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夫婦のカタチ  作者: 夢呂
第3章◆ペット
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2◆ペットショップにて

「トイプードルはダメ、かわいいと思えないから」


小春がペットショップに着くなりそう言った。

小春がそう言ったのには訳がある。


俺の実家には、二匹のトイプードルがいる。

俺の両親が可愛がりすぎて躾を怠ったために、何にでも誰にでも噛み付き、すぐに吠え、トイレは覚えない最悪な「お犬様状態」になっている。そして小春とは相性が悪い。


「そうだな」

俺も、飼うならトイプードル以外が良い。

それは単に、違う犬種に興味があったからだが。


「出来れば、柴犬とか秋田犬みたいな、日本犬がいいなー」


小春の実家では以前、日本犬の雑種を飼っていたらしい。鈴が生まれる少し前に亡くなったらしいが。


「でも日本犬は毛が抜けるから掃除大変じゃないのか?」

「そっか、じゃあやめよ。」


(おお…、切り替え早いな…。)


「あーこの子は?ポメラニアン!!もふもふー」

ペットショップのガラスケースを覗きこんで嬉しそうに見つめる小春。

「そいつも毛が…」

「あ、じゃあやめよ」

俺が言う前に、さっさと次に行く小春。


「なんなんだよ、お前!飼う気ねーだろ」


「あるよ!」


「パパ、ママ、はんぶんこっ!」

まだ二歳の沙羅が俺と小春の間に入って、真剣な顔で俺達を交互に見る。



(“はんぶんこ”?)

意味がわからず小春の顔を見ると、クスッと笑ってしゃがみ込み目線を合わせて沙羅に言った。


「大丈夫だよ沙羅。パパとママは喧嘩してないから。」

その言葉に沙羅が少しホッとした顔をした。その顔を見てから、立ち上がると小春が俺に言った。


「私がいつも、鈴と沙羅が喧嘩になると“はんぶんこしなさい”って言ってたから…」


「なんだそれ・・:っ」

(沙羅、可愛すぎるぞ!)


「沙羅、おいで。抱っこ」

思わず沙羅を抱き上げて、ふと目の前のガラスケースに目をやった時。


俺は・・・―――こちらを見つめる子犬に運命を感じた。



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