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79話 帰ってきた海賊船



「おーい、アーシアー!」



「ロドス海賊団ですの!」



「ちゃんと戻ってきたな」



 奴隷の運び屋という裏稼業から改心し、マージンス島と他の国の貿易のお手伝いをしてくれることになったロドス海賊団。

少し前に島の名産品などを乗せて出発した彼ら……じゃなかった、彼女たちが帰ってきたので、浜辺エリアで船を出迎える。



「キュイッ」



「キューイッ」



「うわっ! このオオルカ達はなんなんですかい!?」



「その子たちはお友達なので大丈夫ですわ」



 海賊船に興味津々なのか、浜辺に近づいてくる船と一緒に泳ぐオオルカの子供。

ガーちゃんから船を襲わないように伝えてもらっているので、海賊船から攻撃を仕掛けたりしない限りは安全だ。



「よいしょっと……ふう。久しぶりだねえ、アーシア」



「お久しぶりですわ、ロドス。それで、その……」



「ああ、商売の話だろう? ほれ、これが前回引き受けた分の売り上げさね」



 ロドスから巻物状になっている紙を受け取る。

そこには前回マージンス島から売りに出したアルラウネフルーツなどの各種食材と、それを買ってくれた国や組織、買った代金や、交換してくれた食材などが一覧で書き記されていた。



「この小袋に入っている金貨と、向こうで子分たちが船から降ろしている木箱が物々交換してもらった食材や布だ。その紙に書いてあるのと相違ないか確認してくんな。アタイたちの手間賃は最後の方に書いてあるから、文句があるなら遠慮なく言うんだよ」



「分かりましたわ」



「金のほうはオレが確認しよう」



「それではわたくしたちは品物のほうを。スコット!」



「はいよ~なんだな!」



 お金に関しては、各国で違う貨幣を使用しているので正確に調べるのには知識がいる。

傭兵をしていたミロスはその辺りに詳しいため、確認作業を任せることに。



「……マジか、こりゃすげえ。海賊ってのは随分と交渉が上手いんだな」



「いんや、さすがのアタイらでも無理くり売値を上げるのは難しいよ。アルラウネフルーツの希少性と味の良さがあってこそだね」



「どうしましたの?」



「アルラウネフルーツが想像してた10倍近い値段で取引された」



「今のところ、この島でしか採れないからね。既に追加で欲しいという依頼もいくつか貰っているよ」



「アルラウネ族たちに感謝ですわね」



 お金以外でも、この島には無い食材や調味料、布などを調達することが出来た。

ロドスたちに見繕ってもらった既製品の衣服や防寒具もあって、寒い冬も安心して乗り越えられそうだ。



「……よし、金は問題ない」



「こっちも大丈夫ですわ」



「はいよ」



 売り上げのお金と品を貰って紙にサインをする。

マージンス島、初めての貿易結果は上々だ。



「これで前回分の取り引きは完了だ。次はどうすんだい?」



「アルラウネフルーツは、たしかそろそろ収穫しに来いってチャンドラに言われてたな……」



「ロドス、準備をしますので島に数日滞在して頂けませんか? お食事はわたくしたちで用意するので」



「メシの準備をしてくれるならアタイらは構わないよ。それと、水の補充もしたいんだが……」



「それならミロスの泉まで案内しますわ。水浴びも出来ますわよ」



「なんだいその自意識過剰な名前の泉は」



「オレが名付けたわけじゃねえよ」



 ロドス海賊団がやってきて、しばらくはマージンス島も賑やかになりそうだ。






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