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ダンジョン穴掘り――ストレス発散のためにスコップを手にダンジョンでひたすら穴を掘ってたら奈落に落ちた――  作者: カンチェラーラ


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果物

 ダンジョンの中に広がるサバンナを移動する。

 荒野、あるいは草原のときのような巨大樹みたいな目印は今のところ何もない。

 ただ、ひたすらに歩き続けた。


 どこに向かえばいいのか見当もつかない。

 ここから脱出するためには僕は何をしたらいいのだろうか。

 そんなことを考えながら、もう一つ気になることがあった。

 それはサバンナに生えている木についてだ。


 細い幹が上に伸び、上部で枝が横に広がっている木が、ところどころに生えている。

 その葉の中に、果物のようなものが見えた。

 あれって食べられるのだろうか。

 移動を続ける僕はそれが気になってしょうがなかった。


 だって、しばらくまともなものを食べていないのだから。

 補給食としてのダンジョンバーや白龍の尻尾肉、あるいはスーちゃんの体を食べて空腹を満たしてきたが、植物性の食べ物は全然手に入らなかった。

 巨大樹でもそういうおいしそうな食用のものというのは手に入らなかった。

 だからこそ、こうして見えているサバンナの木の果物が欲しくなってしまう。

 あの味のない塊とは違う。

 これは――“食べ物”だ。


 だが、問題がある。

 それは、この果物が食べられるのかどうかだ。

 そして、この木がおそらくモンスターであることだ。


 そう、このサバンナツリーは普通の木ではなく、モンスターだったのだ。

 多分、トレントとかそういう種類なんだろうな。

 木のモンスターで、大きく広がる木の枝を動かすことができるらしい。

 実は一度襲われかけた。

 木の近くを通った時に、枝を振り回して攻撃してきたのだ。


 その時は、たまたま攻撃を躱し、僕はすぐに距離を取った。

 サバンナトレントはあまり動いて追いかけるようなことはしてこないみたいだ。

 おかげで無事に逃げることはできた。

 襲ってきた個体に果実がなかったことも、僕が逃げに徹することができた理由でもある。


 が、今視線の先にいるトレントの枝にはリンゴのような、ナシのような実がついている。

 ……食べられるんだろうか。

 もしかすると、食用には適していなくてただただ人間がそれにつられて近づいてくるようにするための撒き餌かもしれない。

 近づけば、さっきのように枝が飛んでくるかもしれない。

 だが、それがどうした。

 その可能性があるのと同時に、あれがものすごくおいしい魅惑の果物である可能性も十分にある。

 そればかりは食べてみなければわからない。


 食べたい。

 食べよう。

 僕はそう決心した。

 ――食欲には、勝てなかった。

 僕はおいしそうな実が付いたトレントに狙いを定め、戦利品を獲るために、初めて自分からダンジョンモンスターへと近づいていった。

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