2.交流祭 その2
朝日が木々の隙間から溢れる森の中をハルトは走っていた
塔の地下でイオリが現れるまでその存在に気づくことができなかった自分を鍛えるために足場の悪い森で走っていた
(スズヤが放った弾丸を止めるまで全く存在に気づかなかった、つうことは、あのイオリってやつの気配断ちに気づけるようになれば俺は、さらにカッコよくなれるってことだよな)
ハルトの考えはものすごく単純、強くなることイコールかっこいい、自分より上の強者を目の当たりにして、まだ自分には先があると燃え上がっていた
そしてハルトは走り、その後には腕立てに腹筋などを1000回ずつの基礎的な体づくりを行い、師匠に教わった技の型を脳内で作り出した相手に対して放っていく
「早朝の分はこんなもんでいいだろう」
一通りメニューを終えたハルトは家へと戻っていると、家の付近で子供に囲まれている人物がいたがちょうど日の光が重なり顔が見えない、そしてその近くにはシズクがおりハルトに気づくと近づいて来た
「ハルト!帰って来たよ、カイト兄さん!」
シズクがハルトにそう伝えると子供たちに囲まれていた人物がハルト所までやって来た
「よっ!ハルト!元気してるか!」
「カイにぃ!!」
◯
「今回はかなり長い間塔に潜ってたな、カイにぃ」
「そうみたいだな、半年も帰ってなかったとは自分でもわからなかったぜ、塔の中だと時間の感覚がわかんねーからな」
鍛錬から戻って来たハルトは住んでいる建物の裏にあるベンチに座りカイトと話をする
「それで今回はどれくらいまで行ったんだ?」
「350層まで行ったぜ」
「一人で350層まで行くってさすがカイにぃ、そういえばダブリュリンの奴でも1人で350まで登ったって言う記事があったな」
「俺以外にも1人で350層か、ダブリュリンでもカッコいいやつがいるもんだな」
カイトは、両親がいないハルトとシズクを育てた存在であり、ハルトにとってカイトは兄のような存在でもあり親のような存在でもあり、そしてハルトに武術と魔術を教えた師匠でもあり、その絆は血よりも強固なものである
「そんでハルト、なんかいいことでもあったんか」
「良くわかるな、カイにぃ」
「そりゃお前の親に代わって育てたのは俺だからな一目見ればわかるもんだぜ」
ハルトは自分の体験したことをカイトに話し始めた
「なるほどな、自分より遥かに強い存在に遭遇したと」
「俺はカイにぃに憧れて強くカッコよくなった、まだまだカッコよくなるために鍛錬は続けてる、けどイオリって奴は俺より強く今の鍛錬のままだとあそこに追いつくまでに後どれだけかかるか」
「そんなの簡単な解決方法があるぜ、もっとカッコよくならばいいんだよ」
カイトはサラッと良くわからないことを答えると
「なるほどな!さすがカイにぃだぜ!」
全てを理解したかのように納得したハルト
「俺は今以上にカッコよさを磨き上げてカイにぃ届いてみせるそうすればおのずとイオリにも追いつく」
「そうだぜハルト、カッコよさに磨きをかけろそうすりゃお前は強くなる」
「それでカイにぃは今回はどれくらいでまた塔に潜るんだ」
「1ヶ月くらいかな、そういえば明日から交流祭だっけハルト出るんだろ、お前のかっこいい活躍楽しみにしてるぜ」
「任せとけカイにぃ!」
◯
交流祭前の最後の授業をおえた学校では生徒たちが帰り支度をしていた
「いよいよ明日だね〜エリー!カレンちゃん!」
「アミっちウキウキだね〜」
「だって交流祭だよお祭りだよ!そりゃ〜楽しみだよ〜」
「それじゃあ交流祭前最後の日だしベルベットでパフェでも食べに行く?」
エリーがベルベットに行くことを提案するとアミが両手を合わせて頭を下げる
「ごめんエリー、なんか学園長に放課後に来いって呼ばれちゃってるからカレンちゃんと先に行ってて」
「え?アミっちも呼ばれてたの?あーしも呼ばれてるよー」
「えっそうなの?じゃあエリー1人で待ってるでもいい?」
「あら、なら今日はやめときましょうか、交流祭が終わったらまた行けばいいわ」
「ごめんね!エリー!」
もう一度両手を合わせて謝るアミ
「おっ、なんだアミとカレンも呼ばれてんのか」
後ろから話を聞いていたのかハルトとクルツ、キョウヤがやって来た
「もってことは3人も呼ばれたの?」
「いや僕は呼ばれてないよ呼ばれたのはハルト君とクルツ君」
「俺は手紙で呼ばレター」
「「「•••」」」
静かな沈黙が訪れる
「まーそれは冗談でキリカに朝あった時に言われたんだけどな」
「それじゃあキョウヤ、私たち呼ばれてない者どうしでベルベットに行く?」
「えっ!?い、いいけど…」
「顔が赤くなってますな〜キョウヤっち」
「いいじゃねーかキョウヤデートだな!」
「からかわないでよ〜カレンさんハルト君」
「行きましょうキョウヤ私たちは今日は暇になってしまったんだから」
そう言ってエリーはキョウヤの手を引いて教室をさっていった
「これはどう思いますかカレンさん〜?」
「もしかしたら何かあるかもしれないですねアミさん〜」
それをニヤニヤしながら見送るアミとカレン
「俺たちも行くか、学園長室に」
「そだね〜、要件が早く終われば2人の後をついていけるしね〜」
そして学園長に呼ばれた4人は学園長室に向かっていった
部屋の前までつくとアミがコンコンコンとドアをノックしてから開く
「しつれいしまーす」
「よく来たな、待っていたぞ」
扉を開いた先には4人を呼んだ張本人のイクタス学園長それに、呼んでいると伝えたキリカ、他にスズヤとアレスがいた
4人が部屋に入って扉を閉めると学園長が話を切り出す
「集まってもらったお前たちにはおねがいがあっての」
そう言うと、アミ、スズヤ、ハルト、アレス、カレン、クルツ、キリカの顔を順に見る学園長
「お前たちには交流祭の裏のメインイベントの対抗チーム戦に出てもらう!」




