準備とアタック
「えっぐ。何回襲われるんだよ」
巨大樹を木登りして、飛行型モンスターに何度も捕まった。
そのたびに僕はスーちゃんに助けてもらい、飛行型モンスターとともにメテオストライクを決めることとなった。
八目大黒カラスの時と同じだ。
僕の体を守っていたスーちゃんがモンスターの体にとりつき、相手の飛行能力を喪失させて僕と一緒に地面へと落下する。
それを、何度も繰り返した。
やはり、僕を助けてくれているのはスーちゃんだったようだ。
高所からの激突も、一度経験すると不思議となれるらしい。
僕は目を閉じたりすることなくその様子を観察することができた。
その結果、地面へと激突する寸前にスーちゃんは僕の体を守るように膨らみ包み込んで、一方でモンスターの体は、そのまま地面へと叩きつけられていた。
その結果、僕は全くの無傷で、相手は即死するという凶悪な攻撃になっていた。
スーちゃんのおかげで僕は命拾いしている。
だが、それは言い換えれば、僕はそれだけ木登りに失敗しているとも言えた。
何度も何度も巨大樹を登るのはさすがに大変だ。
いい加減、ここは突破したい。
そう考えて、巨大樹のふもとで僕はストレッチを行っていた。
気合を入れる。
ここまでの経験上、どうやら木登りにはタイムリミットのようなものがあるらしい。
まず単純に時間をかけるとモンスターに見つかる確率が上がるらしいということ。
時間をかけて安全を確保しつつ木登りすると、この巨大樹の頂上に行くまでにほぼ確実にモンスターに捕まってしまう。
また、一定の高さを越えるとこれまたモンスターに捕まりやすくなるというもの。
木登りを始めた後の低いところで時間をつぶしても意外とモンスターには見つからないが、高いところだと陰に隠れていてもなぜか見つかりやすいみたいだ。
要するに、なるべく早く昇りつつ、さらに後半にもスピードアップが求められる。
巨大樹の木登りを成功させるにはそんな条件が見えてきた。
それを達成するためにはどうすればいいか。
一つはルートの選定。
一本の巨大な樹木を時には幹を掴み、時には枝に飛び移りながら木登りするときにどのルートを通るかでてっぺんにたどり着く時間は変わるだろう。
そして、もう一つは準備だ。
ここまで何度も木登りをしてきた。
そして、途中からある程度の法則らしきものに気が付いた僕は、一発での成功ではなく、事前準備の重要性に気づき、それを行っていた。
選定したルートの中でも、例えば掴まるところが全然なくてスーちゃんの吸盤力だけを頼りに幹へ這いつくばって移動しなければならないルートがあれば、その部分の木の幹をマイスコップで削り、穴をあけて掴まりやすくしたりした。
あるいは、木の枝と枝の間が離れている場所には蔦を渡して、ロープ移動のように進めるようにした場所もある。
つまり、木登りに失敗したとしても途中の作業がリセットされない点を利用して、木登り成功のための下準備を進めてきたのだ。
今回は、多分行ける。
両手でパンパンと顔を叩き、気合を入れた僕は巨大樹のてっぺんまで走り切るペースで、全力で巨大樹を上り始めた。
そして、実に十三回目のアタックで巨大樹のてっぺんまでたどり着くことに成功したのだった。
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