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はじまり 2
「ずいぶん早いな」と御木本功一の声である。
そして矢継ぎ早に、
「こんなに早く登校するなんてなにかわけでもあるのか」
「なにたまたま早く起きたからさ」
「へぇー、だったら家でテレビでも見てりゃいいじゃねぇか」
「あいにく、朝は天気予報ぐらいしか見ないんでね」
「そうか、おまえ俺になにかいうことがあるんじゃないか」
「別に」
「おまえ、自分の誕生日も忘れたのか」
「アホ、忘れるはずないだろ。自分からいいだしたらまるで物乞いみたいじゃないか」
「それが生まれた日の特権じゃねぇのか」
「俺はプライドが高いんでね」
「じゃあ、これ渡すのよすかな。手に入れるのに苦労したんだ」
「おまえはおおげさだからな、大したものじゃないだろ」
「エロ本と煙草だ」
「なんだよそれ」
「俺たちにとっちゃ一番価値のあるものだろ」
「どこに価値があるんだよ」
「大人になる階段さ」
「煙草を吸って、エロ本見ながらコクことが大人なのか。それにどこから盗んできた」
「アホ、人聞きが悪いな」
「おまえが小遣いをはたいたとはとうてい思えない」
「ばれたか、するどいな大介。兄貴の部屋から盗みだしたのさ。物がモノだけになくなっても大騒ぎできないだろ」
「おまえもワルだな」




