磨き上げる
スライムのスーちゃん。
ダンジョンで泥団子と泥を一緒にしておいた場所から生まれた、動く泥。
なぜか僕の言うことを理解し、聞いてくれるモンスター。
そんなスライムを、僕は飼うことにした。
ダンジョンに開けた穴のそばで座り込み、スーちゃんを撫でる。
持ってきていたペットボトルの水をスーちゃんにかけながら、手のひらから魔力を送り込むようにして、表面を撫でる。
すると、少しずつ変化が現れてきた。
それまでは、土と水でできた泥が、固まりかけたような状態だったが、どろどろでザラザラだった表面が、撫でているうちにだんだんと滑らかになっていく。
泥団子を固めた後の磨き上げの工程と似ているかもしれない。
ただの泥だったものが、粒子の整った表面へと変わっていく。
それに合わせて、スーちゃんの体もどんどん滑らかになっていった。
どうせならばどろどろの体よりも滑らかな表面の体のほうがいいと思う。
なぜなら、僕はスーちゃんを家に連れて帰りたいと思うようになっていたからだ。
だが、まさか泥状態のスーちゃんを連れ帰るわけにもいかない。
せめてもう少しきれいな見た目のほうがいい。
というわけで、しばらく座り込んで水と魔力、そしてダンジョンの土の中でも砂になった部分を使いながら、スーちゃんの体を磨いていく。
液体でもあり、固体でもある不思議な体のスーちゃん。
それを水と砂と魔力で磨いていると、だんだんと体の大きさが小さくなってしまった。
泥団子を作るときのようなイメージで体を撫でまわしながら磨いたからだろうか。
野球ボールよりも大きく、ソフトボールよりも少し小さいくらいの大きさの体になったスーちゃんは、当初のどろどろした体は、表面がさらさらになったが、握るとクニッと、あるいはグニューっと伸びる不思議な感触へと変わっていた。
……普通のスライムってこんな感じになるんだろうか?
実物を見たことが無いからわからないが、とりあえずこの大きさならば家に連れて帰ることもできそうに思う。
薄い茶色の超絶柔らかゴムボールのようになったスーちゃん。
見た目はそんな感じだが、僕の言うことを理解し聞くことができるスーちゃん。
そのスーちゃんを僕の体の肩に乗せてやり、そのまま肩に乗っているように命じる。
すると、ぴたりと肩に張り付き、まるでそこが定位置であるかのように動かない。
僕はスーちゃんを肩に乗せながら、穴掘り作業を再開することにした。
体を大きく動かしながらスコップを操り穴を掘る間、僕の左肩には常にスーちゃんが引っ付いており、その体の揺れを楽しんでいるように感じた。
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