スコップでの戦闘
サバンナの地中から現れたビッグワーム。
こいつが胴体を叩きつけて攻撃してきたのを間一髪で回避する。
強烈な振動が僕の足元に響き体勢を崩してくる。
なんとかそれに耐え、ビッグワームへと視線を向ける。
こいつは僕を食べようとしている。
それも、ぺちゃんこにしてから喰うつもりらしい。
ならば敵だ。
モンスターにはスーちゃんのような例外もいる。
だが、こいつは違う。
完全に敵だ。
殺そう。
目的を明確にしたことで、恐怖と動揺で目の前が暗くなった状態から復帰する。
クソでかいミミズ野郎をぶっ飛ばしてやろうとマイスコップを強く握る。
だが、体の大きさからくる重量差を考えると、いかにスライムスーツを身に纏っていても防御しきれない可能性もある。
回避しつつ、攻撃に転じなければならない。
今度は、ビッグワームが頭を大きく横に振った。
体を縦に動かして地面にたたきつけるのではなく、横に薙ぎ払うようにして巨大な体を振り回そうということのようだ。
それを、後方へ飛んで回避する。
ビッグワームの体は、まだ大穴の下にある。
だから穴の端から離れることで、その巨体の薙ぎ払いを避けられた。
そこで、ビッグワームはその大穴から出ようと身をよじらせる。
手や足のない体をくねらせながら、穴から這い出て来ようとする。
それを見て攻撃のチャンスであると判断する。
足裏のスライムスーツが地面と反発する。
僕はその反発力を使って大きく跳躍し、そのまま大穴へと飛び込んだ。
まだビッグワームは体をくねらせている。
そこに真上から飛び込むようにしてマイスコップを突き刺した。
――入った。
思った以上に、あっさりと。
まるで地面に穴を掘るように、ビッグワームの体へとスコップの先を突き立てる。
間髪入れず足をかけ、体重を乗せてえぐった。
地面の土をスコップで浚ういつもの穴掘りでよく行う動作だ。
普通であればこんなものは攻撃とも呼ばないだろう。
巨大なミミズの体に、人間がスコップで挑んでも本来は無意味なはずだ。
だが、違った。
僕の攻撃は成功する。
マイスコップは僕が足裏を乗せて体重をかけるとビッグワームの体に深々と突き刺さり、そしてその肉をえぐり飛ばすようにして浚うことに成功した。
ビッグワームの体表が弾けた。
さすがの巨体でも痛みを感じたのか、大穴を出ようと身をよじり移動していたビッグワームの体が大きくのけぞる。
肉が裂け、体液が飛び散る。
確かに――効いている。
そして、鋭い牙が生えそろった大きな口から金属をひっかいたかのような嫌な音が発せられた。
こいつ、どんな歯をしているんだよ。
そんなことを思いつつ、僕の攻撃は終わらない。
痛みによって暴れまわるビッグワームの体に、今度はスーちゃんの吸着力を使って相手の体に張り付いたまま、再びスコップを突き立てた。
先ほど体に開けた穴。
露出した肉にスコップを当て、さらに深くえぐり取る。
ぐにゅりとした、嫌な感触が手に広がる。
だが、やめない。
ここでやめたら僕が勝てるかどうかわからないからだ。
暴れまわるビッグワームの体に引っ付いたり、あるいは押しつぶされないように離れたりしながら、僕は何度もスコップを突き立てた。
それを何度も繰り返す。
やがてビッグワームの全身はえぐられ、動きを止めた。
――そして、最終的にはドロップアイテムを残して消え去ることとなったのだった。
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