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~Interlude 2~

 そこは、薄暗い場所であった。


 規則正しく整列している色々な色の光源は有るが、その他の光源と言えば、平面型の物体が何十個か有るぐらいのものだ。

 数十個の平面型の物体は深海の様な濃紺一色を映し出しているだけで淡い光を放っている。


 唐突に、平面型の物体のうち一番大きな空間を占める物に、赤い紋章が映し出された。

 その紋章は、何かの顔の様にも見える。


 赤い紋章の光に照らされて、紋章に向かい合って座っている人影のおぼろげな輪郭が浮かび上がった。光量はあまり大きくなく、顔の詳しい輪郭は分からない。


 人影は、言葉を発した。


「……どうしました?」


〈わずかなゆらぎを……感じた〉


 問いかけに対する答えは、紋章に向かい合って座っている者にしか聴こえない。

 その場所に在る人影はただ1つだが、仮に誰か他に居たとしたら、その人影が独り言を(つぶや)いている様に見えたであろう。


 人影は、更に言葉を続ける。


「敵の手の者ですか?」


〈おそらく。ゆらぎは、現れてすぐに消えた〉


「ならば気にするほどの事でもないのでは?」


〈今の所はな。だが、結論付けるには情報が足りぬ〉


「ならば、部下に捜索を命じますか?」


〈……いや、止めておこう。それで敵の注意を招くのも、今は好ましくない〉


「案ずる事は有りません。我々の計画は、成就間近です」


〈その通りだ。だが、警戒は怠るまい〉


 赤い紋章は、現れた時と同じく、唐突に消えた。


 その場所に残された人影は、再び口を閉じ、目を閉じて瞑想を始めた。

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