34話 森の食材ですの
ギュイイイイイイイイイイイイイイン!! バキィッ!!!!
「よーしマヨルカ、あと1本切ったら休憩だ!」
「はあ、はあ……し、しんどいわあ」
「マヨルカ頑張るですの!」
島の草原エリアを目指し、道を整備しながら森の中を進んでいくこと、はや数日。
トゥーイがガーちゃんを使役して定期的に進行状況を確認してくれていて、ちょうど森の半分ほどまで進んでいることが分かった。
この調子で行けば、あと数日で森を抜けられるかもしれない。
「作業終わりに浜辺まで戻るのが大変になってきましたわね」
「道が整備されて歩きやすくなってるとはいえ、かなりの距離があるからな……」
「アタシ、もう疲れたわあ。今日はこの辺りで野宿しましょうよお」
そろそろ浜辺の拠点とは別に、森の中間地点にも寝泊まり出来る場所を作った方が良いかもしれない。
「トゥーイが浜辺で食材を獲ってくれていますから、今日は頑張って戻りましょう」
「そうだな。明日辺り、伐採した木を組んで森の中に簡素な寝床を……ん?」
「ミロス、どうかしましたか?」
「……なにかが這って来る音がする。二人とも、気をつけろ」
「あら、アタシには何も聞こえないけどお?」
「……オレは鼻だけじゃなくて耳も良いんだ」
ミロスが一点を見つめて戦闘の構えをとる。
わたくしもミロスからもらった草刈り用のカマを構える。
ちなみにこれは『カマカニ』というカニ型の魔物の腕の一部らしい。
ズリ、ズリ、ズリ……
「……来るっ!!」
「シュルルルルル!!」
「ひぃっ! へ、蛇ですわ……!!」
わたくしたちの前に現れたのは、巨大は蛇の魔物だった。
4メートル……いや、5メートルはあるかもしれない。
長さに対して胴体の太さはそこまでではないので、実際の大きさよりもインパクトは少ない……とはいえ、わたくしくらいなら簡単に飲み込んでしまいそうな恐怖を感じる。
「ジャングルバイパーか……!!」
「あらヘビちゃん。随分おっきいわねえ~」
「マ、マヨルカは怖くありませんの!?」
「ほら、魔女ってヘビを使い魔にしがちじゃなあい? 絵本の中のお話しだけどねえ」
冗談を言いつつ、マヨルカも手に持っていた武器を構える。
武器っていうか、チェンソーマカジキの頭部だけど。
「アーシアは後ろの木の陰に隠れていろ!」
「かしこまですわ!」
「マヨルカ、オレがヤツを食い止めるから、その隙にチェンソーで首をぶった切れ!!」
「了解よ~……って、なかなか無茶振りするわねえ」
ミロスが柄の長いオノを両手で構え、ジャングルバイパーの前に身を乗り出す。
「ジャングルバイパーは鼻は良いが目は悪い。オレのケモノ臭で引き付ける」
「この子にとってはミロスちゃんが1番美味しそうな匂いなのね~」
「ミロス~! 食べられちゃ嫌ですわ~!」
「大丈夫だよ……っと!」
「シュー……! シュルルルル!」
襲い掛かってきたジャングルバイパーの口にオノを噛ませて抑えるミロス。
「マヨルカ! 頼む!」
「分かったわよ~! チェンソー・オン!!」
ザシュッ!! ギュイイイイイイイイイイイイイイン!!
「ジャアアアアアアアッ!?」
ジャングルバイパーの首元にチェンソーを振りかざし、首を切断するマヨルカ。
返り血ですごいことになってて、洗濯が大変そうだ……とか思ってしまった。
ボトッ。
「ジャングルバイパーの首、獲ったわよおおおお!!」
ジャングルバイパーの首に足を乗せ、チェンソーを頭上に掲げた血まみれのマヨルカが珍しく叫び声をあげる。
なんだかすごい……ロックだわ。
「よし、よくやったぞマヨルカ。今夜はジャングルバイパー料理で労ってやる」
「……え? 食べるのこれえ?」
「当たり前だ。焼きヘビは結構美味いぞ」
「マヨルカには1番美味しいところをあげますの」
「ええ……?」
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