20.鬼人
ゾーラ未だに眠る、と言うよりは気絶に似たような様子でいる。
「あれ?」
ゾーラが右手に持っていたダークマター刀が無くなっている事に気がつく。
「う、んん」
「ゾーラ?」
ゾーラが項垂れて、ゆっくりと体の向きを変えていく。
寝返りを打つようだ。
ゾーラの顔が俺の太ももに埋まった瞬間にゾーラの呼吸がおかしくなる。
「スーーハーースーーハーー」
「息苦しいのかな?」
息苦しいと思い寝返りをさせるために肩に触れ、力を入れて寝返りをさせ⋯⋯させ、させれない。
俺の背中に腕を回してしっかり固定しており、簡単には引き剥がせない。
「おい!ゾーラ!完全に起きてんだろ!」
俺はゾーラに捕まれながらも立ち上がると、ゾーラは俺にしがみついた形で立った。
膝が未だに地面に付いている。
「つか、いい加減離せ!」
「嫌です!」
「嫌じゃないよ!」
「無理です!」
「無理でもないだろ!」
「拒否します!」
「拒否するな!拒否権は認めん!」
とりあえずゾーラの頭に拳骨を落とす。
頭を抑えながら蹲るゾーラに俺はどうして寝返りをしたか理由を聞く。
「どうして寝返りをした。しかも、意図的に」
「匂いを⋯⋯」
「もういい」
「膝枕してくれて嬉しかったです!」
「そうだよそこだよ!なんで目を開けずにすぐに気がついたの?」
「このダークマター刀改めて私が名ずけたグラムが教えてくれました」
そう言ってゾーラは虚空から1本の、先程のダークマター刀を取り出した。
「グラム?」
「はい、グラムです」
ゾーラが自分で名付けをした武器にはSPは使用されないようだ。
《誤解、1万減ってます。それと、魔剣グラムは創造級に上がってます》
さいですか。
「さて、次は誰か戦闘系の奴を1人復活させるか」
その復活させる相手を誰にするかだよな⋯⋯魔王と互角だったて言う鬼人でも良いかもしれんが、元々は50階層、つまりはその上の階層の奴らの方が強い可能性は十分にある。
なので、ドラゴンにオススメを聞いてから復活させることにした。
『ふむふむ、確かに60、70、80、90階層のフロアボスの方が強いですな。ですが、SPが足りますかな?』
「あ⋯⋯」
とりあえずそのフロアボス達の情報を聞いて、核納庫にてその核石を探した。
60階層のフロアボスでも50万のSPを使用するようだ。
「鬼人安定だな」
自分の予想ではそこそこのイカつい男が来るんだが、この核クリスタルの中にある物体が完全に女性なんだよな。
あと、驚く点は袴だとゆう事と背中に担いでいる武器が刀類である事だな。
このラストダンジョンは神が創ったと言う、神は日本の鬼やその他の物で考えたのだろうか?
まあ、いいや。
「復活」
復活させ、輝いている光が収まり、目を開けると、目の前にはゾーラがグラムで鬼人の刀を防いでいる所だった。
「え」
「なんのつもりですか?復活させて貰って置いて急に攻撃とは?」
『いや、すまんな。ソナタの実力を試したくて敢えてやったのだよ』
そう言って鬼人は刀を背中の鞘にしまう。
「私?」
『ああ、ソナタに管理者様を守れる程の力があるのか、気になってな。結論から言うと、今のソナタでは管理者様を守るのは不可だな』
「⋯⋯ッ!」
ゾーラが本気で怒ると思ったが、何やら図星を突かれたようでハッとした顔になる。
ゾーラが弱いのか?俺の何倍かは強いぞ。マジで。
『私の方が護衛に向いている⋯⋯と、言いたいが護衛役には信頼も大切だからな』
「何が言いたいのですか?」
『当分はソナタに任せるが、私の信頼が整ったら私に変われ、ソナタの実力では安心できん』
「クッ」
ゾーラが珍しく苦虫を噛んだような顔をしている。
いやいや、復活の傍からこんな偉そうなこと言ってますよ?
『私は今から訓練場なる所に向かいます。よろしいですか?』
「あ、ああいいぞ」
と、言ってもこの鬼人は転移を持っていないので俺達と一緒に転移する。
『ソナタ、確か名前はゾーラと言ったな。私が剣の稽古を付けてやる』
「⋯⋯分かりました。モレク様、私は少しお傍を離れます」
「ん?当分やる事ないし俺も何かしらの武器には触れておくよ」
「はい」
残りは2万そこらなので、名付けは出来ない。
俺も自分を守れる程度の力は無いといけないので宝物庫から色々な武器を持ってきて試し振りをして自分にあった武器を探す。
剣は数年間父、元父の教えがあっても全く上達しなかった。
かと言っても魔法も滅茶苦茶の才能がある訳でもない。
まずは槍からだな。
「あっちの訓練が激しいな。かなり離れた所でやろ」
衝撃波が飛んで来て髪の毛が揺らいで目に入って痛い。
転移でかなり離れた位置に移動し、衝撃波が来ないことを確認したので迷宮の壁を窓にして槍を振ってみる。
「見てくれる人がいないからなんとも言えんな」
サネルなら分かったりする?
《可能》
・剣、測定不能
・槍、情報不足
「なるほどね。測定不能ってそれだけ弱いって事だね」
《YES》
「少しは間を開けて欲しかった」
ほんと、即答で言わないで欲しかったよ。
その後槍で突きをしたり薙ぎ払いや槍投げを使ったりする。
それで気がついた事がある。
武器を扱う、とゆうかスキルには権能や恩恵と言った力がある。
しかし、俺の適合にはそれがない。
つか、適合の調べ方も、使い方が頭に浮かぶ訳でも無い。
鏡で俺を一度鑑定してもダンジョンの管理者としての能力しか載らないのだ。
なので、権能だの恩恵だの増えたりも減ったりもしない。
まあ、ダンジョン管理者としての格を上げれば増えるようだがそれで俺が戦えるのかは分からない。
・槍、そこそこの才能
そこそこだって。
よし、次!アックスだ。
自分でも持てる小さな斧を使って試すが、片手ようでも重量があり、上手く扱えない。
なので、パス!
これでハンマーや大剣も無理だな。
かと言って筋力が滅茶苦茶ある訳でもないし、武術を習っている訳でも無いのでナックラーなども使えない。
「お、俺に向いた武器ってなんだ!」
自分に向いた武器が一切思いつかない。
俺にあっている武器は一体⋯⋯あ、次は弓矢を使ってみよう。
なるべく壁の硬さを柔らかくする。
矢土のような物にしたい物だ。
的は⋯⋯まあ良いだろうかな。
あとはある程度距離を取って、弓道で使うかけも無いので矢の羽の部分を持つ。
ツルの所は痛いのでね。
あとは口割れの所を意識して、頬付けをして狙いを済まし、ビビって離れの時に頬付けを辞めたりするのは避ける。
ここだ!
「ふ」
見事に外れた。矢土にした壁すら外した。
だが、もう少し試して見ようかな。
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