30話 探索作戦ですわ!
「ただいまですわ~!」
ガーちゃんとの空の旅を終えて浜辺に戻る。
う~ん、楽しかった。また今度トゥーイにお願いしてガーちゃんを貸してもらおう。
「アーシア大丈夫か? 気分は悪くないか?」
「大丈夫ですの。風が気持ちよかったですわ」
「ミロスちゃんたら、ずっとアーシアちゃんの心配してたのよお」
「言わんでいい」
「ミロス~心配してくれてありがとうですのっ」
「おい、こら……ったく」
わたくしはミロスのもふもふなお腹にボフッと抱き着いた。
うーん、ガーちゃんのお腹の羽毛もフワフワだけど、やっぱりミロスのもふもふには敵いませんわ。
「アーシア、どうだった……?」
「とっても有意義な空の旅でしたわ! あっそうだ!」
忘れないうちにわたくしが空から見た島の全体図を浜辺に描いていく。
「えーと、森はこの辺りまでで、北の浜辺がこんな感じで……」
「アーシア、この絵はもしかして……」
「ええ、この島を上から見た絵ですわ。こんな感じで東西が岩山で囲まれていて、北と南に浜辺があって、島の真ん中には大きな山があって……この山はここからも見えますわね」
「驚いたわあ。一度見て来ただけでかなり細かく全体を覚えているのねえ」
「……なるほど、さすがにフォレガンドロス将軍の娘というだけあるな」
「なにか言いまして?」
「いや、なんでも」
「アーシアちゃんは絵が上手って話よお」
「えへへ、そうかしら」
こうやって全体図を描いてみると、この島は結構面白い形をしているというか、妙に守りが堅い、まるで要塞のような感じがした。
「島の周囲には危険な魔物、近くに大陸はないから、空から乗り込まれる心配は少ない。東西の岩山が自然の防壁になっていて、船が入れる浜辺も南北の限られた場所だけ……まさに要塞ですわね」
もしかしたら大昔に滅びたという、魔人が創り出した島だったり……そんなわけないか。
「ここから見えるあの山まではずっと森が続いているのかと思ったが、結構開けた場所があるんだな」
「これなら、何日かかければ森の向こうに行けるかもしれないわねえ」
今まではわたくしたちが流れ着いた島の南側にあるこの浜辺と、その周辺の森の探索だけしか出来ていなかった。
あまり森の奥まで進んで夜になってしまうと浜辺に戻って来れないし、森の奥には夜行性の危険な魔物もいるかもしれない。
「……森が、思ってたよりも深くないってこと?」
「そうだな、こういうジャングルのような森は奥深くに行けば行くほど危険な魔物が生息している危険性が高い。しかしある程度進めば草原に抜けられるとなると、ここから見える山まで突っ切るようなルートで森を開拓しつつ進んでいけばそこまで危険はないかもしれない」
「そういえば、森の先の草原には湖のようなものもありましたの。山から川が流れていて、その湖に繋がっていましたわ」
「これは、行ってみる価値ありだな」
というわけで、これからのわたくしたちの目標は『浜辺から森を抜けて山の麓までたどり着くこと』になった。
島民も4人に増えて、出来ることも色々と増えていきそうだ。
「ギィィ!」
「うふふ、ガーちゃんもいれたら4人と1匹……いえ、リス子もいるから2匹ですわね」
「……なんの、話?」
「なんでもありませんわ。トゥーイ、改めましてようこそ島に。これからよろしくおねがいしますわ」
「うん……よろしくね、アーシア。あ、そういえば……」
トゥーイが何かに気付いたような顔でわたくしたちを見る。
「どうしたんだ?」
「……この島の名前って、何て言うの?」
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