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93話 マージンス島を守り抜け!



「空軍上陸隊準備……発射アアアアアアアアアアア!!!!」



「「「行って参りますっ!!!!」」」



 アーシアたちが暮らすマージンス島へ侵攻を進める浮遊戦艦ブリリアントフィッシャー号から、バシュッ、バシュッと何かが射出される。

それはグライダーに乗ったギリス王国軍の空軍兵だった。

マージンス島周辺の海域に潜む凶暴な魔物や荒れ狂う潮の流れの影響を受けないように、空から島へと侵略する作戦だ。



「従魔飛行隊も続けええええ!!!!」



「「「はっ!!」」」」



「「「ガアアアアアッ!!!!」」」



 空軍兵の出撃に続き、数頭のワイバーンに乗ったアイル王国軍の魔物使いの部隊が浮遊戦艦からマージンス島へと向かって飛び立つ。

ギリス王国とアイル王国はお互いの精鋭部隊を集結させ、全力で島の資源を奪いにやってきた。



「さあ思い知れマージンス島の蛮族ども。貴様らは刑に処された罪人なのだ。優雅な島暮らしなど送って良いはずがないのだよ!!」



 大国の連合軍の襲撃を受けた小島の住民たちは、圧倒的な力の前になすすべもなく蹂躙され……というような状況にはならなかった。



「スイ、リョク! 島の脅かすあの魔物たちを返り討ちにしてあげなさい!」



「ぎゃおっ!!」



「ワイバーンなんてあなたたちに比べたら小鳥ちゃんみたいなものよ!」



「ぎゃお~!!」



「ガーちゃんも、行くよ……!!」

 


「ギィィ!!」



 マージンス島から飛び立つ3匹の巨大な魔物。

エメラルドドラゴンのスイとリョク、そしてガルーダのガーちゃんだ。

それぞれの魔物の背中には彼らと心を通わせた子供たちが跨り、襲撃してきたワイバーンに対抗する。



「ド、ドラゴンだと……ッ!?」



「デカすぎる、あんなのワイバーンじゃあ……!!」



「ぎゃおおおおおおおおおおおっ!!!!」



「「うっうわあああああああっ!?」」



「「ガアアアアアアアッ!?」」



 エメラルドドラゴンが放つ炎のブレスを全身に浴びて何もできずに墜落していくワイバーンの従魔飛行隊。

それを見ていたギリス王国の空軍飛行隊は慌てて距離を取ろうとするも……



「ガーちゃん、あの人たちは食べて良いよ……」



「ギィィ!!」



「や、やめろおおおおおおおおおおおお!!??」



「ぎゃああああああああああああっ!?!?」



 ワイバーンの従魔飛行隊よりも機動力に欠ける空軍上陸隊たちは、ガルーダのスピードから全くもって逃げることが出来ず、多くの兵が島に上陸することなく巨大な怪鳥に捕食されて人生を終えた。



「ほ、報告します! 従魔飛行隊は謎のドラゴンの襲撃でほぼ壊滅! 空軍上陸隊は巨大なガルーダに襲われて半数以上が死亡! グライダーが破損して海に墜落した兵は……オ、オオルカの大群とクラーケンに襲われています……!!」



「な……」



「なん、だと……?」



 まさかの戦況報告を受けて呆然と立ち尽くす連合軍幹部。

空から行けばドラゴンとガルーダに襲撃され、海から行けばオオルカとクラーケンに捕食される。

マージンス島への上陸作戦は予想していたよりもはるかに厳しい結果となっていた。



「あのガルーダ、見覚えがあるぞ……アイル王国側で処分したはずではなかったのか!?」



「牢から脱走した魔物使いのガキか……クソッ!!」



「あ、あの……」



「まだなにかあるのか!?」



「い、いえ……!! 数名の空軍上陸隊が浜辺に着陸し、これから侵攻を開始すると……」



「「「おお!!」」」



 不幸中の幸いとでもいうべきか、なんとか全滅は避けられた空軍上陸隊。しかし……



「開始すると連絡を受けた直後、浜辺の奥にある森から現れた島の住民に襲われて殺されました……」



「「「…………」」」



 浮遊戦艦に取り付けられた望遠レンズで撮影した映像には、上陸したギリス王国軍の武装兵たちが、島から出てきた人狼族の男と人間族の男二人と戦闘になり、敗北する姿が映っていた。



「あれは……っ!! クソ犬どもがあああああああ!!!!」



 ミロスとクリストファーの狂犬コンビを知るアイル王国軍の幹部が机を殴って激怒する。



「さ、最後に残っていたワイバーン兵がクラーケンに捕まって海に引きづり込まれていきました……ひ、飛行隊、上陸隊……全滅です」



「「「くそがあああああああああああああああああああああああ!!!!」」」




————  ――――



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