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風魔21  作者: 大井 平和
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第1話 風魔一族の掟

 戦国時代、後北条氏に仕えた風魔小太郎。言い伝えでは、後北条氏が滅亡した後、江戸や関東一帯で盗賊と成り下がり、処刑され、滅亡した・・・


が、実はその前に次代風魔小太郎はそれ以前に襲名し、切支丹となりマニラに逃れていた。以降、アユタヤ、蘭領東インド、ハワイを経て、太平洋戦争中にアメリカへ渡る。世界大戦で枢軸国の諜報活動で大活躍した第20代目風魔小太郎は全米を駆け巡り、弟子を取った。そして今、第20代目風魔小太郎が後継者として選んだのは、純血の日本人だったのである。


この物語は、第21代目風魔小太郎とその仲間達が繰り広げる戦いの記録である。


 風魔小太郎の襲名は非情な掟により決められる。先代を殺めることが出来る者にしか名を与えられない。第4代目の風魔小太郎は日本人だが、第5代目以降はほぼ外国籍である。風魔小太郎の主な任務はスパイ等の諜報活動、そして暗殺である。だが実際に風魔小太郎を目にした者は誰一人として存在しない。風魔小太郎の動きは常人では目に捕らえられない程早く、多彩な忍術を持ち、気付いた頃には任務を遂行されている「一見必殺」なのである。故に、風魔小太郎を目にした者は必ず死を迎える。紺の装束に身を包み、多彩な技と忍術で使命を全うする。現代社会の日本では「忍び」を信じない者が多く、現代の第21代目のとっては動きやすい世の中である。


【名前】第21代目風魔小太郎

【異名】疾忍。「神風忍者」

【号】風間出羽守

【素性】アメリカ育ちの日本人

    CIA庶務係(SAC隊長)

【風貌】眼鏡に七三分けの優男

    スーツ姿のビジネスマン

    紺の忍装束

【武器】名刀・大蛇丸、鉤手裏剣

    円盤手車(ヨーヨー)、十字苦無   

    惑峰独楽、撒菱、風呂敷、鉤縄

    鳥の子爆弾、角指、坪錐、吹き矢

【忍術】近代忍法を駆使する

    消え身の術、身変わりの術、

    隠れ身の術、幻術、                 

    変化の術、空蝉の術、水蜘蛛、畳返し

    超高速移動、ムササビの術、滑走の術、      

    飛行凧、自在縄、縄抜けの術、壁抜け、     

    蜻蛉返り、蜘蛛糸縛り、透明の術、

【日遁の術】(影うつし、影身の術、影縫いの術)

【月遁の術】(軟化脱力、引力磁石、月光の術) 

【火遁の術】(煙幕、煙隠れ、遠隔爆破、

       火炎手裏剣)

【水遁の術】(水駆け、水柱の術、火消しの術、 

       毒霧、酸化泡沫) 

【木遁の術】(木登り、飛び降り攻撃、

       木の葉返し、葉隠れ手裏剣)

【金遁の術】(銭爆弾、ピン札爆弾、金縛りの術、刃鋼線)

【土遁の術】(土潜り、土中駆け、落とし穴、

       地震の術) 

【旋風の術】(空駆け、壁歩き、鎌鼬の術)

【雷電の術】(体内放電、稲妻落とし)

【風魔奥義】21分身、竜巻地獄、砂塵風車、

      風林火山、嵐舞の術、風雲の術

【風魔剣技】影蝋斬、円陣斬、闇灯斬、乱刃斬、

      蛇伸斬、百嵐斬

【備考】先代第20代目風魔小太郎の弟子にして殺めた日本人


 第21代目風魔小太郎は、両親の仕事の都合で生後間もなくアメリカへ渡った。小太郎7歳の時、任務遂行中だった先代20代目風魔小太郎が誤って彼の両親を殺害してしまった。その時目の前にいた第21代目風魔小太郎は先代に引き取られ、忍びとして育っていくこととなった。


 それから10年後、先代から全ての顛末を知らされた小太郎は、両親の敵である先代に対し激昂してしまい、殺めてしまう。だが先代は掟に従い、第21代目を彼に任命し、絶命する。その時点で免許皆伝となった彼は、第21代目風魔小太郎として今世を生きていくこととなる。


 第21代目風魔小太郎は現在、「風間光太郎」の変名でCIAの庶務係という仮の姿を持ちながら、秘密裏に結成された特殊行動センター(SAC)に属している。依頼は全てサン・ライズ・シャドー・クロウ(朝陽の影鴉 通称SRSC)と呼ばれる素顔や素性を知らない人物が一手に引き受ける。


