バレて居たのか。俺達は⋯⋯終わりだ」
「クソが!畜生、畜生」
「お前達!まだ諦めるのは速い!あいつらはたったの2人!しかも武器はないように見える。倒して逃げ切るぞ!」
「た、確かに!武器を持て!」
なんか、敵対視されてね?
「なっ!武器って銃かよ」
いや、銃ってよりも小さな大砲?火縄銃の方が近いか?
「撃てぇ!」
『撃てぇ撃てぇ!』
「何も聞かずに急に攻撃とは⋯⋯許されませんよ」
「うそん」
え、ゾーラさんぱないな。
相手は火縄銃だよ?
その弾丸をグラムで全て斬りますかそうですか。⋯⋯ゾーラが味方で良かった。
「そ、そんな」
「お、俺達はお、終わった、のか?」
「ま、まだだ!俺達はこんなところで負けてはいられない!俺達は自由を手に入れるのだ!」
なんか俺達が悪役な気がしてくるな。
「召喚、鬼人、ドラゴン」
俺は鬼人とドラゴンをダンジョン内部から召喚させる。
『ぬ?どうしたのだ』
『管理者様、いかがなさいましたか?』
鬼人とドラゴンが順番にどうしたのかと聞いて来る。
「急に召喚して悪いな。2人が1番威圧感が強いから⋯⋯」
「そ、そんな、あんなドラゴンに勝てる訳が無い」
「俺達はここで死ぬんだ。反逆罪で死ぬんだァ」
「いや、最悪拷問、実験体、うぅ、俺達が一体何をしたってゆうんだ」
それぞれの人達が大人子供関係なく皆が膝を崩して泣き崩れる。
『管理者様、こいつらやばくない?』
「鬼人よ、それは失礼では?」
「それでもモレク様、見るからにおかしいですよね?」
「そうだな」
逆にこれでおかしく無いって言う方がおかしいと思う。
「えーとまずはお話しませんか?」
「なぬ?我々を殺さないのか?」
「しませんよ!物騒な!それに、貴方方の話した内容から中央大陸では無いところから来たのですよね?ここは中央大陸です。貴方が思う人は最低限この場にはいませんよ」
「そ、そうか。そうだな!冷静差を失っておったよ。人間がいた事に驚いてな⋯⋯はは、すまんすまん。いや、話し合いはありがたい」
リーダーなのか体格が良く、小柄ではない筋骨隆々の男が前に出てくる。
「他の皆さんもどうぞ。良いおもてなしは出来ませんが」
とりあえず地位が高い者は会議室に、他は樹人族達のところに置いて他の魔物達を集結させておもてなしさせておくか。
怖がらないでくれるとありがたいな。
「あ、あの〜そちらのドラゴンさんは〜」
「ああ、俺達の仲間ですので問題ありません。そちらの重役達だけで別の部屋でお話します。他の方は違う階層に案内致しますので分けてくれるとありがたいです」
「あ、ああ分かった」
筋肉男は他の人達に今後の話をしているようだ。
『合計人数は300人ちょっとってところか?』
「分かるのか?」
『気配でな』
ふむ、あの壊れたロケットモドキが数個あるが、それに乗ってきたと考えるのが良いだろう。
この人達の会話で連れて来れなかった人はいないと予想する。
「かなり人数の少ない種族なんだな」
「人間ではないと?」
「ああ、人間って事で怯えて居たからね。そうだと思って」
「なるほど」
鑑定を使えばすぐに分かるだろうが、あれはかなり不気味なので出さないでおく。
「こいつらと俺が重役だ」
「分かりました」
スレンダーで日本なら女優に成れる見た目をしている人と小柄で白髪白髭でぼうぼうのじいさん。
そして、筋肉男が重役のようだ。
「⋯⋯ゾーラ」
「はい」
「みんなにご飯を作ってあげてくれ。魔物を数人連れて行っても良い」
「分かりました」
ゾーラも分かっているようだ。
女性の方はやせ細っており、他の人達もやせ細っている。
まともにご飯が食べれてないと予想する。
「それは、助かる」
「それでは、話し合いをしに行きますか」
ちなみに鬼人は他の人達の相手、ドラゴンも同じだ。
ゾーラが重役以外の人達を、俺は重役達を連れてそれぞれ転移する。
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