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異世界彼女は純和風  作者: 凪沙一人
守れるのは自分
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拾伍葉 ‡ いざ鎌倉

ついにサブタイから色葉の文字がぁ~

「ちゃんと説明して貰えるのかしら? 」

 事、色葉の事となると、北条さんは恐い。というか、いつにも増して恐く感じるのは、筝葉の所為なのか、奴らの所為なのか。取り敢えず、あの空間内の出来事を見てしまった以上、下手な隠し事は出来ない。この状況で大友ならいざ知らず、北条さんを相手に誤魔化す自信は無い。

(ミッチー、記憶を消すような魔法は無いのか? )

(ありませんよ。そんなの、あったら、御白州が成り立ちませんから。)

 それはそうだ。そんな魔法があったら桜吹雪は役に立たない。諦めて北条さんには説明した方が良さそうだ。しかし、何処まで話したらよいものか。北条さんの事だ、色葉や筝葉が狙われていると知ったら守るとか言い出しかねない。

「なるほどね。」

 気がつくと、筝葉が北条さんと話し込んでいた。

「筝葉、何処まで話した!? 」

「全部よ。何か問題でもあるっ! 」

「大有りだ。これで、北条さんの命も狙われるかもしれないんだぞっ! 」

 大体、悪の組織ってのは、秘密を知られたら始末するってのが定番だ。北条さんは色葉たちみたいに急須に入れて持ち歩くって訳にはいかないんだぞ。拙い事になった。

「聞いたのは私なんだから、筝葉ちゃんを怒らないであげてくれる? 」

 北条さんが思ったより落ち着いたトーンで言ってくれたので、僕も冷静さを取り戻した。僕が筝葉を怒ったのが、北条さんの身を案じての事だと理解してくれたのだろう。おかげで色葉の様子に気づく事も出来た。

「色葉、大丈夫。今度はミッチーも居るし、皆、まとめて僕が守る。」

 筝葉が話してしまうのを止めなかった事に、責任を感じていたのだろう。色葉は無言で抱きついてきた。僕がそっと頭を撫でていると咳払いがした。

「御両人、私はともかく、筝葉ちゃんや、そちらの方の前は気を使いましょ。」

 筝葉はともかく、ミッチーには気を使ってあげるべきだったか。っていうか、北条さんも“ともかく”なのか?

「取り敢えず、うちの本家に行きましょ。」

 唐突な北条さんの申し出に、???となった。

「あそこなら庭が広いから、どの方向から来ても丸見えでしょ? 」

 確かに奴らは、色葉たちを追う時も走っていた。とはいえ、O.E.D.O.と、この世界を転移するような奴らだ。空間を飛び越えて来たら見張りようもない気がする。

「ここは、北条殿のお言葉に甘えましょう。」

「何か策でもあるのか? 」

「広い敷地で、鍋島氏の御能力《おちから》を発揮されれば、北条殿の仰る通り、守るに易く存じます。」

 なるほど、転移魔法を弾いてしまう訳か。能力を発揮するのは懐鏡で僕ではないのだが。それでも、守る対象が三人ともなると守りやすいに越したことはない。いつもの如く、大友がメッセージ一つで呼び出された。

「ミニバンで来いって言うから何かと思ったら、人数増えたのね。こちらさんは筝葉ちゃんの彼氏? 」

 言った瞬間に、大友は北条さんに叩かれた。

「ごめんなさいね、えっと… そういえば、お名前、伺ってなかった。」

「拙… 私は竜紋 光之介と申す… 申します。」

 バタバタとしていた所為でミッチーの紹介をしていなかった。

「だからミッチー、言葉遣いは治せって。」

「ん!? 光之介でミッチーか。俺もミッチーって呼んでいい? 」

「はっ。鍋島氏のご友人であれば… 」

「んじゃ、ヨロシクな、ミッチー。」

 そう、大友は良く言えば小さい事は気にしない。悪く言えば、何事にも無頓着なKYな奴である。

「お疲れ様。もう帰っていいわよ。」

「えっ!? 何… 」

「用が済んだら、とっとと帰るっ! 」

「へぇ~ぃ。」

 渋々と大友は帰っていった。

「鍋島さんも、事情を知らない大友《あのバカ》は居ない方がいいでしょ? 」

「そうですけど… 。何で彼奴と付き合う事にしたんですか? 」

「バカだから。」

「えっ!? 」

「今まで、私に告ってきても、私の扱いに皆、心が折れていったのに大友《あのバカ》だけは愚直に私を好きだと言ってくれる。つまり私について来れる男子は、大友《あいつ》が初めてなの。」

 何か、分かる気がした。頑張れ、大友っ!

「お待ちしておりました。」

 北条さんの本家、門前に一人の女性が立っていた。僕たちと変わらない年頃だろうか。

「驚いたなぁ。常ちゃん、何を察して来たの? あ、彼女は佐野常世さん。本家の元お手伝いさんの娘さんで私の幼馴染。こちらは、私の彼の友人の鍋島さん。その彼女の色葉ちゃんと、その妹の筝葉ちゃん。鍋島さんのお友達? の竜紋さん。」

 紹介されて、僕らと佐野さんはお互いに頭を下げた。

「お初に御目にかかります。佐野と申します。此度は北条家お屋敷に不穏なる気配が近づくを察し、馳せ参じました。」

「拙者は竜紋 光之介と申す者。今は故あって鍋島氏に仕えておりまする。」

 なんだろう? この二人、近しい匂いがする気がする。

「取り敢えず、中に入りましょ。常ちゃんの勘は当たるから、あいつらが近づいてると思っていいわ。私が保証する。」

 そういうのは、あまり保証されても嬉しくはない。が、あの北条さんが保証すると言うのだから佐野さんの勘の鋭さは間違いないだろう。

おかしい… 恋愛要素が…

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