 小太郎は「21」という数字に愛着を持っている


・風魔第21代目である事

・21世紀最初の忍びである事

・PM21:00ぴったりに任務を完遂する事


 普段は温厚で優しく、人から舐められやすい風貌の小太郎だが、任務遂行中は冷徹な刺客として表情を変える。先代に両親を殺された「怒り」によって真の修羅の門を潜った小太郎は、17歳にして「暗殺者」への道を進んでいくのである。


 小太郎の初陣は、地中海にある圧政に強いられた国家認定されていないとある島の姫をアメリカまで保護する任務であった。2001年5月18日午後14:00決行である。


 姫の名はキンバリー。母国はアメリカで、数年前に某国の君主の命により拉致された。キンバリーは中学校へ通う普通の少女だったが、ある日忽然と行方不明になり、両親が捜索届を出していたが、最近になり別の国で発見されたとCIAから通達があった。彼女は拉致後、某国の君主に無理矢理結婚させられているという。


 輸送戦闘ヘリからムササビの術で某国へ舞い降りた小太郎。着地と同時に土遁の術で地中に潜伏する。今回のミッションはあくまでキンバリーをアメリカへ連れて帰る事である。


 あれから約4時間、夕陽が落ちたと同時に小太郎は土中から現れる。素早く木に登り周囲を見渡す。キンバリーがいる宮殿まで11Km 。飛行凧で上空まで近づき、屋根の上に降りる。どうやら宮殿内でパーティーが開かれている。すると、門外に浮浪少年が門番に取り押さえられていた。小太郎は屋根の上から自在縄を投げ、門番を拘束し石つぶてを口の中に投げ封じる。少年が屋根を見上げたときには既に小太郎の姿はなかった。


 屋根を降り、三階の窓へ到達する。逆さ吊りの状態で室内を見渡す。手配書の姫が中年男性数名に取り囲まれている。侵入を試みたその時、さっき助けた少年が小太郎の背後に突然現れた。


「うわあ!びっくりした!」


「よお、あんちゃん。中に行く気か?」


びっくりした小太郎だったが、その少年は城内の事を詳しく知り尽くしていた。彼の名はサイクル。11歳の少年。この某国で盗人をやっており、この城内に何度も潜入したと言う。サイクルに部屋割りや配置、間取り、城内の民衆が何者かまで聞いた小太郎は、サイクルをここに残し、姫を救出したら戻ってくると約束する。


 城内でクラッカーが派手に鳴らされた瞬間、小太郎は十字苦無で窓を割り煙幕を投げる。そして鉤縄を天井に吊るしキンバリーをかっさらい、反対側の窓を蹴りでぶち破り城外へ逃げていった。屋根で待機していたサイクルにキンバリーを預け、小太郎は追っ手を相手に時間を稼いだ。サイクルとキンバリーはSACの輸送戦闘ヘリが回収し、小太郎にこの城内にいる高官達の暗殺指令が下る。現在PM19:08分。小太郎に向かって一斉に銃が発射されたが、小太郎が最も得意とする忍法が炸裂した。


「風魔21分身!」


21人に分身した小太郎が七色に輝きながら21種類の攻撃で高官達を次々と倒していく。小太郎の名刀・大蛇丸が鮮血に染まり、地面が赤く染まっていき血の池と化す。小太郎は城壁を横へ水平に走り、某国の戦士達の首を次々と刎ねていく。全員が横たわる中


「風魔乱刃斬!」


と言葉を残し、城に火炎手裏剣を投げ、刀を鞘に収めて大きく振るい回し竜巻を発生させ、燃やし尽くし去って行った。


「風魔竜巻地獄。」


【PM21:00ミッション完了】


 キンバリーとサイクルはSACの輸送戦闘ヘリに乗ったままアメリカへ運ばれた。キンバリーの両親の依頼だと聞いたキンバリーは安堵の表情を浮かべる。


 ジブラルタル海峡に一時着陸したヘリは、へらへらと笑っている1人の情けなさそうな顔の眼鏡をかけたスーツ姿の優男を同乗させ、アメリカへ向かう。キンバリーとサイクルはそのだらしなくにやけている優男がさっきの忍びであることは知らない。


 それから朝になり、キンバリーは両親の元へ帰還する。サイクルは、両親が某国の君主に処刑され行き場を無くしていた。このまま祖国に帰すのは忍びないとCIAが特別に入国許可を許す。それを聞いたキンバリーの両親が


「それならしばらくウチで生活するといい。娘を助けてくれたお礼だ。」


と提案し、サイクルはキンバリーの家に居候する事になるのだが・・・

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