天候を操る怪人
「……水樹……!」
華条桃奈は携帯を握りしめ、祈るように呟いた。
空は一気に灰色に染まり、豪雨や落雷が吹き荒れ厳しい状況になっている。
水樹の友人、祐奈からの連絡を受けた彼女は急いで水樹の通う中学校を目指して急いでいた。
他の3人にも連絡はした。だが、すぐに向かえるのは恐らく自分だけ。
自分が駆けつけるまでに水樹や祐奈たちが無事であって欲しいと願う。
「頑張って、ね……、ブルー……!」
だから。
自分は速くその場に駆けつけるまで。
「……ッ」
水樹は、一旦距離を取った。
諦めない。それでも、一旦攻撃の手を考え直す必要がある。
「下手に力技を出しても無駄ですからねぇ。ここはどう行きますかねぇ」
その水樹が迷っている一瞬。
その瞬間に、今までどっしり構えていた雲龍怪人が消えたのだ。
──否、消えたのではなく一瞬で移動した。
そう分かったのは雲龍怪人が祐奈達の前に立っているのを見たから。
「は、速すぎですぅ……!」
水樹は呆気にとられたが、すぐに駆け出した。
雲龍怪人は、祐奈達の前で何をし出すか分からないから。
危険が及ぶ前に自分が行かなければ……!
『あの子は弱い。友達さえも守れなかった自分の弱さを悔やむこと……!』
大蛇がうごめき、祐奈達を捉えようと身をくねらす。
二人とも、呆気にとられているだけだ。無理もない、今まで戦闘とは無関係な一般人だから。
雲龍怪人の胴体が二人に触れるという刹那。
「させないですぅ!」
回転ノコギリよろしく、軌道を描いた水の刃が一つ、二つ、三つと連続で怪人に向けて繰り出された。
一度でダメージが与えられないのならば連続で。
さすがにたまらなくなった雲龍怪人は祐奈達から距離を取る。といっても、まだ水樹から離れており、祐奈達と近い。
再び攻めようと怪人が動くが。
「これで、どうですぅ!」
ダダダッと駆け寄ってきた水樹が勢いそのまま怪人にタックルを食らわせる。
単純な力を使うよりそっちの方が速いと判断したためだろう。
わずかに怪人が後ろに後退。その隙を水樹は見逃さず、水の刃を作り攻撃を開始。
『また単純な攻撃を』
しかし、雲龍怪人はびくともしなかった。
水樹の頭に雲龍怪人の不気味な声が響く。
「っ!まだまだぁですぅ!」
今度は水樹は水を球体状にして放つ。
そのまま雲龍怪人にぶつかると、その球体は弾けて水をぶちまける。
『……!』
「どうですぅ?悪よぶっ飛べですぅー水球!」
雲龍怪人は最初こそ驚いていたが、以前と変わらずどっしりと居座っている。
『無駄。そんな攻撃、痛くも痒くもない』
「……!?」
雲龍怪人は、そう言い捨てると、空を見上げた。
水樹も不審に思って空を見上げる。
……その突如。
「……痛ッ……!?」
ゴツンと、水樹の顔に落ちてきた”何か”が命中した。
思わず顔を押さえる水樹へ間髪入れずに次から次へと”何か”が落ちてきては衝撃を与える。
「な、何ですぅ……!?ぼ、防御の水壁!」
頭上に水の膜を作って空を見上げてみる。
水樹ははっとした。
空から──雪の塊、雹が降っていた。
更新が遅れて申し訳ございませんでしたm(_ _)m
二日に一話と言っておきながらこのペース。
お読みいただいている感謝の皆様は、「不定期更新」と思っておいたほうがいいですよ。
……本当にすみません。
10月1日、サカキショーゴさまからレビューを頂きました〜!ありがとうございます!
感激です。これからも頑張っていきますー!





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