表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたくしは何も存じません  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

160/182

160.招かれざる客の乱入

 クラーラの言葉通り、建物の内装は豪華だった。外観を必要以上に豪華にしない理由は、防犯や使用頻度の問題があるらしい。大人の事情よ、と笑う祖母にガブリエルはそれ以上追及しなかった。


 玄関ホールのステンドグラスは綺麗で、管理人も親切だ。送ってきたアウグスト達騎士は、近くにある飲食店で時間を潰すという。女性貴族の集まりであるお茶会に、護衛であろうと男性が同行するのはマナー違反だった。


「叔父様、あとでね」


 手を振って別れ、屋敷側で雇った女性騎士について奥へ進む。すでにかなりの人数が集まっていた。主催なのに遅れてもいいのか、疑問に思ってガブリエルが尋ねる。


「ねえ、おばあ様。主催が最後でもいいの?」


「ゼークト王国では普通よ。始まる時間までに集まればいいし、爵位の低い人が先に来ていることが多いわね。そうすれば、上位の人が来るたびに挨拶できるでしょう?」


 微笑みながら、周囲の挨拶を受けるクラーラの言葉に、ガブリエルは衝撃を受けた。学んだ知識が違いすぎる。もしかしたら、私が習った内容はアードラー王国以外では役立たないのかも。きちんと厳しい教育や作法を身に付けたつもりでいた。だから俯いてしまう。


「ガブリエル様、落ち着いてください。これから、お茶会ですよ」


 周囲の貴族に見られています。遠回しに注意するソフィーに微笑みを作った。お茶会が終わったら、クラーラやソフィーに教え直してもらおう。おかしな点は直せばいい。ガブリエルは深呼吸して、ソフィーの手を握った。


「ソフィーお姉様、離れないでくださいね」


 少女が年上の姉のような女性にお願いするフリで、彼女を守る盾になる覚悟を示した。作法が多少違おうと、公女である肩書きは裏切らない。祖母クラーラも同じ会場にいるのなら、サポートしてくれるだろう。


 この度胸と覚悟の決め方は、王太子妃教育で培ったものだ。


「皆様、急でしたのに集まってくださって嬉しいわ」


 シェンデル公爵夫人としてクラーラが挨拶し、人々は決められた席に落ち着いた。招待状を持つ人であれば、必ず席が用意される。あぶれる人はいない。それなのに……甲高い声で侍女を叱りつける女性がいた。


「このあたくしの席がない、ですって?! どういうつもりなの!」


 騒いでいるのは、ピータック子爵夫人だった。招待状もないのに押しかけ、断ったのにどこかから入り込んだ。慌てる侍女達より、女性騎士の動きのほうが早い。招かれざる客の処理は、騎士の職分だ。


「こちらへどうぞ」


 一応は貴族夫人なので、丁重に退室を促す。背を押すように添えられた手を拒んだ瞬間、立場が変わった。このまま退室すれば、勘違いによる謝罪で済む。だが残ろうとすれば……この場にいる誰かを害する気のある刺客として扱われる。子爵夫人は、その事実に気づけなかった。


 ゼークト王国の公爵夫人が主催し、ロイスナー公国の公女殿下が同席する茶会。その格式と警護体制は、子爵夫人が思うより高いのだ。賊の制圧へと対応を切り替えた女性騎士により、ピータック子爵夫人は会場の外へ引き摺り出された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんだって自分より身分の高い相手にこんな振る舞いができるのやら。 ピーコック子爵家当主の事実すら疑わしいなこれ
勘違い怖いきゅね((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル 小人は猫作者さんをあやします。 よしよしよし、猫じゃらしを持って遊びます。 トイレ用砂あるので、猫作者さん安心安全です。
これだからピーコック(雄クジャク)は……(違
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