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29話 島の全貌ですの!



 ヨーロンス大陸・アイル王国。



「……なに? 脱走?」



「はい。収容塔に入っていた魔物使いのトゥーイという少年が使い魔を使役して塔の窓から飛び降りたと……」



「なぜ地下牢に入れておかなかったんだ」



「地下牢は凶悪犯罪者の専用になっていますので……」



「……クソッ」



「まあまあ、放っておいても魔物使いとしての仕事が出来なくなった孤児などそのうちどこかで野垂れ死ぬじゃろ」



「……まあ、そうだな。ギリス王国には内々に処刑したと伝えよう」



「そうですなあ。まったく、和平交渉も楽ではありませんなあ」



「まあまあ、おかげで仕事がなくなった傭兵のゴロツキ共も処分できましたから。国も随分と平和になったんじゃないですかね」



「はっはっは! そういえばそうですなあ。和平交渉様様ですなあ」



 …………。



 ………………。



「うわ~っ! すごいですわ! 飛んでますわ~!!」



「アーシア! 動き回って落ちないように気を付けるんだぞ!」



「分かってますわ~!」



「あらあら、まるでお父さんねえ」



「うるさい」



「ガーちゃん、アーシアのことよろしくね……」



「ギィィ!」



 わたくしの背中に帆布を巻き付けた木の枝を括り付け、そこをガーちゃんに掴んでもらって空を飛ぶ。

さすがに飛び上がるときは不安と緊張でドキドキだったけど、ガーちゃんが大きく羽ばたいて足が地面を離れると、何とも言えない高揚感で胸がいっぱいになった。



「すごいですわ! みんながあんなにちいさく……お~い!! ですわ~!!」



 手を振りながら下を見ると、マヨルカとトゥーイがこちらに手を振り返し、ミロスが何かを叫んでいるのが分かる。

多分危ないからやめろとか言ってるのかもしれない。うふふ、ミロスは心配性ですの。



「ガーちゃん、わたくし重くありませんか?」



「ギィィ!」



「そうですの。それなら良かったですわ」



 正直ガーちゃんが何を言っているのかまったく分からなかったけど、まあ大丈夫だということにしておこう。



「それにしても、わたくしたちがいる島はこんな感じになってましたのね……」



 空の上から島の全貌が見える。

島の東西の広い範囲は岩山で出来た崖で覆われていて、わたくしたちが拠点にしている南側は浜辺に。

ミロスの泉は……木々に覆われて上からは見つけられませんわね。



「あら? 北側にも浜辺がありますのね。それから森があって、その先には草原、そして中央には大きな山……」



 空の旅を楽しみながら、島の全体図を頭に記憶しておく。

これから島の探索を進めていくときに、この情報はかなり役に立ちそうだ。



「浜辺の奥の森がどれくらい続いているのか分かりませんでしたが、これでさらに島の奥まで行くことができそうですわ」



「ギィィ……?」



「あ、そろそろ時間ですわね」



 事前にトゥーイがガーちゃんに指示していた終了時間がやってきたので、ゆっくりと旋回しながら浜辺に向かって降りていく。

空の旅はとってもスリリングで爽快だった。

島に観光客を呼べたら良い商売に出来るかも……



「まあ、観光客が島にたどり着けたらの話ですけどね」



 空から島の周りを確認すると、たくさんの巨大な魔物の影が海の中を泳いでいるのがよく見えた。




————  ――――



読了いただき、ありがとうございます!


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