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はじまり 3

 「おまえほどじゃないさ。さっそく便所でもいって吸うか」


 「俺は遠慮する」


 「大介!なんでだよ」


 「煙草なんて興味がないからさ」


 「おまえ知らないだろうが、兄貴のやつ煙草のおかげで3人の女を口説き落としたっていってたぜ。この話なら聞きたいだろ」


 「おまえも浅はかなやつだな。俺は小さい頃大人が煙草を吸うのは、きっとチョコレートかキャンディみたいな味がすると思っていたからなんだ。だけど、はじめて吸ったとき、そのマズさにがっかりだぜ。ただ、吸いはじめは頭がクラクラして気持がよかったから一時吸ったけど、すこし経つとそれもなくなったからすぐやめたんだ」


 「大介、煙草は男をかっこよく見せるんだぞ」


 「功一、おまえ中学生が煙草を吸って本当にかっこいいなんて考えているのか。様になるっていったら名優のハンフリー・ボガードぐらいだ。おまえが一生懸命気取ったところで笑われるだけだ」


 「おまえは女を落とした経験がないからそんなことをいうんだ。兄貴のいうことを信用しないのか」


 「それはおまえの兄貴が3人の女に抱かれたいと思わせるほどの魅力があったからさ。煙草を吸う姿に惹かれて抱かれたなんて考えるのはおかしいと思うぜ。臭いだけじゃねぇか、周りにも迷惑だし、俺はごめんだね」


 「おまえ今度は俺の兄貴を侮辱する気か」

 

 「どこが侮辱なんだ、正論じゃねぇか」


 「大介!おまえは本当に素直じゃねぇな。俺はとにかく女とやりてぇんだ。いい女を追い求めるのは男として生まれた者の運命さ。かっこよく見えなかったら女だってその気にならないぜ。おまえだって本当はやりてぇんだろ」


 「そりゃ男なら誰だって好きな女とやりてぇさ。だけど、そんな下心見え見えで口説いてもうなくいくはずないさ。特におまえの好きな霧島洋子は無理だろうな、彼女はデリカシーのない男を軽蔑するからな」



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