●アクションシーン解説 1●
●岩巨人対ルクト●
本編最初の戦闘シーンとなります。
勇者メリフィスが正統派の剣士だとして、同じ肩書きであるルクトは
割と変則的な戦い方をする…というイメージで考えてみました。
ここで重要になるのは、初戦であるこの時でさえ、パワーや破壊力なら
敵の方がずっと上であるという点。主人公は決して「無敵」ではない。
彼より強い存在はいくらでもいる。でも戦い方次第で勝つ事はできる。
ルクトは数値的レベルで強いのではなく、明らかに自分より強い相手を
何度も倒した経験を持つから強い。そういう「凄み」を重視しました。
ルクトの最大の特徴である、籠手と内蔵鎖鞭。これは立体的な戦闘を
描写したかったが故の装備であり、元ネタは「スパイダーマン」です。
ただしスパイダーマンの糸と違い、シビアな長さの制限が存在するため
当初は別の使い方が多かった感じ。そもそもスパイダーアクションは、
高層建築がないとほぼ無理なので。
ちなみに、アミリアスの操っていた守護者の元ネタは、99年の映画
「ギャラクシー・クエスト」に登場する異星の岩の怪物です。
●ディグロー掃討戦●
いわゆる「討伐依頼案件」です。
本作には定番モンスターはドラゴン以外一切登場しないので、積極的に
尖った設定の魔獣を投入しました。地中を掘り進んで来るディグローの
元ネタになっているのはもちろん、90年の映画「トレマーズ」です。
戦闘フィールドを棚田型の畑に設定したのは、アクションに「高低」を
設けるためです。地中の敵を相手に平地で戦うと、単なるモグラ叩きに
なってしまう。その点階段状の地形であれば、地面を掘ったりせずとも
地中を移動する敵の横に陣取る事も可能なので。
刀身が伸びる剣を地面に突き立てて柄にしがみつき、多数の敵の襲撃を
上に逃げてかわす…という戦法は、ずいぶん前に書いていた二次創作の
未使用ネタを流用しました。
●バルセイユ対ルクト●
初の「強敵との戦い」になります。
この時点においては、まだ先々代の魔王が本格的に復活を果たすという
展開は特に考えていませんでした。バルセイユを「六選将の一人」だと
設定したのも、かなり場当たり的な力技だった感じです。もちろん、
この時点では残り5人の設定もまだほとんど確定していませんでした。
ルクトが二番刀でバルセイユの部下たちを一気呵成に斬るシーンは、
「ジョジョの奇妙な冒険」第二部の後半で、カーズが壁の向こうに立つ
ナチス兵士たちを一撃で殺した場面のオマージュです。
ちなみにバルセイユが「死の間際の傷を残したまま復活している」のは
返魂術を実際に行ったソーピオラの仕込みです。そもそもバルセイユは
ガルデン大要塞を手中に収めるためのスケープゴートでしかなかった。
いずれメリフィスが倒すのが想定。だからこそ明確な弱点を残した形で
復活させた。それを、アミリアスとガンダルクが魔力を感知した時点で
およそ察してルクトに伝えていた。もし万全な状態で復活していたら、
ルクトに勝ち目はほぼなかったかも知れない。皮肉な巡り合わせです。
もちろん、仮に万全な状態だったとしても、メリフィスなら勝てたのは
確実です。あくまで「念のため」の措置が、ルクトを救った形でした。




