暗黙のルール
ダンジョン内で他人が攻撃している魔物を攻撃してはいけない。
このルールには特例がある。先に攻撃している冒険者が助けを求めた場合だ。今の世界、ダンジョンに潜る人は大抵配信をしている。なので言った言わない論争にはならないのが救いだ。
「助けて」
「はい!助けます!」
私はイレギュラーと冒険者の間に入り振り下ろされたイレギュラーの腕を蹴り飛ばす。
バチン!!
「ガァ!?」
「っふ!!」
腕が消し飛ばされたイレギュラーは焦っている様子だが後ろに飛んで追撃を回避した。
「グラァァァ!!」
「だけどそこは・・・私の攻撃範囲だ・・・ヨ!!」
私はイレギュラーとの距離を詰めて首を蹴り飛ばす。
先程は救助するべき冒険者がま後ろにいたこともあり本気で攻撃できなかったが今ならできる。イレギュラーは見切ることすら出来ず絶命した。頭を蹴り飛ばされたイレギュラーは膝から崩れ落ち、すぐにドロップ品となって姿を消した。
「ふぅ・・・大丈夫ですか?」
「は、はひ!?」
ん?この子どこかで見たことが・・・あぁ!?『LABOLA』のミツキちゃん!?
「あ、怪我してますね。少し待ってくださいね」
「!?な、なにを」
私が空中に腕を突っ込み中からポーションを取り出して彼女にかけるとみるみるうちに怪我はなくなった。
「うそ・・・まさか特級ポーション?」
「ん?そうですよ。特級ポーションなんて余ってますからね。気にしないでください」
「い、1本1千万円するポーションが余ってる・・・」
「っあ、そうだ。すみません配信はここまでにします。後ほど改めて配信するので今日は失礼します。」
そう言ってミツキちゃんが空中に向かって手を振った。
え?え?配信中だったの?
「あ、あの、配信中でした?」
「え、あっ!すみません。すぐに非公開にしますね。そんな仮面をつけてるんだから身バレしたくないんですよね。本当にすみません」
なんてできる子なんだろう・・・じゃなくて!!
「あ、あの、LABOLAのミツキちゃんですよね?」
「あ、知ってくれているんですね!そうです。LABOLAのミツキです!」
「ならユキちゃん、楓ちゃんは大丈夫ですか?」
「2人なら今地上に向かってるはずですけど・・・すみません。助けて貰ってなんですが2人のことも助けていただいてもいいですか?」
『LABOLA』を助ける?最高!実は何を隠そう私は『LABOLA』の視聴者なのだ!なので3人と関わりを持てるのはとても嬉しい!
「はい。それじゃ、ミツキちゃんも一緒に外に出ましょうか。ここは安全ではないですしね」
「ありがとうございます」
この後、残りの2人も救助したところ、助けてもらったお礼を改めてしたいと連絡先を交換してしまった・・・。




