77話 オオルカの恩返しですの!
「アーシア! また浜辺にオオルカが!」
「またですの!?」
「しかもいっぱい!」
「いっぱいですの!?」
浜辺に漂着したオオルカの子供を助けた数日後。
海岸に出かけていたトゥーイたちから再びオオルカ出現の連絡を貰って浜辺エリアへ。
「はあ、はあ……オオルカの子供、どこですの? 今助けに……」
「キューイ!」
「キュイッ!」
「キュキュキューイ!」
「本当にいっぱいいますの!!」
浜辺エリアに到着したわたくしを待ち受けていたのは、大量のオオルカだった。
この間助けた子供サイズのオオルカの他に、その何倍も大きな大人のオオルカ達もいる。
周りの海が巨大なオオルカ達でいっぱいだった。
「キュイ!」
「あなた、もしかしてこの間助けた……」
「キュキュイッ!」
わたくしの近くまでやってきた1匹のオオルカの子供。
なんとなくこの模様には見覚えがある。
「口になにか咥えてる」
「これ……貝か?」
「もしかして、この前助けたお礼ですの?」
「キュ~イッ!」
「ふふ、ありがとうございます」
オオルカから立派な二枚貝を受け取る。
あとでマヨルカに焼いてもらいましょう。
「キュッキューイ!」
「……ん? って、オイオイオイ……!」
「ミロス、どうしましたの?」
大人のオオルカたちの様子を確認していたミロスがなにやら慌てだす。
一体何があったのかしら。
「アーシア、どうやらまだまだお礼があるみたいだぞ……」
「えっ……? って、なんですの!?」
「「キュ~イッ!!」」
大人のオオルカ達が運んできたのは、びっくりするほど巨大なクラーケンの魔物だった。
巨大な大人のオオルカよりも更に何倍も大きくて、これに襲われたら軍艦サイズの船でもひとたまりもない……
「このクラーケン、もしかしてわたくしが島に連れて来られた日に軍艦を襲った……」
「キュッキュッ……」
「ま、まだ生きてますわ」
クラーケンは所々齧られたような傷があるがそこまで衰弱している様子はなく、オオルカ達に持ち上げられて身動きが取れないような状態になっている感じだった。
「正直これは、貰っても困りますわね……」
「こんなデカい魔物を処理するのはさすがに厳しいぜ」
「調理しきれずに腐ってしまったら、この辺り一帯が汚染されてしまいますわ」
「……それじゃあ、このクラーケンは海に帰してあげようか」
トゥーイが使い魔のガーちゃんを通じてオオルカとコミュニケーションを取り、クラーケンを解放してあげる。
たしかに危険な魔物かもしれないけど、クラーケンはわたくしを追放したお父様の部下たちをやっつけてくれたのだから、食べることなんてできないわ。
「……わたくし、性格悪いのかもしれません」
「そんなことないさ。それに、ここであの巨大クラーケンを助けておけばこのオオルカ達みたいに恩返しをしてくれるかもしれないぞ」
「どんな恩返しですの?」
「そうだなあ……大量のイカスミとかくれんじゃねえか?」
「島がまっ黒になってしまいますわ」
お礼の貝を受け取ったわたくしたちはその後、日が暮れるまでオオルカ達と一緒に海で遊んだ。
それからというもの、定期的に浜辺にオオルカ達が現れて一緒に遊んだり、魚を捕まえてくれるようになった。
「ふふ、マージンス島の仲間がまた増えましたわね」
「少しいたずら好きだがな」
「キュ~イッ!」
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