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29話 次の一歩へと段階を進め④

 運ばれてきた2皿のパスタ。自分のとニメージュので、同じ2皿。

 間の悪さを恨んでも仕方ない。それよりも、早い内に。

「とりあえず、いただきましょうか。」

「あぁ。」



 改めて目を向ける皿の上。

 赤い。ムードある店の雰囲気や、パスタという前提からは、想像できないくらい攻めた見た目。

 赤黒い油が麺に絡み、麺自体の色も透けて混じり、光沢のあるマーブル模様になっている。

 それに加えて盛りつけられた赤と黄のパプリカと角切りベーコンは、少し深さのある黒い皿と相まって篝火のような様相となっている。

 正直、一瞬ためらった。けどどんな辛さでも受け入れる覚悟を決め、一口目。


 …意外にも、見た目ほど辛くはない。

 辛くはある。けどそれ以上に油と大蒜(ニンニク)の重厚感。

 それを支えるパプリカの清涼感。それが主となる濃さを邪魔せず後味の重さだけを軽減してくれている。食感的にもいいワンポイント。

 そして時折強く踏み込んでくる角切りベーコンの力強さ。強い胡椒の刺激と歯ごたえが、いいアクセントになっている。

 見た目のインパクトの強さだけではない美味に、気付け黙々と食べ進めてしまっていた。

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